中村学
1981年生まれ、福岡県出身。高校卒業後、上京。バンド活動の傍ら、ネットワークエンジニアとして経験を積む。2014年、マイクロネットワークテクノロジーズにICTインフラ部門の部長として入社。18年、アイティアスリートを設立。
https://www.itathlete.co.jp/

INTERVIEW

社員たちには、エンジニアとしてやりたいことを存分にやってほしいと思っています。ただ、それは技術的なことだけをやっていればいいというのではありません。「ITエンジニアではなくITビジネスパーソンとして動いてほしい」ということを社員たちにはいつも伝えています。
私たちの仕事はシステムの設計や構築というよりも、お客様のビジネスをITの力で大きくすること。仕事に取り掛かるからには、どうすればお客様のビジネスに貢献できるかをエンジニアという専門家の目線でしっかり考えるべきで、そこに私たちの存在意義があると考えています。

「思い描いていた仕事ができない」若いエンジニアたちの不満が噴出

中村学

高校卒業後、音楽で食べていこうと上京しバンド活動に明け暮れましたが、現実は厳しく25歳の時に断念しました。バンド活動の傍ら、生活費を稼ぐためにしていたネットワークエンジニアの仕事が思いのほか楽しかったので、そのまま本職にして通信キャリアや自動車メーカーのネットワーク設計や構築に携わりました。
30歳を過ぎた頃、スタートアップの会社にITインフラの責任者として入社しました。同時期に会社は急成長し、社員も数人から100人以上に増えました。会社としては成功していたのかもしれませんが、若い社員たちには、思い描いていた仕事とはかけ離れた仕事を割り振らなければいけないことも多々ありました。エンジニアとして入ってきたのにウェブディレクターの仕事を押し付けられている社員もいました。不満を抱えている人が多くいましたし、私も彼らの話を聞きながら「そうだよね」と同調することしかできませんでした。現状をめぐって営業部長と大げんかになったこともありましたね。
これがきっかけで、規模は小さくてもエンジニアがいきいきと働ける会社を自分で作りたいと思うようになりました。同じ頃、商社やシステム会社から管理職としてのオファーもいただき、正直心が揺れました。しかし、若いエンジニアたちに仕事の楽しさを感じさせてあげたい、自分ひとりの生活で精いっぱいで結婚や夢を諦めてしまう若者を増やしたくないという思いのほうが大きかったですね。自分の人生の安定はもう少し後でいいかなと、腹をくくりました。

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エンジニアが幸せになれる会社を作りたい

私が目指したのは、エンジニアが幸せになれる会社です。入社後に「こんなはずではなかった」と思ってしまうのはお互いに幸せではないなので、面談の時は変に会社を良く見せようとせず、「うちは大きな会社ではないし、できることも限られている。でも大きな仕事も手掛けている。あなたはどういう仕事をしたいですか」と良いところも悪いところも包み隠さず話すようにしています。面談というより打ち合わせに近いかもしれません。
社内には、エンジニアがじっくり集中して検証できる専用スペースや、仕事終わりに気軽に飲みながら話せるようにフリー缶ビールを用意し、スキルアップのための研修制度や万が一働けなくなった時のための保険も完備しました。健康のために会社でランニングステーションも契約しています。楽しく快適に仕事ができることはもちろん大切ですが、それは健康な体と家族があってこそですから、そのために会社として何ができるのか日々考えながら工夫を凝らしているところです。
今後はオフィスにこだわらず、地元や自分の住みたい場所を拠点として働ける環境を整えていきたいですね。コロナ禍をきっかけに、それが実現できる世の中にフェーズが進んだのではないでしょうか。私も出身が福岡なのでよく分かりますが、したい仕事が地元になくて上京したけれど本当は地元で暮らしたいと思っている人はたくさんいるはずです。そんな地方出身者の思いを後押しできるよう、地元に密着して仕事ができるような地方創生の仕組みも考えていきたいと思います。

私はみんなを引っ張っていくよりは、サポート型の経営者だと思っています。今順調な社員にはこのままのびのびと仕事ができるような環境を与えていきますし、今苦しかったり悩んだりしている社員には将来的に楽しく仕事ができるようになるための助言や手助けをしてあげたいですね。会社は人が作っていくものですから、そうすることで会社は伸びていくと信じています。
大事なのは、楽しいと感じるかどうか。私にとってそれが原動力になっています。どんなに儲かる仕事でも楽しくないと意味がないし、逆に困難な仕事でも楽しみがあれば頑張れるものです。若者のみなさんも好きなことをどんどん伸ばして、仲間を作りながら楽しいことに取り組んでみてください。

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