横山一平
19歳の時に産業廃棄物の収集運搬事業で独立。21歳にして3000万円の負債を負うも紆余曲折の末4年弱で完済。2017年に医療機器に特化した運送事業を創業。18年、株式会社ワンフラットを設立。現在、細かな配送に特化した新たなクラウドサービスの開発や、海外飲食事業を展開している。
http://one-flat.co.jp/

INTERVIEW

大人になると色々なしがらみやストレスが増えて、子どもの頃ような純粋な気持ちは薄れていくものです。ですが、私はいくつになっても「好きな人と、好きなことを、好きな時間に、好きなように楽しむ」ことを忘れたくありませんし、それができている大人に憧れます。自由には責任が伴いますし、やりたくないこともやらなくてはいけないときもありますが、それでも自由を手に入れることを諦めないでほしいです。

運送業の負のイメージを払拭したい

横山一平

弊社は、2018年に創業した軽貨物の運送事業を行っている会社です。ECサイトの商品や飲食物のほか、血液や医薬品など医療に関わるものを運んでいるのが特徴です。これらは一般の荷物と違って命に直結するものなので、きちんと届けることことができなければ取り返しのつかない、大切なものを運んでいる責任を感じています。意識一つで扱い方が全く変わってくるので、ドライバーには意識面も徹底的に指導しています。ドライバーの仕事は運転さえできれば誰でもできると思われがちですが、私たちは品物をエンドユーザーに直接届ける配送スタイルですし、発送側と受け取る側の思いをつなぐサービス業であると考えています。さらに、弊社の車両はトラックではなく軽自動車なので、小回りが利きやすく様々なオーダーに対応しやすいことも特徴です。

私は昔からすべてに「自由」を求めて生きてきましたが、結婚を機に「社会に必要とされる仕事をしたい」と考えるようになりました。ある日、大手ECサイトAmazonのCEOがForbesの世界長者番付で1位になったことを知り、ECサイトのすごさを知りました。それに付随する配送業務に興味を持ち、実際に軽自動車を買って配送を始めてみたところ、意外と稼げることが分かりました。一方、物流倉庫は殺伐としているし、現場は古い体質でうまく機能していないし、テクノロジーの進化に追いついていないことも分かりました。「この業界をこの手で変えていきたい」と考え、その思いを発信したところ、賛同してくれる仲間が集まったことから会社設立に至りました。

物流業界は3K(きつい、汚い、危険)といわれますが、弊社はデザイン性の高いユニフォームをつくったり、オフィスをカフェのような集まりやすい空間にしたり、車両の内外装を清潔に保つことを徹底したりと、ドライバーたちが自ら働きたくなるような環境を整えています。第一線で働く従業員は自分でモチベーションを保つのが難しいと思うので、環境面からサポートすることが会社の役目だと思っているのです。実際ドライバーたちも皆清潔感がありますし、他社とは違う目線を持ちながら楽しんで働いています。他社と比べて年齢層が若く、女性ドライバーの比率が25%と多いことも特徴です。運送業界はガテン系で、女性にはハードルが高いイメージがありますが、弊社は大型トラックではなく貨物用の軽自動車なのでハードルが低く、荷物も軽いものが多いので、身体への負担も少ないです。引き続き女性が参入しやすい環境とイメージづくりに力を入れていきたいと思います。

  • 横山一平
  • 横山一平

自由には責任が伴うけれど

私自身が自由なライフスタイルを送りたいという気持ちだけで起業したので、弊社の働き方は基本的に自由です。プライベートが充実するぶん仕事に身が入り、幸福感につながっているようです。また、個人の力を存分に発揮でき、それを正当に評価する会社でありたいので、年齢や経歴に関わらず、実績をあげたぶんだけ公平に評価するようにしています。
自分自身に成長を感じるのは、喜怒哀楽の“怒”が一切無くなったことです。周りからは「なぜ怒らないんですか?」と聞かれますが、すべての原因は私にあると思っているからです。騙されたのは私が見抜けなかったからですし、ミスが起きたのは私の指導が至らなかったから。“怒ること=自分の器の小ささ”という考え方にシフトしたとき、「自分成長したな」と感じましたね。
実のところ、私には能力が無いと思っているんです。いつも私が二歩先を突っ走っていて、周りが付いて来て助けてくれていると感じます。私よりも周りの方がずっと覚悟を持っていると思いますし、いつもその覚悟に支えられています。運送業界はまだ古い体質ですが、もっとドライバーが活躍できて、もっと社会的地位を確立できる体制が必要です。現在私はITでスマートに配送業務を完結できるクラウドサービスを開発中で、全国に展開していく予定です。今度は私が周りの人を幸せにしていきたいので、覚悟を持って臨んでいきたいと思います。

少し前までは銀行員や公務員人気のある職業だったのに、今はYouTuberに憧れる人が多い時代です。個々が自由に発信できるツールも増えていますし、これから個の力がどんどん強くなっていくでしょう。自由な働き方を求める人も増えていますが、自由には責任が伴うことは決して忘れないでください。それでも、やりたくない仕事を毎日やり続けるよりはずっとましですから、つまずきながらたくさん経験して、諦めずに継続して、自由を手に入れてほしいと思います。

ページの先頭へ