NIKKEI 100年の資産形成

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いま改めて考える! コロナ禍での資産形成

Part2
税制優遇制度も活用しながら
長期の資産運用を

資産形成の初めの一歩
目標設定が肝心

 「人生100年時代」の到来に向け、長生きに備えた資産形成の重要性は高まりつつある。とはいうものの目標のない資産形成はなかなか長続きしない。そのためまずは「60歳までに老後資金としていくら残す」といった目標を設定することから始めたい。そのほかにも将来の目標としては、結婚資金や子どもの教育費、住宅購入費や老後に必要なお金など、ライフイベントに関する資金が考えられる。

 ゴールが決まれば、必要な年率リターンや毎月の積立額の見通しも立ってくる。年率リターンの上限は6%程度といわれており、これよりも高い利回りが必要な計画になっていれば、毎月の積立額や目標額を見直す必要が出てくる。そして自身の人生の資金計画に沿ってコツコツと運用を続けることができれば、相場の変動に一喜一憂することもなくなるだろう。

 近年「少額投資非課税制度(NISA)」や「個人型確定拠出年金(iDeCo)」など、資産形成を促す制度も整備されてきた。NISAは投資額の上限が年120万円で非課税期間が5年の「NISA」と、上限が年40万円までで、非課税期間が最長20年の「つみたてNISA」の2つがある。両制度とも、投資で得た利益にかかる約20%の税金が非課税となる。

目標を決めるときの例 〜3STEPで計画を〜

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各種税制優遇制度で
長期の資産形成を

 NISAでは投資信託以外に株式なども購入できる。一方、つみたてNISAは、投資信託が対象だ。選べる商品は販売手数料が0円で運用中のコストである信託報酬も低く、分配金が頻繁に支払われないなど、金融庁が定められた基準で180程度に絞り込まれている。

 iDeCoは老後資金を準備するため、公的年金に上乗せして利用する「私的年金制度」の一つ。大きな特徴としては掛金を拠出するとき、商品を運用するとき、60歳以降にお金を受け取るときに税金面で優遇される点だ。掛金は全額が所得控除の対象となるため、年末調整などで所得税の一部が戻ってくる可能性がある。運用によって得た利益は税金がかからない(※)。また60歳以降にお金を受け取るときには、退職所得控除や公的年金等控除が受けられる。

 このように始めにライフイベントに基づく目標を設定したうえで、各税制優遇制度も活用しながら長期の資産形成を行っていきたい。

※運用益には特別法人税がかかるが、現在、課税は凍結されている。

NISA、つみたてNISA、iDeCoの
特徴やメリット

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※NISAについては、見直された上で、2024年から5年間措置。※「NISA」口座を開設する金融機関は1年単位で変更可能。また、「NISA」口座内で、「つみたてNISA」と「NISA」を1年単位で変更することも可能。ただし、「つみたてNISA」で既に投信を購入している場合、その年は他の金融機関または「NISA」への変更は不可。「NISA」から「つみたてNISA」への変更時も同様。