中間秀一
1984年生まれ、兵庫県出身。2008年、家業の中間鉄工所に入社。17年、高翔に入社し、19年代表取締役就任。芦屋を中心に阪神間で新築戸建分譲事業、土地分譲事業、総合建築業を行う。
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INTERVIEW

インターネットやSNSで簡単に人とつながることができる時代ですが、私は人と向き合って直接コミュニケーションを交わすのが一番面白くて好きですね。
この先、AIが発達して「このお客様にはこんな家が最適です」みたいなデータをはじき出す日が来るかもしれません。それでも「人の気持ち」という領域で機械やツールには負けたくありません。コミュニケーションを通じて、お客様が本当に欲しているものを丁寧にくみ上げる家づくりをしていきたいと思います。

後継者への打診は突然だった

中間秀一

父と祖父が建築や不動産の事業をしていて、私は長男なのでいつか後継ぎになるのかなと漠然と考えてはいましたが、あまり強く意識したことはありませんでした。小学4年生ぐらいまで学習塾に通っていて優等生でしたが、成長するにつれてスポーツや恋愛、遊びにのめりこみ、成績はみるみる下がっていきました。それもひっくるめて今の自分があるのだと思います。大学に5年通い、就職活動をする余裕もないぐらい単位がぎりぎりだったので、父と祖父に頭を下げて実家の会社に入れてもらいました。その瞬間から家族が会社の上司になったわけですが、身内だからといって容赦はしてくれませんでした。特に祖父は厳しかったですね。最初は基本的な道具の名前や建築用語すら分からず、職人さんやお客様にたくさんのお叱りを受けながら、現場監督として少しずつ経験を積み重ねました。そして家が完成してお客様が喜んでくださる姿を見る度に、やりがいや面白さを感じるようになっていきました。
父には、嘘をつかず真摯に仕事に取り組むことの大切さを教わりました。特に基礎や柱のような目に見えない部分で手を抜くと、最初はよくても数年後には不具合が生じて、自分の価値を下げることになってしまいます。仕事とお客様に真摯に向き合っていれば、家を建てた後もリフォームや建て替えのご依頼をいただけることも実感しました。
就職して8年経った頃のことです。突然「芦屋に高翔という建築会社があって後継者がいなくて困っているから来てもらえないか」と知人を通して打診されたのです。家業のこともありましたし、家族もいて二人の子供もまだ幼かったのですが、期待されると応えたくなる性分なので、詳しい話を聞く前に二つ返事で引き受けてしまいました。

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山に登らないと分からない景色がある

入社してみると社員たちの私を見る目は冷ややかでした。神戸からやって来た得体のしれない若者がいきなり次期社長として入ってきたわけですから、当然の反応です。少しでも信頼を得るために毎日のように社員と食事に出かけ、コミュニケーションを取り、自分をさらけ出しました。「信頼してついて来てくれているな」と感じられるようになったのはごく最近のことですし、まだまだこれからだと思います。社員は私を映す鏡です。私が自ら動いて見せれば社員たちの意気も変わりますし、それを見るとまた私も頑張らなければと思いますね。
また、お客様にとって家は一生に一度の買い物。お客様が本当に欲しているものを、ご本人が気づいていないニーズまで引き出して、それをかなえるための提案をすることが私たちの役割だと考えています。生まれ育った環境やライフスタイル、性格、家族構成などによって、住まいに求めるものは変わります。そのような細かいところまで掘り下げて、お客様と同じ目線に立って考えるのが本当のヒアリングですし、それができないならこの業種は必要ないとさえ思います。
これから若者の人口は減り、住宅の着工件数も確実に減少するでしょう。建築業界は間違いなく先細りです。だからこそ、土地探しから建築までの「ワンストップサービス」ではなく、その先のリフォーム、メンテナンス、相続や売却まで見据えた「ノンストップサービス」を提供していきたいですね。お客様とのつながりを大切にしながら、次の世代までつないでいく気持ちで家を建てています。先代社長が高翔を芦屋で立ち上げて十数年。最初は見向きもされなかった会社が徐々に認められ、地域に浸透していることに何よりも幸せを感じます。これからも地域密着型の企業として芦屋の街に恩返しをしていきます。

山に登ってみないことには、中腹や頂上から見た景色は分かりません。最近は「出世すると責任が増えて面倒だ」とか「安月給のままでいいから楽でいたい」と考える人が増えているようですが、何もしないうちから決めつけてはもったいないです。実はあなたもリーダーに向いていて、能力を発揮すれば世の中に大きく貢献できる可能性があるかもしれません。若い方たちには、面倒なことや苦労も含めてとにかく何でも経験してみてほしいですね。私もみなさんと一緒に社会を盛り上げていきたいと思います。共に頑張りましょう。

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