石川利江
福井県出身。1986年、全日本空輸に入社しCAとして乗務。政府チャーターフライトなど多くのVIPフライトを担当。98年、スカイマークに入社。就航に向け、客室乗員部立ち上げに携わる。訓練教官としてCAの育成・管理を担当。2005年本社経営企画室へ異動。08年、フリーランスの企業研修講師としての活動を開始。14年、Be-Jinを設立し、代表取締役就任。著書に『こころ豊かに美しく生きる 私を輝かせる賢い考え方38』(カナリアコミュニケ―ションズ)。
https://www.be-jin.com/

INTERVIEW

仕事を通じていろんな方とお話しますが、多くの女性が「子供が」「主人が」「おうちが」を主語にしているのが気になります。あなたはどうしたいの?といつも思うんですよね。
やりたいことを実現するためには、周囲の協力も必要です。その協力を得るために自分が何をすればいいか、考えてほしいですね。「誰かがやってくれないから」などとできない理由を探して自分から動こうとしない人は、やりたいことがちゃんと定まっていないのでしょう。
私がこの会社を立ち上げたのは、誰のためでもなく自分がしたいことを実現するためです。一度「これだ!」と決めたら迷わない。それが私の覚悟です。

人と関わることは決して得意ではなかった

石川利江

今の仕事の前に、航空会社で働いていました。客室乗務員として長いこと現場にいたのですが、ある時本社に異動になって、同じ会社とは思えないぐらい雰囲気が違って驚いたんですね。現場はにぎやかで笑顔であふれているのに対して、本社は静まり返っていて活気がなくて。どうにか、この人達に仕事の楽しさを伝えたい。笑顔にしたい。そう思って行動に移したら、少しずつですが確実にみんな変わっていきました。この時、自分は人がいきいきと輝いて笑顔になっていく過程を見るのが好きなんだと気付いたんです。それまで独立なんて考えたこともありませんでしたが、今までやってきたことを生かすためには決められた箱の中にいるよりも外に出たほうがいいと思い、企業研修講師としてのスタートを切りました。

私も人と関わることが初めから得意だったわけではありません。社会にもうまくなじめませんでしたし、CAという女性の世界に飛び込んだにも関わらず女性の気持ちが分からなくて、なぜみんなあんなにいつでも笑顔でいられるんだろうと思っていました。私も仕事で飛行機に乗れば笑顔になれるのですが、それ以外はあまり笑いませんでした。目の前の相手に対して「この人はお客様」「この人は後輩」と自分で壁を作っていたのだと思います。
でも、私が不機嫌な態度でいると、相手は私の顔色を伺いながら接してくるので、しなくてもいいミスをしたりして、良いことにならないんですよね。そういう状況を作るのは自分自身です。そのことに気付いてからは、どんな状況でも笑顔でいるようになりました。そうすると、相手も良い方に変わっていきましたね。仕事でもプライベートでも、相手を笑顔で迎え入れ、見送るときには相手を笑顔にすることが私のルールです。

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気持ちは「察して」ではなく言葉で伝えよう

日本で働く外国人の方を対象に研修をすることもあるのですが、「上司の言っていることが分からない。YesなのかNoなのかはっきりしない」ということをよく相談されます。解決方法はただひとつ。聞けばいいんです。「聞いてはいけない」と自分で枠を作ってしまうのではなく、そこは行動を起こしましょうといつもアドバイスしています。これは外国人に限ったことではありません。日本人同士でも往々にしてあることです。「以心伝心」とか「察する」ということが美徳のようになりがちですが、自分の気持ちをちゃんと伝えないと、相手からも返ってきません。私の研修を受けた方が「今まで思っていたけど言えなかったことを勇気を出して発信してみました」とか「どうせ聞いてもらえないし無駄だと諦めていたけど、言ってみたら状況が変わった。言ってよかった」といきいきとした表情で報告してくださるのが本当にうれしいですね。
研修では、一人ひとりととことん向き合いながらそれぞれの魅力を引き出すことを心掛けていますが、研修はきっかけでしかありません。そのきっかけをどう生かして行動するかが大事だと思います。ですから、研修が終わった時に「よし!こういうことをやってみよう」と思ってもらえるのが一番いいですね。家に帰って子供をハグするとか旦那さんに感謝の言葉を伝えるとか、些細なことでいいので行動を起こしてほしいと思います。人はいくつになっても変われるものです。

私もいろんなことがありました。打ちのめされたこともあるし、自分の存在に疑問を感じたこともあります。でも、存在すること自体が奇跡だし、きっとここにはいる理由があって、やるべきことがあるはずです。
若い方たちにも、誰のためでもなく自分のために、どう生きるかを考えてほしいですね。なりたい自分に少しでも近づいていけるように、迷いながらも進んでいってほしいと思います。

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