井上貴夫
1977年生まれ。東京都出身。野球に打ち込んだ高校時代を経て、佐川急便株式会社に入社。セールスドライバーとして抜群の営業成績を残した後、2007年に軽貨物配送を中心とした株式会社エアフォルクを設立。Eコマースの配送などを手掛け業務を拡大し、現在95名の社員を抱える。社名の由来はドイツ語で「成功」。
https://erfolg-ltd.co.jp/

INTERVIEW

エアフォルクを創業する前は佐川急便で働いていました。手前味噌ですが、社内でも高い営業成績を残すセールスドライバーだったんです。ですが、次第に不自由さを感じはじめ、自分で事業を起こそうと決めた時にひらめいたのが軽配送事業でした。ちょうどEコマースが一般にも浸透し始めたころで、運よく時代の波に乗って事業を拡大することができました。経営者になった今の目標は、本業の拡大はもちろんですが、それ以外にも配送用車両のレンタル業など新しいことにも挑戦することです。夢はいくつもありますが、中心には自分も社員も幸せであるように、との思いがあります。

今でも現場が大好き。トップが出向いて労働環境をよくしたい

井上貴夫

高校を卒業してとにかく運転がしたい、高い給与がほしい、そういう理由で佐川急便のセールスドライバーになりました。入るまでは配送業がどんな仕組みなのかよくわからなかったのですが、それがわかりだすと自分で工夫をするようになりました。給与が高い人間は何をしているのか、前年対比何パーセントで昇給になるのか、そういった数字を意識しながら働いていました。セールスドライバーはその名の通り、配送も営業もやります。お客様の出荷量や届け先をヒアリングして、時には同業他社さんの伝票から配送先を研究したり、そうやって作ったオリジナルの料金表をお客様にプレゼンしていました。単なる配送というより、自分のルートをいかに経営していくかというイメージで働いていましたね。

その時に色々な企業の社長さんたちと出会えたのはいい経験でした。軽貨物配送業の社長さんとお話する機会があって、「これからは軽貨物の需要は伸びてくるよ」と伺ったんです。ちょうど佐川急便の体制も少し変わって、いろいろと制限ができてしまい起業を考えていた時期でした。軽貨物配送ならこれまでの経験も生かせると思ったんです。

そして2007年、たった2人で軽貨物配送会社エアフォルクを設立。最初は私自ら配送し、ダイレクトメールを扱ったり、仲間内の業者から仕事をもらうこともありました。そうするうちにイトーヨーカドーやイオンのネットスーパーが本格的にスタートし、インターネットでの買い物がどんどん認知され、軽貨物配送の需要が高まっていったんです。そしてアマゾンなどEコマースの利用者も増え、仕事が増えていきました。

今は配送業をメインにしていますが、業務拡大を考えています。すでに保険代理店業と配送用の車両レンタル業もスタートしました。例えば業務委託でドライバーに仕事をお願いする場合、自前で車を用意できない方もいる。そういう方のためにレンタル車両を用意して、仕事をお願いしていく。車両に乗れば必ずメンテナンスも必要になるので、車両部門の会社も立ち上げていく予定です。そのほか、ホームページ製作やネット関連会社を吸収し、新規事業もスタートしたい。エアフォルクをホールディングス化して、配送・車両部門、ホームページ製作・ネット関連部門といった子会社を立ち上げる目標を持っています。

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人から決められるのではなく、ひらめいたことを継続する

今では自分で配送することはありませんが、現場には毎日足を運び、スタッフや荷主さんとのコミュニケーションは欠かしません。現場が大好きなんですね。もちろん現場は社員に任せていますが、私が現場を知らないと具体的なことが何もわからないし言えない。それに業務拡張という面でも、現場で荷主さんとの会話の中から新しい仕事が生まれたりします。取引先との関係性でも風通しがよくないと、いい仕事はできません。常日頃から密にコミュニケーションがとれていれば要望も聞けますし、こちらからの要望も出しやすい。ドライバーからはなかなか要望は出しづらいですから、言える立場の私が定期的に出向いて、お客様の意見だけでなくこちらの要望もお伝えしていかないと働く環境はよくならないと思うんです。

学生時代からそうでしたが、私は人から決められることが大の苦手。自分で決めて、自分でやる。人から決められたことは、結果が出ない場合に人のせいにしてしまうからです。そしていったん決めたら結果が出るまでやめない。悪かったらそこで課題が生まれますし、そしてまた結果を出す、その繰り返しが成果になってくると思います。中途半端で終わると、その時間が無駄になってしまう。中途半端で終わるならやらない方がいい、やりかけたなら結果が出るまでやり通すべきです。
一方、始める瞬間はあまり深く考えません。目についたこと、感じたことを直観で決めています。直観が一番重要で、私の行動、思考の多くを占めています。ひらめいて行動に移して、結果が出るまでやめない。エアフォルクをスタートしたときもそうでした。その感性と継続の力はこれからも大切にしていきたいと思っています。

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