2024年から開始する新NISA（少額投資非課税制度）に向け、投資に興味を持ち始めている人もいるだろう。資産形成の考え方、投資をする上で大切にしていることについて第一線で活躍してきた2人に思いを語ってもらった。
AKB48を卒業してから、以前よりも収入の見通しは立てづらくなりました。とはいえ、毎月どのくらいお金を使っているかは把握していて、収入すべてを使ってしまうようなことはありません。今しかできないこと、やらなければならないことを実行するためにお金を備えておく心掛けは、卒業前から変わらないですね。
20代前半から投資に興味はあったものの、実際に始めたのは投資に関するお仕事がきっかけです。初めは不安もありましたが、お金が増えるとうれしいし、勉強していくうちに悩みは解消できました。
AKB48時代のメンバーや友人からお金の相談を受けることもあり、興味はあるけど踏み出せない人がいるのもわかります。でも、投資にはインフレなどで資産が減ってしまうのを防ぐ役割もありますよね。一度投資をしてみると勉強したいという意欲もわきますし、怖がらずに少額から始めてみてほしいと思っています。
中長期的にリターンを得ることを目指しているため、主な投資対象は、長期・分散・積み立てでリスクを抑えられる投資信託です。もっとお金について勉強したいという思いもあり、個別株にも投資しています。実際に個別株投資を始めてからは、より経済ニュースや企業情報を気にするようになりました。今は節税や老後の備えについても考えるようになったので、30代からは個人型確定拠出年金（iDeCo、イデコ）も始めたいと考えています。
気象予報士の資格を持っていて、気候変動や環境問題には興味があるので、ESG（環境・社会・企業統治）などを意識した企業には注目しています。「この企業を応援したい！」という気持ちは投資のモチベーションにもなりますし、環境に配慮した企業はきっと長く続くでしょうから、結果的に自分のお金が増えることにもつながると思っています。
難しく考えすぎず、ゲームが好きならゲームメーカーや機器の部品製造業をチェックするなど、興味がある分野から投資先を探してもいいかもしれません。応援したい気持ちから投資を始めて、少しずつステップアップしていけば長く楽しく続けられます。
むとう・とむ◇女性アイドルグループAKB48の元メンバー。成城大学大学院 経済学研究科修了。2019年には気象予報士試験に合格。現在は金融教育にも活動の幅を広げており、ファイナンシャル・プランナーのAFP資格をもつ。キャッチフレーズは「逆から読んでもむとうとむ」。
「人生100年時代」を迎え、個々人の生き方や働き方が多様化した現代では、人生の様々なステージで必要となる資金を確保するための、長期・積立・分散投資を通じた安定的な資産形成が重要になっています。
岸田政権では、2023年を「資産所得倍増元年」とし、「貯蓄から投資へ」のシフトを大胆かつ抜本的に進めています。中でも24年1月にスタートする新しいNISAでは、より多くの皆様の、より多くの投資を、より長期間、非課税にいたします。皆様のライフプランに基づき本制度を活用いただけるよう、周知・広報にも積極的に取り組んでいます。安定的な資産形成の重要性を広めるため、金融経済教育も充実させてまいりますので、ぜひご注目ください。
また、「成長と分配の好循環」を実現する上で、家計の資産を預かる資産運用セクターに期待される役割は大きいと考えています。「資産運用立国」を推進すべく、資産運用業の高度化に向けた取り組みを検討してまいります。
本特集が、皆様が資産形成に踏み出す「きっかけ」となることを期待するとともに、政府としても、投資を前向きにとらえていただけるような環境づくりにしっかり取り組んでいきます。
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