飽和した英語市場でスタートアップが急成長 創業3年のプログリットの戦略とは飽和した英語市場でスタートアップが急成長 創業3年のプログリットの戦略とは

株式会社プログリット 代表取締役社長 岡田 祥吾氏株式会社プログリット 代表取締役社長 岡田 祥吾氏

提供:プログリット

2016年に設立された英語コーチングのスタートアップ、プログリット(PROGRIT)が急成長している。代表取締役社長の岡田祥吾氏はマッキンゼー・アンド・カンパニー(以下、マッキンゼー)でコンサルティングに携わった後、同社を立ち上げた。独自のビジネスモデル、論理的に考え抜かれたプログラム内容などで、ライバルがひしめく市場で存在感を高めている。在宅留学(=留学レベルの英語力を自宅で習得可能)を標榜し、これまでは対面式の受講が主流だったが、現在ではオンラインでも、対面と遜色ない英語力の伸びを実現している。受講前後のTOEICスコアにおいては、3カ月で平均約150点アップさせた実績を持ち、受講生は3年間で7000人を超えた。ビジネス英語力の育成・研修を目的とした法人向けプログラムの導入も急増しており、今では名立たる大手企業の研修としても活用されている。

ライバルがひしめく飽和市場で
「本当に英語力を伸ばす」サービスで勝負

岡田 祥吾氏

 日本には数多くの英語教育プログラムがある。圧倒的な大手は存在しないものの、個人事業主のスクールも含めて多種多様なプレイヤーがひしめく。飽和市場ともいえる分野だが、2016年の設立以来、急成長を続けている企業がある。それがプログリットだ。

 「世界で自由に活躍できる人を増やす」というミッションを掲げるプログリットは、論理的に組み立てられ、学習を必ず継続させる独自プログラムで顧客からの支持を広げてきた。

 代表取締役社長である岡田祥吾氏はマッキンゼーの出身だ。マッキンゼー時代に、外国人とのミーティングに入り込めず、苦労しながら英語力を身に付けた自身の経験を基に、プログリットを立ち上げた。

 「新卒でマッキンゼーに入社したのですが、当初は英語が全くダメでした。ミーティングの議事録は、録音した音声を何度も聞き直して苦労してつくっていました。本当に非効率的でした」と、岡田氏は振り返る。先輩たちに学習法を尋ねたり、英会話スクールに通ったり、いろいろ試しながら自分なりの学習スタイルが見えてきた。

 「当初は、『お金を払って通っているんだから、スクールが自分の英語力を上げてくれるのが当然だ』と思っていました。やがて、そんなことはあり得ないと気づきました。自分がしんどい思いをして勉強しなければ身に付くはずがない。そう思うようになってから、英語力が上がっていきました」

 もともと起業を目指していた岡田氏は、マッキンゼーで数年働いた後、もう一人の仲間とビジネスプランを練り始めた。市場の規模や成長性、収益性などを基に、さまざまな業界を分析したのだが、なかなか「これだ」という分野が見つからない。そこで、発想を切り替えた。

 「売上や利益はいったん横に置いて、『自分たちは何をしたいのか』を考えました。そこで浮かんだのが英語です。自分が苦労した経験もありますし、同じように苦労しているクライアントのビジネスパーソンも見てきました。『英語力があれば、グローバルでもっと活躍できるのに』と思った場面も少なくありません。ならば、英語力を本当に向上させるサービスを自分たちでつくろうと思ったのです」

「英語力の伸び=学習生産性×投下時間」。
5ステップに基づきサポート

 プログリットのビジネスモデルは独特。スタートアップの場合、初期投資を抑えるために「シンプルに始めて、徐々にサービスを拡張する」というアプローチが一般的だが、プログリットは真逆だ。

 「最初は、『これ以上は、どこもまねできない』というほどの、徹底的なサービスでスタートしました。例えば、24時間の電話対応のような付加サービスをしていて、どんな難しい質問でも30分以内に対応していました。創業者2人だけだったので、ハードワークで乗り切りました。しかし、そのままでは拡張性がありません。お客さまに聞きながら、効果の見込めないサービスを徐々に減らして最適化を図りました」

 こうしてファンを獲得し、半年ほどで最適化プロセスをほぼ完了させ、新規採用や拠点拡張のフェーズに入った。現在は、オンラインに加え、東名阪に12校の拠点を展開している。

 プログリットにおけるサービスの特長は、論理的に突き詰めた学習法にある。「英語力の伸び=学習生産性×投下時間」という方程式に基づき、効率的かつ効果的なプログラムで、顧客の生活スタイルにも関与しながら英語力アップをサポートする。その最前線を担うのが同社の「コンサルタント」たちである。

