米谷雅之
1956年東京都生まれ。78年早稲田大学法学部卒業。同年4月、日本アイ・ビー・エム株式会社に入社。決められた枠の中の仕事に飽き足らず、2007年1月ソフトバンクBB株式会社(現SB C&S株式会社)に転職。間接材購買サービス「パーチェスワン」を立ち上げた知見を生かし、世の中でもっともわかりやすく使いやすい独自の購買システムを開発しようと、15年7月に起業。
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INTERVIEW

ジーニーラボは、独自に開発した間接材購買システムを、大手製造業企業を主要顧客に、クラウドサービスとして提供しています。間接材とは、事業を営むために必要な物品や役務サービスを指し、工場の生産設備の備品、消耗品や生産設備の修繕など、オフィスの什器や事務用品、人材派遣などを指し、幅広い分野にわたります。長年の間接材購買システム販売における知見を最大限に生かし、お客様のニーズを徹底して盛り込んだシステムは、お客様から好評を集めています。また、システムを提供するだけではなく、利用することでお客様がより効率よく業務に集中していただけるよう、コンサルティング、アフターフォローまでを行っていることも強み。お客様の喜ぶ顔を目にすることを目標に、さらなる新システムの開発に取り組んでいる。

長年の知見を生かした独自開発への挑戦

米谷雅之

大学を卒業し、入社を決めたのはIT業界大手の日本アイ・ビー・エムでした。今でこそIT業界というのは一般的に知られたものですが、当時は、まだパソコンもない時代。コンピューターに触れるのは理工学部の学生だけという時代でしたので、クラスでもIT業界に入ったのは私一人でした。

入社後は、営業マンとしてお客様にコンピューターを販売する仕事をしていました。グローバルに事業を展開していた会社であり、IT業界の最先端を走りながら業界トップを長年貫く会社でしたので活気はありましたが、外資系企業ならではの業務規定の縛りが非常に強い風土がありました。ルールやシステマチックに決められた仕組みが多々あり、現場でお客様から要望をいただいても、会社の規定にそぐわなければ応えることができず、なんとか説明をしてご理解をいただくことを繰り返す日々でした。

しかし、お客様の要望が理にかなっていることも多く、もどかしさを覚える中、40歳を前にして、上司から私の人生を変える言葉をもらいました。「ルールは自分たちで作るもの。会社のルールがおかしいなら変えたらいいじゃないか。それが理にかなっていれば、ルールは変えられる」と。これは私の仕事観を大きく方向転換させました。そこから新しいルールを社内に提案するようになり、お客様の信頼を得ることで、100億を超えるお取引額が倍に変化することもあったほどです。この価値観を若い時に知っていたら、どんなに仕事が楽しかっただろうかと感じた悔しさは、今の私の「若い世代にもっと挑戦をして欲しい」と思う仕事観の原点になっています。

仕事を創造していく楽しさを知った私は、より自由に思い通りの仕事をしてみたいと、元上司から誘われるまま、ソフトバンクBBに転職したのでした。ここで間接材の購買システムというものに出会います。しかしそこではシステム自体は他社から借りてきたものをお客様に提供していましたので、利用プロセスにおけるサポートはできましたが、システム自体へのお客様の要望を解決することは不可能でした。もっとお客様の笑顔を見るために、システムそのものを改善していけるようになりたい。その思いが積もり、60歳を前にビジネスマン人生の最終章として起業を決意。お客様目線を最大限に生かした購買システムを開発し、世に残そうと決意いたしました。

  • 米谷雅之
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お客様の可能性を広げるサポートを

長年の知見には自信がありましたし、数々のお客様からの要望は頭に全てストックされていました。しかし一から作るというのは、サラリーマン時代には味わったことのない苦労の連続です。創造力、企画力、判断力をフル活用しながら、苦難にも突き進む精神力も必要でした。そんな苦しい時期にも乗り越えられたのは、夢に向かってともに歩んでくれる仲間がいたからこそだと思っています。

私たちが作った間接材購買システムというのは、提供する企業様において全社員の方が利用するシステムです。みなさんがネットショッピングで利用するアマゾンなどのように、マニュアルレス、トレーニングレスで使える直感的システムを目指しました。使いやすさはもちろん、社員のみなさんが時間をかけずに使いこなすことで、本業に専念していただければ、会社全体の効率向上にも貢献できます。コンシューマー向けのサービスよりも複雑ですから開発には苦労しましたが「無理、無駄、理不尽、不合理を無くし、お客様に喜んでもらう」ということを信条に徹底的にこだわって開発を進めました。出来上がったシステムを利用くださるお客様からは「感動した」「感激した」という言葉をいただいています。これは私たちが考え得る数々のお客様のニーズを細やかに詰め込んだからこそ、いただけた言葉だと思っています。自分たちの手で作り上げたものに感動してもらえる達成感は言葉に表せません。

現在は、さらなる新しいシステムの開発に取り組んでいます。これまでの購買システムは、買い手企業が既存の取引実績のあるサプライヤ企業(売り手)の情報を購買システムにマスター登録し、既存のサプライヤ企業との取引のために使われていましたが、今開発中の新バージョンでは、購買システムにサプライヤデータベースを組み込み、買い手企業にサプライヤ評価など新規サプライヤ選択に必要な情報とともにご提供します。これはまだ世の中にない画期的なB2B取引のビジネスプラットフォームになります。つまり、私どものお客様である大手企業様と、中小零細の企業をサプライヤ企業としてマッチングさせることで新しいビジネスを生むお手伝いをしたいと考えているのです。

世の中にはまだまだやる気の溢れた中小零細企業がたくさんありますが、大手企業と手を組むことには機会創出も難しく、どうしても規模を拡大できないでいる企業がたくさんあります。ポテンシャルのある企業にもっとビジネスチャンスを広げて欲しいと思っています。これは日本経済の活性化にも貢献できるのではないでしょうか。
私自身、社員、そして事業そのものが社会に貢献していき、自分たちの生きた証しを創造していく。そんなビジネスライフをまだまだ続けていきたいと思っています。

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