ゼニス、革新への挑戦  Episode3 21世紀の機械式時計 デファイの伝統と革新
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ゼニスは150年を超える歴史のなかで、常に技術を進化させ、時計界をリードしてきた。
今年発表となった、3つのシリーズに拡充された「デファイ」は、そんなゼニスの高い技術力を象徴するコレクション。
それぞれに異なるメカニズムながら、メゾンの伝統をしっかりと受け継ぎ、優れた革新性を実現している。


このコンテンツは2018年11月に公開されました

デファイ エル・プリメロ21の新作。100分の1秒クロノグラフを、ブラックセラミックのケースで包んだ。ファセットカットを施した立体的な造形美が、硬質な素材でも見事に再現されている

デファイ エル・プリメロ21の新作。100分の1秒クロノグラフを、ブラックセラミックのケースで包んだ。ファセットカットを施した立体的な造形美が、硬質な素材でも見事に再現されている

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ゼニスの今を象徴する3つのデファイ

ゼニスの今年の新作はデファイが主役だった。昨年、登場した新コレクションのファーストモデル「デファイ エル・プリメロ21」は、100分の1秒単位を正確に計測できる一体型の自動巻きクロノグラフとして大きな話題を呼んだ。それまでのゼニスにはなかった、大胆なフルオープンのダイヤルも新鮮だった(デファイ エル・プリメロ21の詳細は『Episode1 優れたDNAが進化、3つのデファイへ』を参照)。

その新作は素材と色で遊び、さらなる魅力を添えている。例えば、外装をブラックセラミック製とした新作がその一つ。メゾンでは初めてブレスレットまでセラミック製とした意欲作だ。チタンケースには、トレンドのブルーダイヤルと日本限定のホワイトダイヤルを追加。同じチタンケースにはヴィンテージな印象が高いソリッドなダイヤル仕様も展開された。ブラックセラミック製のベゼルにより、ぐっと引き締まったたたずまいが与えられている。ケースにローズゴールドを用いたラグジュアリーなモデルも新たに登場した。

既存モデルをブラッシュアップしたゼニスは、全く新しいデファイも2つのシリーズとして完成させている。

デファイ ゼロG。オフセットしたダイヤルの下に、360度回転してテンプを水平に保つグラビティコントロールが備わる。独自の複雑機構が、フルオープン・ダイヤルに一層映える

デファイ ゼロG。オフセットしたダイヤルの下に、360度回転してテンプを水平に保つグラビティコントロールが備わる。独自の複雑機構が、フルオープン・ダイヤルに一層映える

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一つは、ゼニス独自の高精度をかなえる複雑機構を備えた「デファイ ゼロG」。腕時計は、常に同じ姿勢にある置き時計と違って、腕の動きに応じて重力を受ける方向が変わる。これが時計の精度に悪影響を及ぼす。

ゼニスは、かつて製作していた高精度な航海用デッキクロック=マリンクロノメーターから着想を得て「グラビティコントロール」という新機構を考案。重力に従って360度回るジンバル(回転台)が、時計精度を司るテンプを常に水平に保つことで高精度を得る仕組みだ(デファイ ゼロGのテンプが常に水平を保つ様子は、こちらのムービーを参照)。

ゼニスは2018年、この複雑機構の小型化に成功、デファイに初めて搭載した。アバンギャルドなフルオープンのダイヤルに、ジンバルが浮遊しているかのように軽やかに回転し、独創的なメカニズムが一層引き立つ装いとなった(デファイ ゼロGの詳細は『Episode1 優れたDNAが進化、3つのデファイへ』を参照)。

デファイ クラシックは、シンプルな3針モデル。そのソリッドダイヤル仕様は、ヴィンテージ感が強く、ネイビーのスーツによく似合う。サンレイ加工のブルーダイヤルも美しい

デファイ クラシックは、シンプルな3針モデル。そのソリッドダイヤル仕様は、ヴィンテージ感が強く、ネイビーのスーツによく似合う。サンレイ加工のブルーダイヤルも美しい

