寺尾憲二
1961年三重県生まれ。82年国立鈴鹿高専卒業後、日本電信電話公社(現 NTT)入社。その後、ITベンチャーの技術責任者を経て、97年6月株式会社フュージョンアルファ(のちの株式会社コムデザイン)を設立。2008年11月よりクラウドサービス事業に転換し、現在に至る。
https://comdesign.co.jp/

INTERVIEW

コムデザインは、企業とお客様のタッチポイントとなるコールセンターやサポートセンターにおいて、企業様とお客様それぞれが心地よく円滑に利用できるシステムの販売を行なっています。我々の理念は「人と人を結ぶ」こと。企業ごとにカスタマイズされたシステムを提供し、企業と顧客の架け橋となることで、情報スピードが日々高まる現代社会に貢献していけるリーディングカンパニーになりたいと日々挑戦を続けています。

エンジニアとして夢を追い起業

寺尾憲二

学生から社会人になりたての頃までは、いわゆる「いい子」に徹するような若者でした。自らの意思を殻で閉じ込め、周囲の評価に合わせた振る舞いをしてしまう優等生タイプ。しかし次第に、40歳、50歳になった頃の自分がイメージできてしまう、レールに乗った生き方に焦りを感じるようになりました。そうしたジレンマを抱えながら働いていた時、先輩から「もっと好きなことをやったほうがいい。思い切り生きてみろ」とアドバイスをもらったことが、自分らしい一歩を踏み出すきっかけとなりました。大手電話通信会社に勤めていた私はソフトウエア開発を担当していました。時代は、自宅や企業にインターネットが普及し始めた頃。世界中がコンピューターを活用してつながる時代に、電話というツールを掛け合わせた新しいプラットフォームを作ったら面白いのではないかと考えたことが、この事業のスタートでした。志を共にしてくれるエンジニアを集め早々に起業。営業経験も経営経験もない私が、事業を一から作るということは無謀にも思える挑戦でしたが、スタッフの協力もありなんとか大海原へとこぎ出したのです。3年間で売り上げは順調に伸びていき、もう少し販路を拡大したいという狙いから、ある会社と新設合併。システムインテグレーターとして作ったプラットフォームを広めてもらう役割を担ってくれる会社でした。ところが、売り上げが伸び悩み経営は行き詰まりました。当時から、顧客に合わせてカスタマイズしたプラットフォームということに注力してきましたが、この「カスタマイズ」というのは目に見えない部分であり、それを売り込むのは非常に大変なことだったのです。結局、社内の雰囲気は非常に悪いものとなり、紆余曲折を経て共同経営者は去り、私一人がもう一度会社を引っ張っていくことに。しかし、会社を自ら去る人材、経営的に去らざるを得ない人材が多く発生し、残ったのはたった4人という、まさにどん底からの再スタートでした。それでも、残された我々の希望の光となっていたのは「会社の経営が悪くなったのは、オペレーションが悪かっただけで、作ろうとしたものを否定されたわけではない」という確信でした。このターニングポイントを機に、私自身もリーダーシップのあるべき姿を見つめ直し、夢と想いのつながった4人で歩みだしました。

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顧客思いの目線で新しいサービスを作る

我々が提供しているプラットフォームは、主にコールセンターで使用されています。顧客から企業に電話がかかってきた際に、様々な手法で適切につなぐことを目的としたものです。例えば、感情解析機能を活用し、顧客の感情の起伏を察知して、適切なタイミングで販売のクロージングをかけることで成約率を上げたり、働き手であるコールセンター担当者の感情を測り、ストレスができるだけ軽減された状態で業務に当たることができるようにするなど、その手法は多岐にわたります。こうしたカスタマイズは、通常は開発自体に課金をします。しかし、我々は事業の再スタートを機に、販売をクラウドサービス化しサブスクリプション型の課金にすると共に、カスタマイズ自体は無料提供にしたのです。正直なところ、エンジニアの集団であったことから販路の拡大は弱みでもありました。そこでたどり着いたのが、こうした販売方法だったのですが、これが弊社の確固たる強みとなったのです。
販売当初は「無料」ということに対し、かえって不信感を抱かれたこともありました。そうなった時に、販売の第一歩となるのが、人として信頼されることでした。お客様からの信頼を得て、サービスを販売し喜んでいただく、という「人と人がつながる」流れを少しずつ積み重ねていくことで「誰かのために頑張りたい」と思える人材が育成され、社内の雰囲気も一気に変わっていきました。人に喜んでもらえることは、モチベーションを維持し、働く意味を生み出します。私も現場に行くたびに、担当している社員のことをお客様が褒めてくださることで、本人はもちろん私自身の経営の励みにもつながっています。
経営のいろはがわからないまま起業し、山あり谷ありの道を歩んできた私が、経営をする上で大切にしていることは「いい人であれ」ということです。サービスを提供する立場として、自己研鑽(けんさん)を積み、互いに成長し尊敬し合い、倫理観が備わった人間であって欲しいということ。「いい人」として仕事に向き合えば、必ずサービスは成長し続けていきます。コールセンターという場所は、人と人を結ぶ場所という「心が通った場所」でありながらも、AIなどの技術の進歩を取り入れやすい環境にあります。そこで働く人たちも、技術の進歩に合わせて新しい働き方を求めています。情報や新しい技術を常にキャッチアップしながら、新しいコールセンターのあり方を生み出していく技術者集団でありたいと願っています。

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