NIKKEIプラス1フォーラム スペシャルセミナーNIKKEIプラス1フォーラム スペシャルセミナー

毎日の食事からペットの健康を学ぶ

ペットの健康を維持する上で基本となるのが「食事」です。ナチュラルフード志向の飼い主が増えているともいわれる中、真に安全な食事とは?
9月29日に東京・ホテルニューオータニで行われた「NIKKEIプラス1フォーラム」では、お笑いコンビのTKOのお二人をはじめ、有識者やペットを愛する方々を迎えて、正しいフードの選び方を考えました。
主催:日本経済新聞社
協力:日本臨床獣医学フォーラム
パネリストの皆さんパネリストの皆さん

大切な食事でペットの健康を支えたい

座 長
石田卓夫先生
(日本臨床獣医学フォーラム会長)
パネリスト
岡田ゆう紀先生
(獣医学博士)
木本武宏木下隆行
(TKO)
持田武資
(ベネッセコーポレーション いぬのきもち・ねこのきもち副編集長)
長谷川有子
(ペットオーナー代表)

大切な食事でペットの健康を支えたい

専門家の指導を受けて
ペットに合ったフードを知る

年に1度は健診を受けるのをお勧めします。 年に1度は健診を受けるのをお勧めします。
石田卓夫先生 石田卓夫先生
石田卓夫先生

石田本日は、「毎日の食事からペットの健康を学ぶ」というテーマでトークセッションを行います。まず、「数あるフードの中からどのような基準でペットフードを選ぶべきか」を考えたいと思いますが、岡田先生、アドバイスはありますか。

岡田栄養学が進歩したことから、現在では、犬・猫共に種類や身体のサイズ、成長段階、ライフスタイル、健康状態によって必要とする栄養素のバランスが異なることが分かっています。それぞれの状況にあった栄養バランスのフードを選ぶことが重要です。そのためには、獣医師など専門家から指導を受けるのが大切だと思います。

長谷川先生がよくお勧めするペットフードはありますか?

石田生涯飼育試験をきちんと行い、「このフードを食べ続けて20年生きている」というデータを公表しているメーカーのものを推奨しています。

木下飼い主の目で、ペットにフードの栄養バランスが合っているか否かは確認できますか。よく毛のツヤを見るのが良いという話を聞きます。

岡田犬や猫の皮膚や被毛は、多くの栄養素を必要とするので、健康状態が良くないと毛ヅヤが悪くなったりパサパサしたりと、異常が出ます。健康状態を示す指標として、確かに毛ヅヤを見ることはあります。しかし、最近はタンパク質や脂質が必要以上に高いフードもあり、その場合は毛ヅヤが良くても栄養バランスが取れているとは限らないので注意が必要です。やはり、専門家に診てもらうことが大切ですね。

フード選びも専門家の意見を大切にしてください。 フード選びも専門家の意見を大切にしてください。
岡田ゆう紀先生 岡田ゆう紀先生
岡田ゆう紀先生
イメージ

食事に関しての悩みも
積極的に獣医師に相談

獣医師にフードの相談をしてもいいのですね!獣医師にフードの相談をしてもいいのですね!
木下隆行氏 木下隆行氏
木下隆行

木下私の家では4歳のフレンチブルドッグがアトピー持ちです。

石田アトピーはハウスダストが原因であることが多く、その場合はフードだけでは治らないですね。

岡田飼い主のフケでアレルギーになる犬もいます。

木本部屋も飼い主も汚いのでは(笑い)。

木下かなりキレイです!!

岡田EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸は、皮膚での抗炎症効果が証明されています。それらを豊富に含む、フィッシュオイルの投与を試してみる方法もあります。

木本私の飼っている15歳のヨークシャーテリアは、最近、フードを手にとってあげないと食べなくなりました。何か病気ですか。自分のご飯食べながらカリカリもあげて……やってられないです(笑い)。

石田甘えているだけの可能性が強いですね。(笑い)。

木下獣医師には病気のことしか相談できないと考えている人も多いと思います。今みたいに、ペットの食事の相談をしてもいいのでしょうか。

石田もちろんです。また、ペットが健康で長生きするには、動物病院で定期健診を受けることが大切です。年に1回、7歳以上だと病気のリスクが高まるので、年に2回は受診することをお勧めします。

情報を正しく受け取ることに注意したいです。情報を正しく受け取ることに注意したいです。
木本武宏氏 木本武宏氏
木本武宏
イメージ

正しい情報に基づいて
フードを選ぶことが大切

正しい情報発信の重要さを認識しました。 正しい情報発信の重要さを認識しました。
持田武資氏 持田武資氏
持田武資

石田「いぬのきもち・ねこのきもち」の読者もフードに対する関心は高いですか。

持田はい。そして最近は特に、ナチュラルフードがキーワードに挙がってきています。

長谷川その流れなのか、グレインフリー・グルテンフリーがはやっていますね。本当に健康に良いのですか。

岡田医学的根拠は、今のところありません。

長谷川「犬猫は肉食動物だから穀物をあげるのは不自然」というネットの書き込みを信用していました。

岡田確かに野生の肉食動物が食べないため、穀物は犬猫に不向きだと思われがちです。しかし、野生動物は早く成熟し、繁殖し、世代交代するというライフスタイル。人と共に健康に長生き、という現在のペットとはそもそも栄養要求が異なります。また、肉食動物も獲物の血、骨、胃や腸内の穀物を摂取することでビタミンやミネラルを補っています。

ペットフードで使用される穀物は水と共に加熱して調理すれば犬猫にも消化できる状態に変化し、必要な良質のエネルギー源として利用することができます。イメージだけで特定の原材料を排除することで、フードの栄養バランスが偏ってしまう可能性があることに注意が必要だと思います。

持田長谷川さんがおっしゃる通り、検索すると「グルテンフリー・グレインフリーはヘルシー」という記事がネット検索の上位に多い印象があります。メディアに携わるものとしても、正しい情報発信の重要さを認識しました。

木本私もネットにあることないこと書かれることがあり、困っています(笑い)。情報を発信するのはなかなか止められないと思うので、受け手としてできることはありますか。

岡田一つは、動物病院や獣医師など、科学的根拠に基づく見解を発信しているものを参考にすること。獣医さんや研究者など、科学論文を読むトレーニングを受けている方の意見をなるべく参考にしてほしいです。

石田トレンドやネットに振り回されず、正しい情報に基づいて安全なフードを与えることが大切ですね。皆さん、今日は、ありがとうございました。

穀物は良くないという情報を信じていました。 穀物は良くないという情報を信じていました。
長谷川有子氏 長谷川有子氏
長谷川有子