林正孝
1962年生まれ、広島県出身。大学卒業後、ソフトウエア会社でのシステム営業を経て、大手人材サービス会社にて主任、マネージャーへと昇格。年間MVPなど全ての賞を獲得。96年、ソニー生命保険入社。2012年7月に経営コンサルティング会社WADOウイングスを設立。志誠學、偉人塾、不死鳥倶楽部等、多数の私塾を主宰。
https://wadowingx.co.jp/

INTERVIEW

人によって性格や適性は様々なのに、会社は社員に一律に同じことを教えようとします。その結果、飲み込みが早い人と遅い人で差が生じます。早い人のほうが「仕事ができる」と評価されがちですが、案外遅い人のほうが継続する力を持っていたりするものです。誰にでも、その人にしかない価値があります。
人を育てる上で大切なのは、持って生まれた個性や特性をしっかり見て、それに合わせてマネジメントをすることです。一人ひとりの違いを楽しみ、認めてあげると、人は本当に成長します。

今までにない独自のコンサルティングを作るために

林正孝

19歳で上京し、学生の頃はいろんなアルバイトをしました。飲食店、肉体労働、デパートの屋上のアクションショーなど様々な経験をする中で、どんな業種業態であっても共通の悩みや課題があることに気がついたんです。その頃から、経営コンサルティングの仕事に興味を持ちました。
就職活動でコンサル会社をいくつか受けてみましたが、ピンとくる会社に出会えませんでした。当時どの会社も過去のデータを検証し、将来に置き換えて予測するような手法ばかりでした。私が求めているのはもっと泥臭く、人間的な部分にフォーカスしたコンサルティングなのにと残念に思いました。そして、それなら自分で勉強して独自のコンサルティングを構築しようと決めたのです。経営の基軸である「ヒト・モノ・カネ」を学ぶためにソフトウエア会社や大手人材サービス会社、保険会社で経験を積み、空いた時間で統計学や心理学も勉強しました。どの会社にいる時もトップでありたかったので、「自分が経営者だったら」という目線で仕事をしていましたし、寝る間も惜しんで働きました。周りの人よりも能力が同じか劣るのであれば、時間で勝負するしかありません。本気で時間を費やして量をこなすことで知恵が生まれます。「量より質」などと言っているうちは成長できません。
保険会社に在籍中、社内でコンサルティング事業部を立ち上げたのが今の会社の原点です。私が45歳の時でした。

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欧米は「スペック」、日本は「人」を見る

私たちがコンサルティングの柱にしているのは、組織人事です。「うちの会社のこういうところが問題だから直してほしい」というようなご相談をよくいただくのですが、問題の本質がそこではない場合が多いです。もっと潜在的な問題、原因を引き出していくのが私たちの手法。そのために少し耳が痛いことも言いますが、私たちはクライアントと仲良くしたいわけではなく会社を良くするためにいるのです。経営コンサルタントがクライアントにこびるようになったら終わりだと思います。また、クライアントにどうやって気づきを与えるか、どうやって到達してもらうかという落としどころもないといけません。正解だけ教えて終わるようなコンサルタントはいずれ淘汰されるでしょう。
元来、経営コンサルタントという職業は欧米のもので、日本にはありませんでした。しかし、欧米に200年以上続いている会社は非常に少ないといわれています。日本には6000社近くもあるのです。日本と欧米の人事の一番の違いは、欧米では「この仕事をするのにどんな能力が必要か」というスペックを重視するのに対して、日本では「この人材のこういうところを生かそう」というように個性を見ます。西洋の組織人事は、同じブロックを積み上げていく「ブロック型」と言われています。一つ欠けてもすぐ補充できるのが利点です。対して、日本は「石垣型」で、同じ形のものは一つもありません。変化に強く、いびつな形になってもうまく組み合わさってそれなりに形になっていくのが強みです。
すぐに成果を出すなら欧米の手法も有効ですが、私たちは日本が大事にしてきた「人」をベースにした根幹の哲学も取り入れ、そこに根差した研修プログラムを提供しています。中には、自衛隊の特殊部隊の任務遂行力やノウハウを学べるようなワークショップもあります。人材育成では「世のため、人のため」という日本の魂と、欧米の知識や技術、テクニックといった能力を両方有した「和魂洋才」を目指したいですね。

個性や特性は一人ひとり違いますし変えようがありませんが、それを100パーセント生かすことができれば人生はとてつもなく楽しいものになります。若者のみなさんにも、生きていることを存分に楽しんでほしいですね。それをサポートするのが私の命の使い道だと思っています。今後の日本を背負っていくような人材を育てることで、日本がさらに豊かな国になることが私の願いです。

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