森ゆき
青山学院大学理工学部物理学科卒業。同大学院を修了後、IC回路の設計エンジニアとして大手外資系メーカーに10年勤務したのち転職。インターネット業界のベンチャー企業で12年間勤務。営業、企画、マーケティング、管理、人材育成など多岐にわたる業務をこなし、子育ての傍ら、時短勤務で管理職を務めた後、独立。プライベートでは2男1女の母親。国家資格キャリアコンサルタント(登録番号:16185111)。メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅰ種(マスターコース)。一般財団法人 女性労働協会 認定講師。
https://www.mycareer-lab.com/

INTERVIEW

企業領域を専門とするキャリアコンサルタントです。従業員の方々と個人面談をしたり、キャリア支援のための研修の講師をしたりすることで、従業員の働き方をサポートし、企業の発展を支援しています。日々目まぐるしく変化する現代社会では、いつ何が起こるかわかりません。だからこそ自分の未来を明確に描き、今の自分にできることを常に準備しておくことが、自分にとっても組織にとっても大切。そのために、キャリアコンサルタントという職業を通じて、私にできることはたくさんあると思っています。

経営者と従業員、双方の橋渡しとなるために

森ゆき

私は企業で22年間のキャリアを積んできました。最初の10年間は、大手外資系メーカーでエンジニアとして働いていましたが、会社の事業計画の見直しに伴い、リストラで退職しました。その後、転職をしてIT企業で12年間、プロジェクトマネジメントを中心に従事しました。3人の子育てと仕事の両立、管理職業務や人材育成に至るまで、様々な経験とキャリアを積んできたのです。その中で目の当たりにしたのは、優秀でやる気のあるエンジニアやディレクターが労働過多で体を壊したり、メンタルヘルス不調になったりする状況です。また、女性が出産などのライフイベントを機に退職していく実態もたくさん見てきました。
「このままではいけない」と痛感し、全ての人に自分らしいキャリアを築いてほしいという思いと、企業に優秀な人材を失ってほしくないという思いから、キャリアコンサルタントを志しました。

キャリアコンサルタントの領域は広いですが、私は従業員の個人面談や企業研修の講師などを通じた「企業支援」が専門です。経営者と従業員双方の育成に特化していきながら、企業で働く方々の悩みに直接的に耳を傾けて、アドバイスをしています。
例えば働く女性の多くは、30代や40代を迎えるにあたり、子育てと仕事との両立やキャリアアップに悩まれています。そうした悩みを解決するためには、企業の制度改正や働く環境づくりだけでなく、その悩みを理解して一緒に向き合っていく支援者が欠かせません。そして人材難の時代では、今いる従業員を大切にし、納得感を持って働いてもらう「選ばれる組織」づくりこそが、企業における重要なテーマだと考えています。

大企業でも中小企業でも、従業員それぞれが持つ能力を最大限に発揮してもらい、生産性を高めていくことが求められます。従業員が壁にぶつかったときには、環境改善やキャリア支援を適切に行っていこうとする企業と、そこで働く従業員との橋渡しをしていくことが、私自身の大きな役割であると感じています。

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企業でのキャリアコンサルタントの役割を確立していくために

最近の事例では、あるIT企業でエンジニアの方々のキャリア面談をさせていただき、そのフィードバックをエンジニアの上司にしたところ、「キャリア面談はすごい、ありがとう!」という感謝の声をいただきました。その上司の方は、日頃から管理職として社内でコミュニケーションを積極的に取られている方でしたが、実際に私からのフィードバックを確認し、社外の専門家だからこそ聞き出せる従業員の本音があることに気付いたと言います。
キャリア面談では守秘義務がありますので、会話の内容は、面談を受けた本人の承諾なしでは、キャリアコンサルタントは上司を含めて他人に報告をすることはできません。しかし面談を受けた従業員の方々の多くは、「ぜひ、上司に伝えてください」と言います。つまり、上司に知ってほしいけれども自分ではなかなか言えない事があるということです。本当は挑戦したいことや、変えていきたいことがあるのに、直接的に上司には相談しづらい、という実例はたくさんあるのです。

特にIT業界では、優秀な人材を取り合う状況が続いていて、企業にとってはエンジニアの定着が課題です。エンジニアたちの本音を聞き出すことで課題解決がスピーディになり、離職防止につながります。実際に私がキャリア面談をした企業のほとんどは離職率が大幅に下がっています。それが多くの企業に喜ばれている理由の一つだと思います。
そして従業員側の本音を経営者に伝えるだけでなく、経営者の思いを従業員に伝えていくことも、キャリアコンサルタントの重要な役割です。経営者と従業員には大きな隔たりがあるという企業も多くありますから、「社長が社員をいかに大切に考えているのか」といった、経営者の思いを私から従業員に伝えていくことで、信頼関係の構築や、コミュニケーションの円滑化にも寄与していきたいと考えています。
今後も女性の活躍やエンジニアのキャリア支援に注力していきながら、企業領域におけるキャリアコンサルタントの役割を確立していきたいと思っています。

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