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もう一つの新シリーズがシンプルな3針モデル「デファイ クラシック」である。搭載するムーブメントは薄型自動巻きの名機「エリート」。機械式時計の心臓部と呼ばれる脱進機の一部をシリコン製とした進化形が初めて搭載された。今のゼニスらしい、星型のフレームを配したフルオープンのダイヤルと、繊細なサンレイ装飾(放射仕上げ)を施したソリッドなダイヤルの2つのモデルを展開。ソリッド仕様は、モデル名にあるようにクラシックな雰囲気でビジネスシーンにも合わせやすい(デファイ クラシックの詳細は『Episode2 革新を内に秘めた3針モデル、デファイ クラシック登場』を参照)。

革新的な100分の1秒クロノグラフと独創的な複雑機構、そして3針モデル。3つのラインアップがそろい踏み、デファイは今のゼニスを象徴するコレクションへと成長を果たした。

ゼニスは、スイス時計産業の中心地の一つ、ル・ロックル初のマニュファクチュールとして創業。今ある本社の全容は1920年ごろに完成し、当時の建物のほぼすべてが現代にまで受け継がれている

ゼニスは、スイス時計産業の中心地の一つ、ル・ロックル初のマニュファクチュールとして創業。今ある本社の全容は1920年ごろに完成し、当時の建物のほぼすべてが現代にまで受け継がれている

150年以上にわたる技術の研さんが革新的な機構を生んだ

ゼニスの新たな顔となった、3つのデファイ コレクションは、どれも自社製のムーブメントを搭載する。2つの画期的な複雑機構を含む、全く異なるメカニズムを自社で開発・製造できるのは、優れた技術力のたまもの。その本社は、古くから時計産業の中心地の一つであった街、スイスのル・ロックルにある。

19世紀に碁盤の目以上に区画整理された街の中心地は「時計製造業の都市計画」の名で、ユネスコの世界遺産にも登録されている。スイスの時計産業は、分業制を採ることで成長してきた。ル・ロックルの中心地は、歯車やダイヤル、ケースといった時計製作に関する様々な専業メーカーが通りごとに軒を連ね、街全体を巨大な時計工場としていたのだ。

そんな分業制を象徴するル・ロックルにあってゼニスは、1865年の創業時からほぼ全てのパーツを自社で製造できる体制を整えてきた。18棟、総延床面積約8000平方メートルにも及ぶ現在のファクトリーは1920年頃に完成。その規模はスイスでも屈指の大きさである。

ゼニスは製造力に長けていただけではない。設計・開発力にも古くから秀でていた。1903年には時計精度を競うヌーシャテルの天文台クロノメーターコンクールで金賞を受賞。以降、1968年までの間、数々の名だたる賞を受賞し、600種類を超えるムーブメントを開発して300件を超える特許を取得している。

そして1969年、今もゼニスを象徴するクロノグラフ・ムーブメントの傑作、エル・プリメロが誕生する。これは時刻表示とクロノグラフ機構を完全に一体化した世界初の自動巻きとして時計の歴史にその名を残す。同時に、量産型としては初めて毎秒10振動のハイビートを実現し、10分の1秒単位の計測を可能とした。

今もゼニスを象徴する一体型自動巻きクロノグラフ、エル・プリメロを搭載した最初期のモデルのひとつ。3つのトーンに塗り分けられたインダイヤルは現代のモデルにも採用される

今もゼニスを象徴する一体型自動巻きクロノグラフ、エル・プリメロを搭載した最初期のモデルのひとつ。3つのトーンに塗り分けられたインダイヤルは現代のモデルにも採用される

ゼニスは、こうした優れたムーブメントに加え、ケースやダイヤルといった外装の製作でも長い歴史と経験を持つ。ファクトリーに装備される工作機械の取り扱いでも、長期にわたりノウハウを積み重ねてきた。ムーブメントの機能や素材に応じて、最適な製造方法を選択できるのが、ゼニスの強みだ。

例えば、クロノグラフのリセットハンマーといった複雑な形状のパーツ製作には、古くからある金型を用い、切削よりもはるかに高精度な加工を実現した。結果、ゼニスの時計は高品質を維持したまま、高いコストパフォーマンスでの提供を可能にしている。デファイで多用されるフルオープンのダイヤルも、高い加工技術のたまもの。また、先進素材のシリコン技術を駆使した、高精度技術も確立され、その量産もアナウンスされている。

