北村浩樹
1967年生まれ。神奈川県出身、富山県育ち。84年、食品会社に入社して営業の面白さを知る。88年、株式会社ハイテックに入社し、人材派遣業界へ。98年、8人の仲間と共にアドバンテック株式会社を設立。理系人材に特化した人材サービス事業の拡大を図る。2000年同社常務取締役、16年代表取締役就任。
https://www.advan-t.com/

INTERVIEW

どんな不況下にあっても、新しいものを開発して世の中に送り出すという日本企業の姿勢は変わらず、研究者・開発技術者へのニーズは高い。私たちはそうした理系専門職に特化した人材サービス事業を行っている会社です。もともとスキルを持った人を採用して派遣するのではなく、必要な技術と知識を習得した上で即戦力として働けるよう、個々の能力に応じた教育を行う独自の研修システムを構築していることが何よりの強み。企業と人材のミスマッチをなくし、研究職採用支援のリーディングカンパニーとなることを目指しています。

お客様のニーズに応えられる喜び

北村浩樹

野球好きの父の影響で、小学生の頃からずっと野球をしていました。中学では県大会を勝ち抜いて北信越の地方大会に出場し、高校では1年生からレギュラーに選ばれるなど真剣に取り組んでいました。ただ、土地柄、冬の間は雪が積もるのでなかなか練習ができないんですね。そんなときは、スーパーマーケットチェーンで何店舗もの店長を任されていた父に駆り出されて、仕事を手伝っていました。そこでお客様と直に接する商売の楽しさ、面白さを知り、その経験から高校卒業後は地元の老舗食品加工会社に就職したのです。

営業職としてお客様との信頼関係を築くそのプロセスはやはり楽しかったですね。お客様が困っていることがすなわち「ニーズ」。すぐに対応できる簡単なことから時間がかかることまでさまざまですが、その中で自分たちにできることは何かを考え、それを提供することが「仕事」なのだと学びました。そこで3年半勤めた後、新たな業種にチャレンジしてみたいという思いに駆られ、北陸地方に初進出という人材派遣会社に転職しました。

人材派遣という仕事のよいところは、お客様の企業の中でも人事権を持った上層部の方と直接お話しができること。その一つひとつの出会いが自分自身の成長につながりました。さらに、希望する仕事に就きたいと思っている方に対し、そのニーズに合った職場を紹介できること。お客様の企業ニーズに合った適切な人材を紹介できること。双方のニーズがマッチして、双方から「いい会社に入れてくれてありがとう!」「いいスタッフを紹介してくれてありがとう!」と言ってもらえる喜びは、独立して自分たちの会社を設立した今も変わっていません。この会社での経験があったからこそ今がある、そう思っています。

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研究職を希望する若者の夢をかなえたい

理系の研究者、開発技術者に特化した人材サービスのニーズが高いのは、化学やバイオテックなど理系の企業や研究機関への就職が難しいことが挙げられます。そうした企業や研究機関が正規に採用するのはごく一部のレベルの高い人たちで、その人たちが考えたものを実際に頭脳と手を使って形にしていくテクニカルな領域で働く人材が求められているのです。しかし、いま頑張っているスタッフをこのままにしていいのか、派遣のままで60歳になっても続けられるのかと以前より考えることがあり、お客様の企業に「自社で直接雇用されませんか?」という働きかけをしておりました。すると、次第にそうしたニーズの声があがってきたのです。今では毎年70~80人のスタッフが当社から巣立ち、それぞれの企業で正社員として働いています。

今後はさらに新卒の学生を対象にした事業展開を考えています。お客様の企業に、採用を前提とした派遣を行うというものです。お客様には「新卒人材の採用支援」、学生には「就職支援」となるこの事業を徐々に拡大していきたいと考えています。そこには企業と働く人材のミスマッチをなくしたいという思いがあります。厚生労働省のデータによると、企業がどんなに一生懸命に採用活動をしても、新入社員の3割が入社後に辞めている。それはやはり双方のニーズのミスマッチが原因なのです。私たちが新たに取り組む事業は、新卒の採用を我々が代行し、当社での研修を経た後にまずはその企業で派遣社員として働いてもらい、そこでお互いに安心して働けるとわかり、企業とスタッフの双方で合意に至れば、直接雇用とすることができるというシステムです。現状では派遣社員を正社員の常用代替としている企業も多く、そうした業界の風潮を変える一助にもなるのではと考えています。

理系の大学を出て研究職を希望してもなかなか就職できない学生はたくさんいます。そうした学生をできるだけ多く世に輩出してあげたい。私は三現主義(現実・現場・現品)を理念に掲げており、採用説明会などの現場へもよく足を運んでいます。そこで「研究職に就きたい」という学生の強い思いにふれると、絶対にその夢をかなえてあげたいと思うのです。たとえその時は企業の条件を満たさず就職できなかったとしても、当社での研修を経た後は即戦力のスキルを身につけられます。そのため入社後に重用されることも多い。企業にとっても学生にとってもメリットのあるこの取り組みは、社会貢献としても大きな意味を持つと考えており、ぜひ成功させたいと思っています。

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