森幹晴
2002年、東京大学法学部卒業。2011年コロンビア大学ロースクール修士課程修了。長島・大野・常松法律事務所、Shearman & Sterling LLPニューヨークオフィス、日比谷中田法律事務所での勤務を経て、19年に東京国際法律事務所を開設。クロスボーダーM&A事業を主軸とする数少ない法律事務所として注目を集め、現在に至る。日本経済新聞の「第16回 企業法務・弁護士調査」の総合ランキングでM&A部門の9位にランクイン。
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INTERVIEW

米ロースクール留学とグローバルファームでの勤務経験から、日本企業が海外に打って出る機会が増えると直感。そのサポートこそが自分のなすべき仕事であると信じ、「意志あるところに道は拓ける(Where there’s a will, there’s a way)」の言葉を心の支えに2019年4月、クロスボーダー(国際間取引)領域を専門とする東京国際法律事務所を設立。志を同じくする仲間とともに、この分野で日本企業から最も頼りにされる法律事務所を目指しまい進しています。

グローバルファームで得た「直感」

森幹晴

私が弁護士になったのは2004年で、まだバブル崩壊の影響がかすかに残っていた時期でした。駆け出しの頃から、日本企業に投資する外国企業のサポートを手がけたり、逆に日本から撤退する企業のお手伝いをさせていただいたりする中で、海外の、特にアメリカ流のM&Aに触れる機会を得ました。さらに当時は会社法の施行や独禁法の改正により、日本国内でもM&Aが増えてきた時期でもあり、いわゆるスクイーズアウトと呼ばれる上場企業の非公開化やMBOなどにも数多く携わりました。
大きな転機となったのは、2010〜12年にかけての米ロースクールへの留学、そしてニューヨークのグローバルファームでの勤務経験です。NYの地で日本企業による米上場企業の買収や、欧米企業同士のM&Aを手がける中で、これからは日本企業が海外に出てM&Aを仕掛けていくというシーンが増えると直感しました。当時はちょうど、日本のGDPが中国に抜かれて3位になった頃でもあり、日本国内では少子高齢化を主因としたマーケットの縮小が進み、日本企業は海外に活路を求めていくのではないかと考えたのです。その直感が、現在の東京国際法律事務所のビジネスの原型となっています。
しかし日本では、日本人弁護士が主体となってクロスボーダーM&Aや紛争処理に取り組むスタイルはほぼ存在していませんでした。帰国後も思いに共感してくれる仲間はなかなか見つからずにいたのですが、そんな中で、現在共同で代表パートナーをしている山田広毅弁護士と出会いました。日本企業が海外で活躍するための手助けをすることで、私たちが生きてきた豊かな日本を次の世代に伝えていく。彼となら、それを一緒にやっていけると確信したのです。

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新しい弁護士像を打ち出していく

2019年4月に山田を含め弁護士5人でスタートした東京国際法律事務所は、2年で約3倍の規模となりました。日本人弁護士と外国人弁護士が協働してグローバルなサービスを提供する体制を目指しています。NYで10年以上の実務経験を持つ米国人弁護士や、イギリス連邦系であるニュージーランド資格を持つ女性弁護士、中国資格を持つ弁護士など、気鋭の弁護士が続々と参画してくれています。私たちの事務所の理念のひとつに、「チームの力を信じること」(Believe in the power of team)という言葉があります。課題に取り組むうえで、一人でできることは実は多くありません。何かを成し遂げるには、同じ思いを持った仲間をどれだけ集められるかというのはとても大事なポイントだと考えています。
日本では、「弁護士先生」という呼称が端的に示すように、弁護士はどちらかというと受け身で、何か聞かれたら答えるというスタイルが染みついています。もちろん、疑問に答えたり問題を指摘したりすることは非常に重要ですが、これからの弁護士はそれでは片手落ちです。そこから一歩踏み込んだ解決策まで提示できることが、これから求められる弁護士像であると考えます。
現在はコロナの問題がありますが、中長期で見れば、日本企業が海外に展開するという流れはより大きくなっていくと思っています。それに伴い、M&Aや紛争解決、コンプライアンス対応、インフラプロジェクトへの取り組みといったリーガルサービスへのニーズも、間違いなく増えていきます。私たち東京国際法律事務所は、日本企業が海外での活動で直面する法律問題に対し、これからも戦略的・機動的なソリューションを全力で提供していきたいと考えています。

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