横田郁雄
1953年生まれ。新潟県出身。大学卒業後、76年に十川産業に入社。技術部門で研さんを積んだ後、各部署の責任者を歴任。2014年、常務取締役に就任し、15年には先代の急逝を機に代表取締役社長に就任。100年企業を目指し、人財作りに奔走している。
https://www.togawa-sangyo.co.jp/

INTERVIEW

当社はプラスチックホース・チューブの製造メーカーとして、50年以上の歴史を誇る企業です。常にお客様目線を忘れない柔軟な対応力と技術力を武器に、一期一会のご縁を大切にしてきたことが、その歴史の積み重ねを下支えしてきました。私の仕事人生においても、人との縁は重要なファクターであり、いつ何時も重要な道しるべでもあるのです。

成長を続けるためのトライアンドエラー

横田郁雄

私は新潟県の雪国で生まれ育ち、大学進学と共に上京。その卒業後に十川産業に就職しています。当時は就職氷河期で、私のような平凡な学生を採用してくれる企業は限られていましたが、たまたま十川産業の応募を見つけ面接にこぎつけたことが、現在の道につながる大切な縁になりました。
しかし実を言うと、採用の連絡がしばらくなかったことに焦りを感じた私は、会社に催促の連絡を入れていたのです。その電話が先代の社長の耳に入り、面白い奴だと見込まれ採用が決まりました。それが入社の経緯です。今から振り返ると、それも本当に不思議な縁だと感じています。
そして半年間の試用期間を終えた後、技術管理の部署に配属が決定。その矢先に、ある商社の方から「海底ケーブル用の緩衝材を作りたい」との依頼を受けました。その担当として白羽の矢が立ったのが、全くの未経験の私だったのです。まさに無謀な挑戦に思えるでしょうが、その時の私はとにかく無我夢中です。色々な文献や資料を読みあさり、自分なりに試行錯誤を重ねながら、一から型を作っていきました。既存の製品サンプルもなく、いわゆる完全なオーダーメードでの受注。先輩からも助言はいただけないですし、自ら考え、動き、仕事として成り立たせなくてはいけない状況でした。
それが社会人となって初めての挑戦であり、仕事です。当然ながら今にも先にも、一番苦しい思いをした経験はその時でしょう。しかしその挑戦と成功があったからこそ、自分自身の成長にもつながり、思う存分仕事にのめり込んでいくことができました。
当社は現在も新しい開発や挑戦を続けていますが、メーカーとして成長を続けていく以上は、そうした苦しい時期を乗り越える努力やトライアンドエラーは、必要不可欠なことだと思っています。

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100年続く企業であるために

1979年には京都近郊の顧客開拓に従事し、83年には京都工場を新設。めまぐるしく環境が変わった時期でもありましたが、そうした様々なチャンスや機会をいただけたのも全て人とのご縁のおかげだと思っています。
その後、社長に就任することは全く予期していなかったことでもありますが、先代社長が先立たれたことが直接のきっかけでした。当時の私は会社の二番手として職を全うするつもりでおり、先代が亡くなる約1カ月前に社長就任の打診を受けたのです。一度はお断りしたものの、縁あって十川産業に入社し、多くの仕事を任せていただいたという自負もありました。できないこともあるが、やれる限りやってみようという思いが、最終的に私の意思を固めたのです。
当社は歴史のある会社ですので、これまで脈々と受け継がれてきた文化や技術力、そして人財や縁を絶やしてはいけないという強い思いがあります。だからこそ、次の世代にしっかりと引き継いでいくことこそが、今の私にとって一番の使命。右も左もわからなかった若造が、会社の後を継ぐなど思ってもみなかったことです。しかし先代社長の人作りの中で私という人間に縁が巡ってきた以上、それを裏切ることはできません。
我々が主要材料としているプラスチック樹脂は多様にあり、必要としておられる業界や分野も幅広くあります。そのため一つの分野に固執するのではなく、幅広い分野でお客様と携わっていくことも重要になっていくでしょう。世の中の予測できない流れの中であっても、その屋台骨を崩さないために先代から引き継いだ「広く、浅く」の精神を踏襲していきたい。そのためには開拓者精神を持ち続けることも大事ですし、ニーズを掘り下げていく動きを止めてはいけません。
私自身、入社から42年を経ていますが、様々な分野の開拓現場に身を投じ、人との縁の中で現在までの歴史を積み重ねることができました。いい人とのお付き合いができる会社だと改めて感じています。
企業は「人財」そのものです。またそれをうまく回す「組織力」というのも大切にしていかなければいけません。そして人生の節目に向けて目標を持ち行動することで、一生懸命努力する姿勢が大事だと思っています。そうした高い志を持つ方々とのご縁を私自身も楽しみにしています。

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