長山功佑
大阪府出身。奈良県立医科大学卒業後、同大学附属病院で臨床研修医として勤務。その後、同大学皮膚科学教室に入局。公立病院や診療所などで勤務経験を積んだ後、奈良県立医科大学大学院博士課程にて研究に従事。医学博士を取得。2016年、ながやま皮膚科を開設。現在に至る。
https://hifuka-nagayama.com/

INTERVIEW

当クリニックでは皮膚に関する様々な疾患を全般的に扱っていますが、すでに発症した病気や疾患を治すだけが医者ではないと考えています。今後は予防医療にも注力し、生活習慣や食、スキンケアやメンタルケアに至るまで、幅広い視点から患者さんの疾患を未然に防ぐアドバイスや予防医学の発信も積極的に行っていきたいと考えています。そのためには私自身が多くの経験やスキルを身につけ、視野や選択肢を広げることで、日々自分自身をアップデートさせていくことが必要です。新たな試みや成長ができるのは、新たなことを知り学ぶ努力があってこそ。若い方々の中にも自分の将来に悩む人は多いかもしれませんが、何よりまずは行動です。自分自身で新しい何かをつかみにいってください。

医師とは無縁の環境から、独立に至るまで

長山功佑

実は私自身、幼少時代に手荒れなどの皮膚疾患があり、症状に悩まされていた時期があります。当時は通院を繰り返していたこともあり、皮膚科医はどちらかと言えば身近な存在でもありました。人前で手を出すことが嫌でしたし、そうしたコンプレックスを取り除いてくれる医師が憧れとなっていった部分もあるのかもしれません。しかし私は医師の家系で育ったわけではなく、医療とは無縁の環境から現在の道を志しました。幼い頃は自分が医師になるなど想像もしていませんでした。
その後、大学時代にたまたま手にとった一冊の本との出会いが、医師の道を志すきっかけになります。その本は、尊厳死や末期がん患者のターミナルケアをテーマにした本で、私が思い描いていた町医者のイメージを完全に覆しました。医師とは、人の人生における可能性をこんなにも広げることができるのかと大きな魅力を感じたのです。現役生と比べれば4年遅いスタートでしたが、一から勉強をやり直し医学部に進学しました。その後、医師資格を取得し研修医として様々な診療科目で経験を積みました。はじめはターミナルケアに携わりたいと考え、精神科への道を希望していた私ですが、人の内面的疾患という目に見えないものを治療するよりも、目に見えるかたちで治療効果が表れる皮膚科の仕事に大きなやりがいを感じるようになっていきました。幼少期に皮膚疾患に悩まされていたこととも関係しているかもしれません。
そのため、皮膚科を専門分野として医師人生の方向性を決めました。それから、様々な病院、診療所で診療していくうちに、自分の思い通りに医療を行いたいと考えるに至り、開業を視野に入れるようになりました。あとはそこに向けて前進あるのみでした。当クリニックが拠点とする橿原市を含む中南和地域には、皮膚科を専門で診療しているクリニックはほとんどありません。医師として独立する以上、少しでも地域医療に貢献したいという気持ちが私の原動力にもつながっていきました。

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知らないことを知ろうとする癖を身につける

私自身が医師としての道をスタートさせるまで、多くの苦労もありましたが、決して嫌な思い出はありません。昔から勉強すること、学ぶことはすごく好きな性分だったからです。知らないことを知るのは知識欲を満たしてくれますし、私にとっては楽しいこと。知らないことや分からないことがあるのが単純に嫌なのです。
研修医や皮膚科に入ってすぐの頃は、様々な教科書を読みあさり、医学知識以外に関する本もたくさん読みました。ビジネス書やコミュニケーション学、心理学の本に至るまで、知らないことや興味のある分野はどんどん吸収していく癖が身についていたように思います。そうした知見は当然ながら、患者さんとの診療や治療の現場でも大いに活用できます。医師は常に学んでいく職業だと思っているので、そうした日々の積み重ねが自分の判断力や直感力を磨いていくのです。
私にとって良い医者とは、患者さんの困った事を解決していくこと。そして、患者さんの日常的な満足度を上げていくための存在であるべきだと考えています。
そのためには患者さんが何に困っているかという事を引き出す必要がありますので、話をよく聞き、そこから適切なアドバイスができるようになっていかなければいけません。一方的にこちらの治療方針を押し付けるのではなく、患者さんのライフスタイルに合わせた治療が求められると思うからです。
だからこそ、自分の知識量や経験則がものを言います。日々の勉強を怠らないこと。それがいい医師になるための一番の条件なのではないでしょうか。
今の若い方々は与えられた仕事をきちんとこなし、皆さん真面目な印象があります。しかし、どんなに真面目であっても、その先の成長を求めるのであれば自分で目標を見つけて何かを達成したり、人一倍の野心を持っていかなければいけなないでしょう。与えられたことをするだけでなく、自分から色々な事を見て経験した方が自分の成長のためにもなるはずです。もちろんその過程ではたくさんの失敗もあるかもしれませんが、就職活動にしても仕事にしても、失敗したら人生が終わってしまうわけではありません。無難な道ばかりを選ぶ必要はないのです。
私自身も実を言えば、若い頃は何も経験しようとせず、食わず嫌いなところが多いタイプでした。しかし私の場合は研修医時代に妻と出会ったことがきっかけで、自ら色々なことを経験する楽しさを感じるようになり、そこから仕事面でも大きく前進していけたように思います。
妻は色々な視野を持っている人で、常に俯瞰(ふかん)して物事を見ながら新しいことにもどんどんチャレンジしていくタイプ。そんな生き方が、人としての魅力を深めていくのだと痛感しています。
ですから若い方々も、何か一つに固執するのではなく、若いうちに色々なことに挑戦してみてください。私はたまたま医師の道へ進みましたが、これから新たな何かを始めるかもしれませんし、まだまだやりたいこともたくさんあります。クリニックが標榜する皮膚科についても、そこから派生して様々な診療やアドバイスに対応できるクリニックを確立していきたい。今はまだ道半ばですが、これからも自由に楽しく、悔いのない医師人生を送っていければいいですね。

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