 では、どうすれば学習生産性を高めることができるのか。同社は科学的なアプローチで新しい方法論にたどり着いた。そのフレームワークが「英会話の5ステップ」である。

英会話の5ステップ

 リスニングには「音声知覚」→「意味理解」、スピーキングには「概念化」→「文章化」→「音声化」というステップがある。各ステップでは、単語や文法などの記憶(知識データベース)が参照される。(図の灰色の矢印)。なお、図の白の矢印は相手の話を聞いて返答をする会話の流れを示している。英会話を学ぶ全ての人に適用できるフレームワークである。

 「言語学の最新の知見を基に、シンプルに整理したのが5ステップです。英会話を学ぶお客さまのレベルはさまざま。また、リスニングは得意でもスピーキングが不得意、あるいは語彙が少ないといった課題にも個人差があります。そこで、5ステップを使って現状を分解し、お客さまごとに最適な学び方をサポートしています」と岡田氏は話す。

教師ではなくコンサルタント。
最適な教材を選び、勉強の継続を促す

岡田 祥吾氏

 一人ひとりをサポートするのは、約110人のコンサルタントである。教師ではなく、なぜコンサルタントなのか。岡田氏はこう説明する。

 「英語学習のポイントは三つ。『学習コンテンツ』、自分に合ったコンテンツの『選択』、そして『継続』です。コンテンツというのは教材などですが、ここには教師も含まれると私たちは考えています。プログリットがフォーカスしているのは選択と継続。コンサルタントが時に教師を務めることはありますが、選択と継続をサポートするのが基本的な役割です」

 世の中には数多くの教材がある。プログリットはオリジナル教材もつくっているが、他社の教材を使うことも多い。「顧客一人ひとりにとって最適な教材」であることが、何よりも優先される。

 「お客さまの個性や学習段階に応じて、コンサルタントは学習法を細かくチューニングします。そのためには、論理的思考能力が不可欠。また、お客さまに対して遠慮なくものを言う必要もある。厳しいことを言っても嫌味にならない、そんな人間力を備えた人材を採用し、教育しています」

 こうした意味で、質の高い人材の獲得、人材教育はプログリットの強みの核といってもいい。岡田氏は「最高の人材しか採用しません」と断言する。最近は毎月400~500人の応募に対して、1〜5人程度を採用しているという。

 「当然、英語力は必須ですが、加えて言語学に基づくプログリットの方法論を吸収する力、人のやる気を引き出し動かす力がコンサルタントには求められます。採用だけでなく、入社後の研修にも注力しています。コンサルタントは、業務時間の2~3割をスキルアップに使っています」

 コンサルタントの役割は大きい。まず、5ステップに従って、顧客にとって最適なプログラムを作成する。実際の学習プロセスに入ると、スケジュールを細かく管理し、週1回の面談(オンラインでも可)で進捗を把握しテストを実施する。その際、教師として指導することもある。

 また、毎日の学習をチャットで確認。顧客は学習の開始・終了時にチャットを通じて、コンサルタントに通知する。また、原則的に毎日チャットで英語の音声をやり取りして、コンサルタントの発音添削を受けることになる。

ライフスタイルに合わせて設計した週間スケジュール

 ここまでやるから、結果がついてくる。プログリットでは初回3カ月のコースを選ぶ顧客が多く、受講前後のTOEICスコアは、直近では平均で約150アップさせている実績を持つ(3カ月コース受講の場合)。ほとんどの顧客が英語力を伸ばし、半数以上がサービスの継続を希望するという。

 「英語力アップという目的が明確なので、『残業しないように、仕事をもっと効率化しよう』と考えるようになるお客さまは少なくありません。実際、残業時間が減ったとか、家族との時間が増えたといった声を聞くことも多いですね」と岡田氏は語る。

 個人の受講者が着実に伸びている一方で、特に最近は法人との契約が急増中だ。岡田氏はこう続ける。

 「日本全体のグローバル化に貢献したいと考え、昨年からビジネス英語力の育成・研修を目的とする法人向けプログラムの拡充を進めています。多くの名立たるパートナー様に私たちのサービスやカリキュラム、何より英語学習に対する考え方にご賛同いただき、ミッションである『世界で自由に活躍できる人を増やす』ことにつながっていると実感しています」

 導入企業一覧

導入企業一覧

 英会話スクールに通っても、ただ闇雲に頑張ってもなかなか英語力が伸びない――。それは、かつての岡田氏自身の課題だった。そして、世の中には同じ悩みを持つ膨大な数の人々がいる。満たされないニーズに着目し、「英語力を伸ばす」サービスを開発し磨き続けるプログリットの成長は、まだ始まったばかりだ。

プログリットのコンサルタントと岡田社長

プログリットのコンサルタントと岡田社長

ページトップへ