薬師寺悠木
2001年に新卒でSEとしてシステム開発会社に入社。データマネジメント会社を経て、コンサルティング会社に転職。社会人1年目から副業を開始し、13年に個人事業主になり、17年に独立。現在は農業をしながら、株式会社とうもろこしと株式会社YAYを経営。
https://yay-corp.com/

INTERVIEW

自信って、あってもなくてもどちらでもいいと思うんです。特に初めてのことに挑戦する時は、やったことがないわけですから自信なんてないのが当たり前で、持っているもので勝負したり思いつきで動くしかありません。自分を信じられなくても、誰か信頼できる人がいればいいのではないでしょうか。私は今でも自信なんてまったくありません。自信がつくのを待っていたら人生が終わってしまいそうです。
でも振り返ってみると、今までいろいろやってきたことが今の自分につながっているので、今やっていることもこれからつながっていくのだろうと思います。そこは信じていますね。深く考えずに目の前のことを一生懸命やればいいのかもしれません。

「普通じゃつまらん」を体現

薬師寺悠木

小学生の頃、長期休暇はいつも大分の祖父の元で過ごしていました。「普通じゃつまらん」が祖父の口癖。私は「人と違うことをしろ」ということだと解釈したのですが、今思えば「人に言われたことを正解にするな」とか「自分の意思を持て」というような意味だったのかもしれません。でもこの言葉は、私の座右の銘にもなっています。
大学時代、人に教えてもらうままになんとなく就職活動をして、内定をもらった会社にそのまま就職しました。システムエンジニアの仕事です。仕事が終わると、副業にも励みました。当時は、仕事が終われば誰でも副業をしているものだとなぜか思い込んでいたのです。そんな形で複数の仕事をしながら働くうちに、私は何か一つのことを極めるよりも、いろんなものを束ねてリードしていく役割のほうが向いていると気が付きました。
3年で会社を辞め、データマネジメントの会社でまた3年働きました。3年スパンで転職することは最初から決めていたんです。ただし、その3年間は集中して全力で仕事に取り組み、スキルを身につけようと心掛けました。さらにファシリテーションをベースにしたコンサル会社で数年働いた後、独立してIT企業を立ち上げました。起業が目的だったわけではなく、身につけた技術を生かしたら人の役に立つことができたので、結果的に起業したという感じです。この「人の役に立つ」ということが、私の仕事のベースになっています。

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農業に魅せられ、学んだこと

30代半ば頃、妻の実家の農業を手伝い始めるとすっかりハマってしまい、自分でも田畑を耕し始めました。それ以来、東京ではIT企業の経営、長野では農業という生活です。農業も仕事も、人に教えてもらったやり方を取り入れながらやっていくうちに、自分なりのやり方に形が変わっていきます。そこが醍醐味だと思います。
農業からは「うまく付き合う」ということも学びました。いつも自分の都合に物事を合わせようとしていましたが、自然が相手ではそれが通用しません。でも、そこに面白さがあるんですね。自然の中にあるものは理にかなっています。あらがおうとせず、あるものを生かし、合わせるのが理想だと気づきました。
今後も、幅広くたくさんの経験を重ねていきたいと思います。おもちゃ箱のように、自分の中にいろんなものを詰め込みたいですね。今やりたいと思っているのは、自分で働き方を選択できるスタイルを構築すること。いろんな働き方をポートフォリオのように選択できたら面白いかなと思います。他にも、個人事業主が法人を設立するサポートもやってみたいですし、企業研修に農業を取り入るのもいいですね。不動産業にもいつか挑戦してみたいです。未知の分野ばかりですが、よく分かってから挑戦するものでもないと思っています。やれば分かるのではないでしょうか。私の姿を見て「いろんなことにチャレンジしていいんだ」と思ってもらえたらうれしいですね。これからも常にチャレンジしていたいです。

人はみんな、異なる強みとスピードを持っています。それぞれの強みを最大限に生かすには、相手への気遣いが必要です。お互いの違いに気付き、認め、尊重することできれば、なんでもでできるはずです。
今の若い人たちは、自分のやりたいことをしっかり持っている印象です。ただ、生かす環境を探すことが難しくなっているのかもしれません。環境を探すよりも、自分を生かすようにしていくといいと思います。やりたいことがあるなら、あとは本気で打ち込むだけです。本気な人には誰もかないません。
農業をやっていると、「作物は足音を聞いて育つ」とよく言われました。忙しくても自分を見失うことなく、一歩一歩前に進むようにしてみてください。

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