J-REIT Infrastructure Fund Forum

優良不動産に長期投資する戦略がJリートの長期安定的な収益支える 優良不動産に長期投資する戦略がJリートの長期安定的な収益支える
老後を見据えた資産形成は人生の重要テーマの一つ。低コストで負担が少なく、収益性の高い金融商品に賢く投資したいと考える個人投資家が注目するのがJリートだ。Jリートは、投資法人が投資家から集めた資金などによって不動産を取得し、そこから得られる賃料収入や売却益を投資家に分配するというもの。実物不動産への投資よりも圧倒的に少ないコストで高い収益を得られる金融商品として、多くの投資家から支持されている。実際の運用は資産運用会社に委託できるので手間がかからず、投資の専門的な知識がなくても気軽に始められる点もメリットだ。3月24日に開催された「日経JリートWEBセミナー(主催:日本経済新聞社イベント・企画ユニット)」には、Jリートの2法人が登壇。投資戦略やコロナ禍の影響への対策などを投資家に説明した。
基調講演
ニッセイ基礎研究所
コロナ禍によるJリートへの影響一巡
市場は本格回復基調に向かいつつある
ニッセイ基礎研究所 金融研究部 岩佐 浩人 氏

ニッセイ基礎研究所
金融研究部
岩佐 浩人

わが国で新型コロナウイルス感染症の感染拡大が本格化してから、1年以上が過ぎました。この間のリート市場を振り返ると、感染拡大の影響で東証リート指数が昨年3月に急落。高値からの下落幅は最大で49%にもなりました。その後、金融市場の回復に合わせて指数は緩やかな上昇基調にのり、今年に入ると回復幅はさらに上昇。足元では、コロナ禍以前の水準である2000ポイント台目前にまで到達しています。
 指数急落の背景には、リスク性資産の売却によって現金化を急ぐ「需給要因」や、ウイルスへの恐怖などの「心理要因」、今後の不動産市場の下落を懸念した「ファンダメンタルズ要因」の3つの要因があると考えられます。リートの値動きは、経済の基礎的条件である経済成長率や企業業績などのファンダメンタルズに先行する傾向があります。
 リートの投資法人や市場の健全性をはかる指標の一つに、NAV倍率があります。これは、投資口価格を一口当たりの純資産で割った値で、NAV倍率が1倍を上回ると、投資口価格が割高、下回ると割安と判断されます。昨年3月の安値時点の市場全体のNAV倍率は0.63倍でした。これは将来、リートが保有する不動産価格が24%下落するリスクがあることを意味します。しかし、実際には価格調整は起きず、リート市場の回復につれてNAV倍率も上昇。21年2月時点ではNAV倍率1.05倍にまで回復し、現在、リート保有の不動産価格の下落懸念は後退しています。実際、昨年のリート保有物件の価格は対前年比で0.4%増加しており、コロナ禍による価格への影響は限定的でした。
 市場全体の業績動向に目を移すと、コロナ禍以前の業績を反映した20年3月の予想分配金に比較して、21年2月の分配金は7%減少しています。しかし最近数カ月、対前月比で収益の大きな下落はみられず、ひとまずコロナ禍による収益悪化の波は一巡したと考えられます。2020年下期決算(7~12月期)におけるコロナ禍による減収金額は、市場全体で333億円でした。そのうち87%を、外出自粛などで苦戦を強いられるホテルが占めています。ただ、コロナ禍による減収はあくまでも一過性のリスク要因であり、業績が回復すれば分配金は押し上げられるはずです。また、Jリート保有のビルには高い競争力を有するハイクオリティーな物件が多く、コロナ禍においても賃貸事業収益を拡大させています。これらを踏まえるとJリート市況は年内は横ばいで推移し、来年以降に本格的な回復が始まると分析できます。ホテルの業績回復が分配金を押し上げるほか、オフィス収益もプラスに寄与するでしょう。市場全体の一口当たり分配金は、今後5年間で12%増加する見通しです。
 今後、万一リスクが発生したとしても、リート保有の不動産の含み益(売却時に残る利益)は4兆円で、年間分配金のおよそ7倍に相当しますから、分配金減少の際のリスクバッファーは整っています。また昨年、リートは1.4兆円の新規物件を取得しました。コロナ禍で収益性を高める物流施設の取得が活発化するなど、将来の成長を見据えた投資にも積極的な市場の動きがうかがえます。
 コロナ禍にあっても、Jリートの金融商品としての魅力は高いまま維持されており、一口当たり分配金は3.7%(21年2月末時点)と、依然として上場株式の利回りに2倍近い差をつけています。また、長期の総合収益率は過去5年で25%、10年で161%、15年で122%の高水準で、長期に保有するほど多くの収益を得られるという特性にも変わりはありません。
 今後も、優良不動産への長期投資を通じ、投資主価値最大化を実現する投資法人や資産運用会社のコミットメントによって、Jリートの高い収益性は維持されるでしょう。

