三井物産

未来に「挑む」を。三井物産と。

vol.3

デジタルで広める未病・予防の意識

デジタルで広める未病・予防の意識

 変化が激しく、正解のない時代。世界中で、ダイナミックにビジネスを展開する三井物産は、「共創」を進化させている。さまざまパートナーとともに、未来をつくる取り組みを紹介するシリーズ企画「未来に『挑む』を。三井物産と。」。vol.3では、未病・予防分野での事業を取り上げる。三井物産はこれまでの知見とネットワークにデジタルの力を掛け合わせることで、ヘルスケア領域で一人ひとりに寄り添ったサービス展開を加速させている。

Chapter 1

高まる 予防医療の重要性

増え続ける
国民医療費

出典:厚生労働省「2017年度医療費の動向」

医療費の約3割
生活習慣病

出典:厚生労働省「国民医療費(2016年度)」

増え続ける国民医療費

医療費の約3割生活習慣病

増え続ける国民医療費

医療費の約3割生活習慣病

医療費増加は、
生活習慣病増加にも起因

 日本の国民医療費は増加の一途をたどり、2016年度は約42兆円まで膨れ上がっている。増加の主な要因は、高齢化に伴う病気の増加と医療そのものの高額化だ。中でも特に大きいのが、がんや高血圧、糖尿病といった生活習慣病に関わる医療費で、一般医療費約30兆円のうち3分の1に相当する約10兆円にのぼる。「人生100年時代」といわれる中、医療費の増加抑制は喫緊の課題となっている。

予防の重点化による
医療費適正化イメージ

予防の重点化による医療費適正化イメージ

予防の重点化による医療費適正化イメージ

予防・健康管理サービス(ヘルスケア産業)を活用した
生活習慣病の改善や受診勧奨

予防・健康管理サービス(ヘルスケア産業)を活用した
地域包括ケア等との連携

出典:経済産業省におけるヘルスケア産業政策について(2018年)

医療費適正化に向け、
“治療”から“予防”へ

 実現に向けては、生活習慣病をはじめとする予防可能な疾病を減らすことが重要だ。若いうちから予防に取り組むこと、病気の早期発見と治療を通じて重症化を防ぐことが医療費の適正化につながる。しかし、保険が適用されない予防医療に、自ら取り組む意識はあまり浸透していないのが現状だ。こうした状況を受け国は、企業や健康保険組合、国民健康保険、自治体などに病気予防を重視するためのインセンティブを与えるなど、さまざまな施策を展開している。一例が、厚生労働省が医療制度改革の一環として打ち出した、データを活用して健康改善を促す「データヘルス計画」だ。2015年度から健保組合などに義務付けている。健保組合などの運営者は、被保険者等のデータを分析し、病気が疑われる人に早めに医療機関にかかるよう勧めたり、生活習慣を変えるための保健指導を実施したりするなどの対応が期待されている。同時に、企業には健康経営を求め、健保組合との協働(コラボヘルス)や、外部の専門事業者の活用も促している。

Chapter 2

「ウェル・ビーイング」な
サービスをワンストップで

保健同人社の知見×
三井物産の総合力×デジタル

保健同人社の知見×三井物産の総合力×デジタル

保健同人社の知見×三井物産の総合力×デジタル

「第二創業と捉え、DX推進」

 三井物産は、医療費適正化や予防医療に対するニーズが高まることを早期から予測し、2004年に保健同人社(東京・千代田)に出資した。同社は戦後間もない1946年、結核の予防・治療情報を提供する雑誌の創刊からスタート。54年には人間ドックを創案、69年「家庭の医学」発刊、88年には電話での健康相談を開設するなど予防医療の先駆け的存在だ。近年、予防医療が社会的課題として周知され、今後より重要度が増すことを見越し、三井物産は2020年4月に子会社化。さらに連携を強めている。

