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2017年5月の『押さえておきたい良書

世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか

元グーグル社員が教える「生産性」を向上させるヒント

『世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか』
-グーグルの個人・チームで成果を上げる方法
ピョートル・フェリークス・グジバチ 著
SBクリエイティブ
2017/01 224p 1,400円(税別)

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 「働き方改革」をめぐる議論が盛んだ。国際比較における日本の生産性の低さが問題視されていることもあり、業種、職種を問わず、生産性を向上させるべく仕事のやり方を見直す風潮が高まっているようだ。
 だが、生産性を向上すべしと言われても、具体的にどこから手をつけてよいのか悩むビジネスパーソンも多いのではなかろうか。本書『世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか』は、そんな人たちに有益なヒントを与える一冊だ。
 本書では、グーグルで働いていた著者が、同社での生産性の高い、効率的な働き方を、豊富な事例を挙げながら解説している。著者はポーランド出身で2000年に来日。2011年にグーグルの日本法人に入社し、人材育成と組織開発などの分野で活躍した。現在は独立して2つの会社を経営し、コンサルティング活動などに従事している。

10倍の成果を上げるために「今、この瞬間」に集中

 著者がグーグルで仕事をしていて印象的だったのは「より速く動いて成果を上げなければいけない」という使命感をあらゆる社員が持っていたことだという。グーグルの社員は常に「今の10倍の成果を上げよう」「そのためにはどうしたらいいか」と考え、実践しているのだ。
 そのコツの一つは「今この瞬間」に集中すること。どんな時も「今どれだけの成果が出せるのか」「今どれだけ仕事を進めることができるのか」を考え、後回しにしない。
 たとえば会議の議事録は、ほとんどの会社では会議終了後に参加者の誰かが持ち帰ってまとめるだろう。しかし“グーグル流”は異なる。会議をしながら、参加者みんなで一つの文書に書き込む。会議室の大きなスクリーンに文書を映しておき、リアルタイムで作成していくのだ。
 また、メールでのやりとりではうまく意思の疎通ができず、かえって仕事が遅くなることもあり、グーグルではほとんど使われていない。デジタルの最先端をいく企業として意外に思うかもしれないが、電話か直接会って話す方が速いと考える社員が多いのだそうだ。

集合知でイノベーションを生み出す

 グーグルは独自のイノベーションで知られるが、それを効率よく生み出すのに、ロジカルシンキングや精緻な分析はかえって邪魔になると考えられているそうだ。それよりもひらめきや直観、センスが重視される。
 これらを培うのにグーグルが重視しているのが「コレクティブ・インテリジェンス(集合知)」だ。そのため、社内のアイデア出しのミーティングは、かなり頻繁に行われている。
 そうしたミーティングなど意見交換の場や、顧客への提案などでは、しばしば「プロトタイプ(試作品)」が作られる。仕事の依頼があった時などに「こういう感じではないですか?」と尋ねながら、その場でプロトタイプにあたるドラフト(下書き)を書いて見せる、といった習慣がグーグル社員にはあるのだ。そうすることで認識のズレを防ぎ、最短で仕事を進められるようになる。(担当:情報工場 足達健)

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2017年5月のブックレビュー

情報工場 三省堂書店