来年はエル・プリメロ誕生50周年のアニバーサリーイヤー。ゼニスのさらなる革新と飛躍が期待できそうだ。

ゼニスCEOジュリアン・トルナーレ氏インタビュー デファイの進化は、これで終わったわけではありません

ジュリアン・トルナーレ ジュネーブ大学経済学部卒業。2000年にヴァシュロン・コンスタンタンに入社、スイス・マーケットの責任者、北米マーケット社長、アジア太平洋地域マネージング・ディレクターなどを歴任。17年5月1日、ゼニスCEOに就任

ジュリアン・トルナーレ氏
ジュネーブ大学経済学部卒業。2000年にヴァシュロン・コンスタンタンに入社、スイス・マーケットの責任者、北米マーケット社長、アジア太平洋地域マネージング・ディレクターなどを歴任。17年5月1日、ゼニスCEOに就任

ゼニスを大胆に変革した時計界のカリスマ、ジャン-クロード・ビバー氏が、ゼニスCEOの後継者として指名したのが彼、ジュリアン・トルナーレ氏であった。2017年5月から名門マニュファクチュールの陣頭指揮を執り、新コレクション「デファイ」をメゾンの主役に仕立て上げた。

「ゼニスにはエル・プリメロという、ムーブメントのアイコンはありましたが、アイコンとなる時計がなかった。デファイ エル・プリメロ21に続き、ゼロG、クラシックとコレクションが拡充したことで、デファイはゼニスの新たなアイコンになってくれました。新作の出来栄えは、どれも満足がいくもの。市場の反応も、おかげさまで好評です」

そう言って笑顔をのぞかせた後、「しかし、デファイの進化は、これで終わったわけではありません」と、真剣なまなざしで断言した。

2017年、10本だけ製作されたデファイ ラボ。星型フレームによるオープン・ダイヤルの下に、超高精度をかなえるオシレーターが姿を見せる。近い将来の量産が期待される

2017年、10本だけ製作されたデファイ ラボ。星型フレームによるオープン・ダイヤルの下に、超高精度をかなえるオシレーターが姿を見せる。近い将来の量産が期待される

「昨年11月、10本だけの限定で発表したデファイ ラボ(写真)は、極めて革新的なモデルでした。なぜならテンプとヒゲゼンマイ、そして脱進機という既存の調速機構を、オシレーター(振動子)という全く新しいメカニズムに置き換えることに成功したからです。オシレーターはシリコンによる一体成型。現在、これの改良と量産体制の構築を進めています」

量産のための改良点は製造方法。デファイ ラボのオシレーターは、成型後に外周を手で仕上げ直していたが、それを不要とする成型法が確立されつつあるという。設計も見直して、小型化と高効率化も実現する予定だ。

「来年のバーゼル・ワールドで、新型のオシレーターを搭載した新しいデファイを、お披露目できるよう、総力を上げて開発を推進中です。そのオシレーター搭載のデファイは、昨年のラボのような限定モデルではなく、レギュラーコレクションの1つになります」

来日したトルナーレ氏の腕には、デファイ エル・プリメロ21があった。「CEOは現場の近くにいるべき」をモットーとし、世界各地の市場に精力的に足を運ぶ

来日したトルナーレ氏の腕には、デファイ エル・プリメロ21があった。「CEOは現場の近くにいるべき」をモットーとし、世界各地の市場に精力的に足を運ぶ

時計機構を激変させるオシレーターのレギュラー化は、2019年の特別な話題になりそうだが、「来年の大きなトピックスは、それだけじゃありません」と、再び笑顔を見せた。

「何しろ2019年は、エル・プリメロが誕生50周年を迎えるのですから」

ゼニスのアイコンのアニバーサリーを、どんな形で祝福するのか。その準備もまた着々と進行中だ。

「1969年から現在までのエル・プリメロの歴史を語るモデルを取りそろえた、特別な限定セットをバーゼルでお見せします。その中には全く新しいエル・プリメロを搭載したモデルも含まれています。エル・プリメロは、ヘリテージでも眠れる獅子でもない。未来につなげられるよう、革新を続けるべき、ゼニスの大切なアイコンなのです」

エル・プリメロ50周年を祝すイベントも企画しているという。

「1年を通じて、毎月異なる世界の各都市で50周年イベントを開催します。東京での開催は3月。どんな内容になるのか、どうぞ楽しみに期待してお待ちください」

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価格は全て税別です。

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