中川弘規
1972年生まれ、東京都出身。94年から損害保険会社にて法人営業、96年、オリックスで営業部門、社長室、経営企画部課長を経て2015年、オリックスグループのオート・マネージメント・サービスにて部長に就任。20年5月から現職。
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INTERVIEW

経営者になると決意したのは27歳の時です。どんな会社を経営するのか、具体的なことは何も決めていなかったのですが、とにかく手帳に「社長になる」と書き、そのためにはどんなことが必要なのか模索し始めました。目標を手帳に書く習慣をつけると、そこに向けて日々の行動が変わっていきます。その一歩一歩が将来に続いていることを実感できます。うまく行かない時もありますが、それでも自分を信じて、自分の強みをどう生かせば目標に近づけるのか考えていくことが大事です。志と目標を常に持つことが力となり、確固たる道になっていきます。

社長ではなく「プロ経営者」を目指して

中川弘規

学生時代はサッカーやアメフトに夢中になり、部活一筋で過ごしました。特にアメフトは緻密な戦略立てが必要なスポーツなので、その経験は今の仕事にも生かせていると感じています。
新卒で保険会社に就職した頃は、元気なことと活動量が多いことでしか貢献できないと思っていたので、ひたすら飛び込み営業に奔走しました。24歳の時にオリックスに転職し、「全商品を売れるトップセールスマンになって本社に行きたい」という目標を掲げると、3年目に支店トップになり、東京本社への異動がかないました。社長になろうと決めたのはその頃です。知人に「社長は誰でもなれる。でもプロ経営者になれるのはほんの一握りだよ」と言われたことが印象に残っています。35歳で自らの希望で社長室へ異動し、様々な部署や部門に移りながら株主目線、従業員目線、事業現場目線、それぞれの立場を経験してきました。プロ経営者になるために、キャリアの中で経験できるものを何でも体得してきたといえると思います。
よく「バイタリティがある」と評されますが、自分では分かりません。ただ、常に新しいことに触れていたいと思いますし、挑戦するのが好きです。好きなことだから継続できるし、やっていても疲れを感じないのだと思います。
自分がどのような大義を持ってどんな会社の経営者になるべきか考えていたところ、今年初めに尊敬する知人からの紹介で「マンション管理人の代行、清掃、コンシェルジュなどのサービスを提供しているコミュニティセンターという会社の社長にならないか」と打診されました。中小企業の後継者不足という日本の課題に経営者としてコミットできることと、高齢化社会を迎える中でシニア世代の活用というテーマでビジネスができるということに社会的意義を感じて、お受けすることにしました。

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経営者の手腕次第で大企業よりも強くなれる

初出社の日、コロナショックの最中だったこともあり社内に漂うネガティブな空気をすぐに感じ取りました。社員同士が積極的にコミュニケーションを図る様子もなく、一体感も連動性もまるでなかったのです。「会社は株主だけではなく従業員のものでもある。皆さんはどういう会社にしていきたいですか」ということを社員に投げかけることから始めました。まず、各部門ごとのあるべき姿についてケーススタディを交えながら議論をする機会を定期的に設けました。私もすべての課に出向いて参加します。どの課も期待以上のプレゼンテーションを見せてくれて、実はすごい力を持っているのではないかと手応えを感じましたし、回数を重ねるごとに社員たちの表情も生き生きとしてきました。
この半年でようやく、全社員が同じベクトルで組織を作りあげていこうとする雰囲気になってきたと思います。もっと仕事の楽しさを感じ、全社員で役割をシェアし、みんなで同じゴールを目指す「ONE TEAM」の会社にしていきたいですね。
短期間でもスピード感を持って大きく変えていけるのが中小企業です。また、中小企業の社員は原石であり、磨き方次第で輝く宝石になる可能性を秘めています。すべての舵を取る経営者の責務は大きいけれど、それが中小企業経営の醍醐味ではないでしょうか。同じように考えるプロ経営者が一人でも多く現れて、後継者不足にあえぐ中小企業を引っ張ってほしいと思います。少数精鋭で一丸となっている会社は、大企業よりも強い組織になれる力を持っています。中小企業が活性化することで、日本の国力はもっと豊かになるはずです。

大義があれば誰でも経営者を目指すことができます。農民生まれの豊臣秀吉が征夷大将軍になったように、サラリーマン出身でも、経営者や資本家になれる時代です。大志を持ち、日々諦めずに目標を立て、努力を積み重ねることでしか将来の自分を創ることはできません。若者のみなさんには、常に成功をイメージしながら、希望を持ってチャレンジし続けてほしいと思います。

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