山中正美
1957年生まれ、愛知県出身。高校卒業後、医療機器販売会社へ入社。26歳の時に大手外資系医療会社からヘッドハンティングを受け転職。48歳の時に早期退職し、FCで起業するも1年で事業譲渡。その後、50歳で節水会社へ入社するが、3年後に倒産。節水事業を諦めきれず2011年から株式会社アースアンドウォーターを設立。現在に至る。  
http://www.e-water.co.jp/

INTERVIEW

当社は法人様向けの節水管理事業を行っていますが、一昔前は節水業界そのものが世の中から信頼されておりませんでした。現在は当社の製品の良さを実感していただき、10%から30%の節水利益を実現できるまでに至っています。水は地球の大切な資源です。節水とはすなわち、水を生産していることといえるでしょう。そうした理念で社会貢献し、今後も事業の成長を続けていけたらと思っています。

天職に出会うまでの、自問自答の日々

山中正美

若い頃から頭で考えるより、運動や体を動かすことが得意なタイプでした。高校に上がった頃にはアルバイトに励み、自分のことは自分でやるのが当たり前の生活。その頃から社会で生きるための生活力を養っていたのだと思います。飲食業をはじめ、夜遅くまで様々なアルバイトを経験しました。高校卒業後には知人の紹介を受け、地元の医療機器販売会社へ入社。営業には向いていないと考えていたので、商品の倉庫番として入出庫の業務に従事していました。自分なりに顧客の特徴に合わせて入出庫できるように倉庫内を把握。目立たない業務ながら試行錯誤を繰り返すことで、仕事のやりがいを見いだしていったのです。やがて先輩や上司からの評価も高まり、営業職への転身を勧められるようになりました。最初は営業になることを拒んでいた私でしたが、先輩社員と同行するうちにその面白さが理解できるようになっていきました。自分の行動で喜ばれることが楽しくなっていったのです。

20歳の頃には社内で優秀な成績を収めるようになり、お客様とも信頼関係を築くようになっていました。当時は週休2日制でしたが、土曜日も休まず御用聞きや納品に伺い、その積み重ねが信頼を得るきっかけになっていたのかもしれません。ついには、そうした評判が社外にも広まり、「うちに来ないか」と大手外資の医薬品会社から幾度も誘いを受けるようになりました。そして26歳で転職を決め、第二のキャリアを歩むことになったのです。その後、年齢とともに部下を従えるまでになりましたが、いつしか給料をもらうためだけに働いている自分に嫌気がさすようになりました。当時は東京に上京し、名古屋に家族を置いての単身赴任生活。「このままの仕事人生で終わらせていいのだろうか」と自問自答しました。そんな思いの積み重ねが、48歳での早期退職を決意させたのだと思います。

とはいえ、当時の自分にはこれといった好きな仕事があったわけでもありません。半年程は気ままに生活を送り、その後、フランチャイズの掃除業で起業をしましたが、業績は一向に上向かない。あくまでも生活をするための仕事であり、自分の人生を捧げる覚悟などなかったのです。そして50歳を機に友人へ事業を譲り渡し、再び職を手放すことになりました。

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水に関心を持つ世の中となるために

それからはハローワークに通う毎日が続きます。そこで偶然見つけたのが、節水装置の販売営業の募集。当時は節水のことなど全くわかりませんでしたが、調べていくうちに「これだ!」と思いました。きっと世の中の役に立つに違いない、やりがいを持てる仕事だと直感したのです。その時の好奇心は、それまで感じたことのないものでした。すぐに募集欄から電話をかけ、その熱意を伝え、営業兼取付工事者として雇ってもらうことになったのです。しかしそこで、想定外の事実を突きつけられました。節水を通じて世の中に喜ばれると思っていた仕事が、最初の半年くらいは断られることが日常茶飯事。節水という言葉を発するだけでお客様から拒否されるほど、節水業界そのものが売りっ放しの仕事で世間に信頼されていなかったのです。それが逆に、業界自体を自分たちの力で変えようと強く思うきっかけにもなりました。

その後は業績が認められ、営業本部長に就任。徐々に経営視点を持つようになり、経営層との考え方の違いから、会社の廃業を機に当時の同僚約20人と共に東京での独立に至っています。
設立当初は顧客もおらず、半年間は売り上げもほとんどない状態。しかし、水資源を守り環境や社会に役立てようという理念だけは全く変わりませんでした。そして、少しでも多くの人に節水の価値を知ってもらおうと、節水装置の販売が主流だった業界の中でレンタル事業への転換を決意。そのビジネスモデルが同業他社との差別化を実現し、少しずつ業績を伸ばして行ったのです。今では、お客様に拒否され続けていた営業の現場でも、ありがとうと言われるように変えていくことができました。「水に関心を持っていただき、水を大切に使っていただこう」という理念を貫くことができたからこそ、自分にとってもやりがいのある仕事につながったのではないかと確信しています。

マイナスからスタートした会社でしたが、今ではレンタルサービスを導入いただいている施設も2800以上。お客様が節水された結果、削減したCO2量を第三者認証により、証明書を発行するサービスを開始したほか、CO2削減量に応じてポイントを提供するサービスも導入しました。今後は水の削減と共にCO2削減にも寄与し、販売して終わりではなく、末長くお付き合いいただくための節水管理会社として社会に貢献していきたい。そのための挑戦を続けていきたいと思っています。

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