石川佳和
1958年8月2日生まれ、青森県出身。鶴見大学歯学部卒業、歯科医師国家試験合格。
鶴見大学歯学部大学院歯学研究科修了(歯科補綴学専攻)、歯学博士。医療法人愛和会開設、理事長。IADR、ICP、日本補綴歯科学会など、国内外の学会で発表、国際学会でプレゼンテーションアワード受賞、鶴見大学歯学部同窓会奨励賞受賞 、東北地区歯科医学会賞5回受賞、青森県歯科医師会会員研修会賞5回受賞。
https://www.sakuragawa-dent.jp/

INTERVIEW

父がよく「今やらずにいつやる、俺がやらずに誰がやる」と言っていたのですが、それがずっと心に残っていますね。漫画『スラムダンク』の安西先生も「あきらめたらそこで試合終了ですよ」と言っていますが、どんなに困難なときも絶対にあきらめちゃダメなんです。負けてたまるかの精神を貫いて、自分の夢を実現していこうと思っています。

自身の虫歯がきっかけで歯科医に

石川佳和

当院は義歯(入れ歯)に力を入れています。私は7年前に、口から食事ができて健康で楽しく130歳まで長生きすることを目指す『健康寿命130歳プロジェクト』を立ち上げました。このプロジェクトは「歯周統合医療」と「ミリングアタッチメント金属床義歯」の2本柱で成り立っています。「歯周統合医療」とは、歯科医ができる全身検査から得られた結果をもとに医科歯科連携を取りながら、口腔と全身を同時に治療していくプログラムのことです。当院は血液検査も行っているのですが、それによって病気の兆候や症状を早期に発見し、早期の治療を可能にしています。このようなことが全国の歯科で日常的に行われていれば、がんで死ぬ人はほぼ居なくなります。歯科医療を通して、多くの「救える命を救う」ことができるのです。今主流なのはインプラントですが、これは身体に異物が入っているのと同じ状態なので、その部分が慢性炎症を起こしてしまう可能性があります。すると、本来脳から出る物質が抑えられてしまったり、免疫力が下がってしまったりと、生命的なリスクの可能性が出てきます。一方、「ミリングアタッチメント金属床義歯」はドイツで100年の実績がある入れ歯で、インプラントと同程度の咀嚼(そしゃく)能力と装着感を兼ね備えています。私は30年近く扱っていますが、日本ではまだ知名度に欠け、ごく少数の歯科医師しか扱えません。今後もセミナーやメディアを通して広めていくつもりです。

私が歯科医を志したのは、小学6年生のときに左下の歯を1本治療したことがきっかけです。治ったはずの歯が半年後に痛くなり、同じ歯医者さんに行ったところ「歯の磨き方が悪くて詰め物の中で虫歯が進行している」と言われ、神経を取ったのです。それから9年間痛みは継続し、片側だけでかんでいたことから顎関節症も患いました。「歯は治療しても治らないのか」という疑問を解決するために歯科大学に入学しましたが、その歯を教授に治療してもらったところ、なんと1カ月で完治しました。私の9年間にわたる痛みの原因は、手抜き治療以外の何ものでもなかったのです。もう他の人にはこんな思いをして欲しくありませんね。

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悩んだら大切な人のことを思い出して

口から食事をすることは、健康な人にとっても末期がんの患者さんにとっても、筋力を維持しつつ幸せに暮らすために必要不可欠なこと。でも、それは決して当たり前にできることではありません。自身の虫歯の経験と様々な患者さんへの治療を通してそれに気づかされたことが、「健康寿命130歳プロジェクト」を立ち上げた原点です。そして当院は「嘘のない・手抜きをしない治療」を治療理念として掲げています。これを全うすれば、患者さんやスタッフ、そしてそのご家族の心身を健康に幸せにできると信じています。
来年で開業30周年を迎えますが、実は私には大きな夢があるんです。それは、医科歯科連携の取れたクリニックの集合体、レストランやスーパーなどの店舗、そして居住空間が一体になった複合型のビルをつくること。食事をした帰りにふらっと歯医者に寄ったら、歯だけでなく全身の疾患が発見できる。そしてそのまま隣のクリニックに行ったら、既にすべての治療内容が共有されている……そんな医科歯科連携が完璧に取れたモデルケースを実現したいです。

これまでの人生、本当に色んなことがありました。私は決して強い人間ではありませんし、「死んでしまいたい」と思ったことも何度もあります。でも、それを止めてくれたのは家族の愛情です。自分が死んだら、悲しむのも苦しむのも迷惑を被るのも家族ですし、周りの人のことを考えたら自分勝手には死ねないんです。皆さんも、この先の人生で信念が揺らいだり窮地に立たされたりしたときは、10分だけ大切な人のことを考えてみてください。自分がどう行動するべきか分かるはずです。そして、どんなに困難なときもあきらめずに突き進んでください。困難に立ち向かっていれば、解決策は必ず出現しますよ。

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