 保健同人社CDO(最高デジタル責任者)で三井物産から出向中の寺田理恵子は以前、三井記念病院に出向していた際、逼迫する日本の医療現場を目の当たりにした。「生活習慣病等をもっと防ぐことができれば、限られた医療費をより活用できるのではないかと考えた。例えば先端医療への投資などにつながれば、医療の質も向上する。そのために、企業として三井物産ができることは、自分の健康を自分で守るという意識の浸透に貢献するような、未病・予防を後押しする仕組みをつくることではないか」と、保健同人社を子会社化するプロジェクトに寺田は手を挙げた。以前から彼女は、保健同人社は「たくさんの可能性を秘めている」と感じていた。科学的根拠に基づく情報発信、時代に先駆けたサービスの提供、こうした事業を通じ70年という歴史の中で受け継がれてきたスピリット。また、看護師や保健師、管理栄養士、助産師といった国家資格保有者や、臨床心理士など専門的な知識を有する社員を、延べ100人ほど抱えるのも強みだ。長年の取り組みを通じて、健保組合や企業の人事部といった顧客からの信頼を得ていることも大きな魅力だった。寺田は「保健同人社の第二創業」と捉え、同社の資産を生かしながらDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進している。

(写真左)寺田理恵子/保健同人社 CDO、疾病予防事業部 部長
(写真右)津久井理紗/保健同人社 疾病予防事業部企画開発室

(写真左)寺田理恵子/保健同人社 CDO、疾病予防事業部 部長(写真右)津久井理紗/保健同人社 疾病予防事業部企画開発室

「WaaSプラットフォーム」で
健康経営を後押し

 企業にとって、従業員の健康づくりは重要な経営課題だ。しかし企業単体で遂行するのはなかなか難しい。そこで保健同人社では、企業や健保組合とエンドユーザーである従業員・被保険者等をつなぎ、皆を「Well-being(ウェル・ビーイング)」にする仕組みづくりを進めている。「Well-being」とは、身体的にも精神的にも社会的にも健康で幸福な状態で、人や社会と建設的でよい関係を築けることを示す。その実現に向け同社が取り組んでいるのが、ヘルスケア関連サービスをワンストップで提供する「WaaS(ウェル・ビーイング・アズ・ア・サービス)」のプラットフォーム構築だ。医療情報や病気についての検索、健診結果の閲覧、電話やチャットでの健康相談、健康保険関連の手続き、体重減少や重症化予防等の個別化ヘルスコーチングなどをスマホ一つで可能にする。これまで保健同人社が積み上げてきた未病・予防の確かな知見にデジタルの力を掛け合わせることで、一人ひとりに合ったきめ細かなソリューションを提供していく。

 寺田の下で企画開発に携わっている津久井理紗は、入社2年目ながら強い使命感や自分なりの課題意識を持ち業務にまい進している。「サービスをより多くの企業や健保組合に利用してもらうには、成果を示し、費用対効果を説明する必要がある。仮説を立て検証する日々が続くが、非常にやりがいを感じる」と心強い。寺田と津久井は、「このプラットフォームを未病・予防を支えるインフラにしたい。医療費適正化への貢献はもちろん、医療従事者をサポートし、日本の人々がより健康的で豊かな生活を送るための基盤を構築したい」と意気込む。

保健同人社は、看護師や臨床心理士など専門的な知識を有する社員を延べ100人ほど抱える

保健同人社は、看護師や臨床心理士など専門的な知識を有する社員を延べ100人ほど抱える

Chapter 3

質が高く効率的な
ヘルスケアの実現を目指して

「病院中心」から「個人中心」へ

「病院中心」から「個人中心」へ

「病院中心」から「個人中心」へ

「ヘルスケア事業を通じ、
一人ひとりの豊かな生活に貢献」

 現在、世界各地で医療費抑制に向けた未病・予防の重要性が高まっている。またデータやデジタルを活用した医療サービスの開発が進み、生活者が自分に合ったヘルスケアを選択する時代が到来している。その中で日本は、世界に先駆け高齢社会を迎えた、ヘルスケア領域での課題先進国でもある。このようなトレンドも踏まえ三井物産は、治療から予防へ、病院中心から個人中心へとパラダイムシフトを加速させ、質が高く効率的なヘルスケア「Value Based Healthcare」を広げていく。三井物産執行役員ヘルスケア・サービス事業本部長の菅原正人は、「ヘルスケア事業を三井物産の中核事業に成長させていくことで持続可能な社会を実現し、社会全体をより豊かに成長させることにつなげたい」と抱負を語る。同社は、アジア10カ国に病院事業を展開するIHHを中心にヘルスケア事業を展開する中で、既に多くの知見やネットワーク、データを蓄積してきた。三井物産はこれまでに培った知見と総合力を生かし、一人ひとりがより健康で豊かな生活を実現させるため、国内外で広くヘルスケア事業に取り組んでいく。

関連情報

ヘルスケア・ニュートリション事業戦略三井物産ウェブサイト

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