加地宏行
1962年生まれ。京都市出身。82年に京都産業大学経営学部入学後、税理士試験の簿記論、財務諸表論に合格。86年、国税専門官として大阪国税局に採用される。
国税調査官として税務署、国税局、国税庁に約20年間勤務した後、2004年に退職後、税理士登録し独立。現在、税理士法人KAJIグループ、株式会社KAJIグループ、有限会社カジュラック、行政書士法人やなぎKAJIグループの代表を務める。
https://kaji-group.net/

INTERVIEW

国税調査官として、私が約20年間にわたり積み上げてきた税務調査実績は約450件。その後、税理士として納税者側に立った約500件に及ぶ税務調査に応対してきました。つまり、これまで約1,000件に上る税務調査に関わってきたことになります。振り返れば途方もない数字ですが、私にとっては一件一件が大きな戦いでもありました。そして、仲間の存在が大きな助けとなったことも事実です。国税局勤務時代には100名体制の組織をけん引し、現在は経営者として社員を鼓舞しながら、Oneteamの精神でチャレンジを続けています。今後もチームスピリットを絶やすことなく、社会に貢献できる組織づくりを続けていきたいですね。

チームスポーツから培ったもの

加地宏行

警察官であった父が病気で他界したのは、私がわずか1歳6カ月の頃でした。それからというもの、母は女手一つで兄と私の二人兄弟を育て、在宅でできる仕事として洋裁教室を始めたのです。私が物心ついた時には30名以上の生徒数を抱えていたでしょうか。そうした母のたくましさは、私の忍耐力の礎になったように思います。

母のおかげもあり、私は何不自由ない学生生活を送ることができました。中学時代は生徒会長を務め、高校時代はラグビー部のキャプテンに。「スクールウォーズ」で有名な伏見工業高校が全国制覇した1980年には、「京都ベスト15」に選出されるまでに力をつけていました。
当然ながら、ラグビーを通じて養われたものは計り知れません。今でも親交のある一生の仲間を手に入れ、Oneteamの大切さも身をもって学びました。何事も諦めない粘り強さや、何度でもチャレンジしていく精神力も、ラグビーを通じて培ったと思います。

当時はキャプテンとしてチームを一つにまとめる立場でしたから、練習メニューの作成から実行まで全てを自分一人で行うのが日課。自ら考え、自ら行動することが当たり前になり、経営者となった今でも大いに役立つ原体験となっています。
その後、大学卒業後に大阪国税局に採用された私は、法人税調査の仕事や税務署担当者の指導監督、国税庁における税法の企画立案等の仕事を約20年間にわたり続けていきました。
当時は、国税局長官が国会で読み上げる答弁書の作成なども任され、「日本社会や金融情勢がどのようにして動いていくのか」という国の根幹の仕組みを何度も目の当たりにしました。

しかし、順調に税務職員としての経験を積んでいった私でしたが、42歳の時に転機が訪れます。国税局の大先輩であった税理士の方から、税理士として開業する打診を受けたのです。私は若い頃から好奇心旺盛で、何事もチャレンジを優先するタイプ。すぐさま退職を決意し、税理士として第二のキャリアを歩み始めました。税務職員として約束されたキャリアを手放すわけですから、まさに退路を断ってのチャレンジでもあったのです。

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税務調査と人材育成に特化した組織

現在、全国に点在する国税局は12拠点、税務署は524拠点となり、全体で約56,000人の国家公務員が在籍しています。毎年、この巨大組織が行う税務調査は、所得税調査と法人税調査を合わせて約70万件以上。それだけ膨大な調査が行われている中で、納税者の不安をいち早く解消し、納税義務をしっかりと果たして頂くよう指導することが我々の役割でもあります。

2007年には「税務調査ネット」という特別サイトを全国で初めて開設し、ITを活用することで迅速かつフレキシブルな税務調査を実現しました。最近では相続税調査の経験が長い元国税調査官も当社に加わり、個人・法人に対する消費税調査をはじめ、相続人に対する相続税や譲渡所得税調査に至るまで幅広いサービスにも対応しています。
そうした組織をより熟成していくためにも、人材育成を推し進めていくことは非常に重要なことです。AIの進展により将来なくなると予測される税理士業ですが、AI技術を最大限に活用し、効率化を図り、クライアントの悩みに寄り添いながらスタッフ全員が一丸となってサポートできる組織を形成していきたい。そして新たな会計人財を組織で育成し、会計業界全体の活性化を目指せる組織にしていくことが当面の目標です。

そのため当社では知識習得のため、専門学校への通学を推奨し、一部費用を負担。その他、クライアントに対する説明の仕方や表現方法など、より実践的な形でロールプレイング会議なども行っています。人材育成には知識習得以外にも体力増強が必要不可欠ですから、事務所近くのスポーツジムと契約し、スタッフ全員がトレーニングできる環境づくりも進めてきました。ゴルフ部やグルメ部を作り、常に風通しの良い職場環境であることも当社の特徴と言えるでしょう。事業の継続には組織の安定がもっとも重要であると考えているからです。

だからこそ優先すべきは人材育成であり、その中で組織力を最大限に発揮できる「Oneteam」の組織を創り上げることを最大のミッションとしてきました。これからも現状に満足することなく、絶えずチャレンジをし続ける組織であり続けたいですね。

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