杉山智子
1970年生まれ、北海道出身。歯科助手の専門学校を卒業後、歯科医院に就職。2年後、不動産業界に転職する。上京し新宿区の不動産会社で賃貸仲介業務全般、分譲会社にて新築・中古マンション売買仲介、不動産担保金融業、投資用不動産売買仲介、火災保険代理店業務など、16年の経験を経て2007年に祥エステートオフィスを立ち上げる。二児の母。
http://www.sho-estate.co.jp/

INTERVIEW

女性も男性と同じように社会で活躍する時代になったとはいえ、社会構造はまだ男性優位なままだなと感じる場面をこれまで何度も見てきました。特に、出産と育児を経ていざ社会復帰しようとした時に、初めてその厳しさに気がつく女性が多いのではないでしょうか。
結婚して安定した生活がずっと続けばいいですが、その保証はありません。だからこそ、女性は自分のための資産を持っておくといいと思います。不動産もそのひとつです。自分で住むこともできますし、売却して利益を生み、資産を形成することだってできます。何かあった時に自分の身を守ってくれる頼もしい切り札となることでしょう。女性が精神的にも経済的にも自立して、いくつになっても自分の人生をのびのびと楽しめるような、そんな日本にしたいです。

働くことに苦労した母の姿を見て

杉山智子

私が子供の頃、父が起業に失敗し、主婦だった母が生活のために働き始めました。その後、両親は離婚しています。必死に働く母の姿を見て、結婚は一生を保証するものではないこと、女性は結婚や子育てのためにキャリアを一旦手放してしまうと、後でまた同じように働くのはやさしくないことを知りました。結局頼れるのは自分だけ。でも、自分で稼ぐことができれば誰にも振り回されることなく生きていける。そんなふうに考えるようになりました。
高校の3年間は、アルバイトをして学費を稼ぎました。クビにならないように一生懸命働いたので、バイト先ではずいぶん重宝されました。この頃に働くことの楽しさを知った気がします。
社会人になって一人暮らしの部屋を探すのに不動産屋さんを訪ねたのですが、いろんな部屋を見て回るのがとにかく楽しくて、この業界に足を踏み入れるきっかけになりました。お部屋を見るのは今でも大好きです。入居者の方たちが新しい部屋で生活の楽しさを見つけていくためのお手伝いができると思うと、こんなにやりがいのある仕事はありません。でも、入って気がついたのですが、この業界は思ったよりも男社会でした。本来、女性のほうが住まいにこだわりを持つ傾向があるので、キッチンの設備や水回り、インテリアなど女性ならではの視点できめ細かく的確なアドバイスができるはずなのですが、活躍している女性はほとんどいなかったのです。なので、独立して女性がプロとして活躍できる不動産会社を自分で作ろうと決意しました。

  • 杉山智子
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女性に不動産を買ってほしい

会社を立ち上げて今年で14年。経営者として「継続は力なり」という言葉を大切にしています。会社を大きくしたいとか有名になりたいなどとは思いません。派手でなくてもいいので、少しずつでも右肩上がりに伸びていけばいいと思っています。理想は「目立たない小道にあるけど行列のできる洋食屋」のような会社でしょうか。
会社は経済状況や社会情勢などいろんな要因で危機にさらされます。それでも、必要とされている会社は潰れてはいけませんし、社員を路頭に迷わせるわけにもいきません。その覚悟を背負うのが経営者です。なるべく景気に左右されにくい収入の柱をいくつか持ち、家賃収入などのストックビジネスを増やすことでリスクに備えていますが、この先うまくいかないこともあるかもしれません。それでも打開策を考えながら行動し、ピンチから学ぶことでより成長していきたいですね。ライバルはいつも他社ではなく、前年の自分自身です。
これからは、一人でも多くの女性が怖がらずに不動産を買えるよう手助けをすることをライフワークにしていきたいと思っています。その活動のために、女性の不動産購入に特化したウェブサイト「ウーマンエステート」を立ち上げ、これまで不動産業界で培ってきた経験と知識を発信していくつもりです。

私自身、「自分を守るものが一つでもあったほうがいい」と思い、29歳の時にマンションを購入しました。後に売却して財産を得ています。若い女性たちにも「自分の人生は誰かに託すのではなく自分で決める」という覚悟を持ってほしいですね。そのためにも、自分が住む家を自分の意志と判断で購入するという経験はとても大切だと思います。
私の信条は「人の役に立つことは間違いなく成功する」ということです。皆さんも、自分の得意分野を見つけて、生涯の職業にしてください。好きなこと、得意なことを仕事にすれば楽しく生きていけますし、辛いことがあっても乗り越えられるはずです。
命があって生きているだけで本当に幸せなこと、と私は考えています。命をくれた両親や祖先に感謝の念を持って、人の役に立つ人生を送ってほしいと思います。支えられるよりも、支え合いながら生きていけばハッピーな日本になるはずです。頑張ってください。

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