三浦直樹
1975年生まれ。愛知県豊田市出身。愛知県立豊田南高等学校卒業。2000年から冠婚葬祭大手の平安会館での3年の修行期間を経て、家業であるミウラ葬祭センター(現 株式会社FUNE)に入社。05年、30歳で代表取締役に就任する。15年には葬祭業教育機関となるFUNEクリエイトアカデミーの理事長に就任。週刊ダイヤモンド「葬儀社350社満足度ランキング」(2011年)で全国第1位を獲得するなど、「感・即・動」を実現した葬儀事業が話題を呼び、高い注目を集めている。
https://www.fune.ne.jp/

INTERVIEW

当社は創業65余年を迎える葬儀社として、これまで積み上げてきた実績やノウハウを生かしながら、多角的な葬儀関連事業を展開してきました。日本は少子高齢化に伴い、国内における死亡者数の割合が年々増加傾向にあります。2018年現在の年間死亡者は130万人を超え、2040年にはピークを迎えることになるでしょう。しかしその一方で、葬儀式を望む人の数は年々減少を続けています。家族の形も多様化する中、葬儀や供養を不要とする遺族が増え、そのニーズが薄れてしまっているのです。人生の節目となる葬儀式は、いわば最後の親孝行。その必要性を深く理解していただき、それらを啓蒙していくことが私の社会的責任だと捉え、挑戦を続けていきたいと思っています。

どんなときでも、思いついたら即行動

三浦直樹

私の人生は、葬儀屋の創業とともにスタートしました。もともと家業は3世代にわたり花屋を営んでいましたが、細々と商売を続けていた程度。3代目であった父はそんな商いに見切りをつけ、私が生まれたと同時に葬儀屋を始めたのです。それからというもの、両親は365日24時間、働き詰めの生活を送ってきました。家族そろって出かけることなど皆無でしたし、父に誘われて出かけるといえば、仕事の配達に付き添うのが常。それが子どもの私にとって、唯一のお出かけだったのです。生活の中心はまさに商いでした。そのため葬儀屋という職業に対する私の印象は最悪で、学生生活を終えても家業には就かないと心に決めていました。そしてついには、大手百貨店の内定までこぎ着けたのです。
そんな矢先に届いた報せが、祖母の他界でした。葬儀式には大勢の人が集まり、大人たちが人目もはばからず悲しむ姿を目の当たりにします。そして若造ながらに、人生の節目を彩る葬儀式の大切さや、家業を継ぐことの必要性を初めて痛感させられたのです。私は決意を固め、大手百貫店の内定を直前になって断り、父に葬儀屋を継ぐ意志を伝えました。その後、私の修業先となる大手葬儀社に話を通し、3年間の修行期間を定めて就職。「気づいたら即行動」を貫く私の社会人生活が始まったのです。

修業先となった企業は、冠婚葬祭の全てを業務領域に据えていました。人の人生の節目にという意味ではブライダルも葬儀も本質は同じ。色々な先輩方からその大切さを学びましたし、現在の礎となる経験を数多くさせてもらったと思っています。そして3年後、予定通りに修行期間を終え、父の会社へ入社。当時はミウラ葬祭センターという屋号を掲げ、地元に根付いた葬儀屋を営んでいた当社は、はたから見ても組織として成り立っているとは言い難い会社でした。社員は始業時間が始まっても朝礼をするわけでもなく、居眠りをしているような状況。メリハリのない社内の体質にあぜんとしました。いずれ自分が家業を継ぐ以上は、すぐに組織を立て直す必要があると感じたのもこの時です。

その中で注力してきたことは、至って当たり前のことでした。朝礼をして社内をくまなく掃除し、礼儀を持って仕事に一生懸命に励む。そうした当たり前を習慣付けていくことからコツコツと取り組んでいったのです。こうした変革には5年を費やしましたが、徐々に自分の思い描く組織へと育っていきました。そして2005年、30歳という若さで社長に就任し、今日まで成長を続けています。

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お客様の期待を超え、想像を上回る

数ある葬儀社の中でも当社の強みと言えるのが、「感動葬儀。」を提供するクオリティーの高いサービス精神です。「感動葬儀。」を厳密に言い換えると、「感・即・動」を実践する葬儀のこと。人に感動を与えるような儀式を実現するためには、即行動に移せるようなスピードがなければ成り立ちません。それが私たち組織の本質になっているのです。そして葬儀式では、お客様の悲しみをいかに癒すかが大きなテーマとなります。例えば生前、海釣りが大好きだったという方がいれば、実際にスタッフが海の水をくんで葬儀会場へ運び入れ、供養に活用していただくような一手間も惜しみません。それは決して利益を追求するために行っているのではなく、感動を追求するために自発的に行っているもの。お客様の期待を超え、想像を上回ることが大切だと心掛けているからです。よりクオリティーの高いサービスには、ルールを破るためのルールがあるものだと思っています。

昨今は、死に対するイメージも陰から陽へ、少しずつ変わっていくような傾向も根付いてきました。ともすれば、人の死が非日常から日常に移り変わってきたからこそ、そこにわざわざお金をかけないでもいいじゃないか、という流れが生まれているのも事実です。

そうした時代の中で我々が事業を発展させていくためにも、人間関係の絆が切れないような手厚いサービスを続けていかなければいけません。葬儀式の需要がなくなったら遺体処理業へ経営スタイルを変えていこう、などという考えは一切ありません。葬儀社が葬儀社でなくなることは、我々の存在意義を失うことにもつながってしまうでしょう。今後も葬儀式の必要性を啓蒙していきながら、よりお客様視点に立った「感・即・動」を実践し続けていきたいと思っています。

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