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コンフォリア・レジデンシャル投資法人
東京23区の立地の強さを生かし
ポートフォリオの収益性と安定性両立
東急不動産リート・マネジメント コンフォリア運用本部 運用戦略部 部長 吉川 健太郎 氏

東急不動産リート・マネジメント
コンフォリア運用本部
運用戦略部 部長
吉川 健太郎

コンフォリア・レジデンシャル投資法人は、主として東急不動産プロデュースの都市型賃貸レジデンス、コンフォリアシリーズへの投資を通じ、収益の安定と着実な成長を目指す投資法人です。
 ロケーション、クオリティー、セーフティー、サービスに優れた単身用賃貸住戸であるコンフォリアシリーズの賃料は、おおむね10~12万円程度。賃料水準が若干高めであることから、大手企業の若手社員の方などが主な借主となっています。
 2021年1月末時点の保有物件数は137物件、資産規模は2521億円です。全体の92.2%が23区に位置し、最寄駅からの平均徒歩分数は4.9分と、立地にこだわったポートフォリオを構築しています。東京23区の駅近物件に重点投資する戦略により、安定性と収益性の両立を実現しているのが私たちの強みです。
 東京23区は、若年層の人口流入が6万人程度で極めて活発なエリアでありながら、ここ数年の賃貸マンションの着工戸数は年間2~3万戸程度で低位安定しており、良好な市場環境が続いています。コロナ禍によって、一時的に稼働率が若干弱含んだ局面もありましたが、稼働率が底をついた20年9月でも、94.5%の高水準を堅持しました。良好な市場環境を背景に賃料増額改訂実績も着実に積み上げており、テナント入れ替えのたびに増額を達成している状況です。足元、上昇率は若干鈍化していますが、賃料上昇の傾向自体に変わりはありません。
 コロナ禍で、都心から郊外へと転居する人が増えるとの見方もあります。しかし、この1年ほどの間に、当社物件から退去した方の転居先を調べたところ、東京23区が58.7%、東京23区を含む東京圏が81.1%という結果になりました。少なくとも現時点では、23区からほかのエリアへの転居は限定的であり、23区内にとどまる割合が高いことが分かりました。賃貸住宅市場としての23区の競争力は引き続き維持される見通しです。  今後も良質なポートフォリオを生かして収益性の向上に励むとともに、スポンサーの包括的なサポートを強みに、着実な成長を実現してまいります。

コンフォリア・レジデンシャル投資法人についてコンフォリア・レジデンシャル投資法人について
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アクティビア・プロパティーズ投資法人
好立地のオフィス・商業施設に
厳選投資する戦略で高稼働率を維持
東急不動産リート・マネジメント アクティビア運用本部 運用戦略部 部長 村山 和幸 氏

東急不動産リート・マネジメント
アクティビア運用本部
運用戦略部 部長
村山 和幸

本投資法人は、立地・クオリティーに優れたオフィスと商業施設を主な投資対象とする複合型リートです。スポンサーは、わが国の不動産開発・管理・運営に関する豊富な知見や実績を有する東急不動産ホールディングスグループです。東急不動産は「100年に一度の規模」とも称される渋谷の再開発事業にも深く携わっており、本投資法人の将来の成長可能性を大きく拡げるスポンサーのサポート力はますます盤石になっています。
 2020年11月末時点の保有物件は44物件、取得価格合計は5092億円です。ポートフォリオの約8割を底堅い需要が見込める都心6区(渋谷、恵比寿、青山、品川、五反田、大崎)に位置する「東京オフィス」と、表参道や原宿、銀座、心斎橋など、日本有数の繁華性を誇る商業エリアに位置する「都市型商業施設」が占めています。
 好立地のハイクオリティー物件に厳選投資する戦略が奏功し、稼働率はおおむね98~99%の高水準を堅持しています。コロナ禍に際しては一部テナントの賃料減額交渉に応じ、良質の不動産の提供により社会生活を支えるという、投資法人としての社会的責務を果たしながら、ポートフォリオ全体の稼働率を維持してまいりました。
 オフィスに関して、テレワークの普及が需要を下げるのではと心配される方もいらっしゃいます。しかし実際には、様々な企業がテレワークの経験を積む中で、オフィスを持つことの価値や可能性がこれまで以上に注目され、好立地の物件は引き続き高い競争力を有しています。事実、私たちはコロナ禍においてもオフィスの賃料増額を達成しました。
 20年11月期は、テナントの事業継続をサポートしながら稼働率を維持することに軸足を置いてきました。しかし最近、ワクチンの接種開始や近隣観光ニーズの回復などに後押しされる形で、不動産市況にも少しずつ回復の兆しが見えてきています。現在進行している21年5月期以降は、アフターコロナの成長も見据え、オフィスリーシングに特に注力しながら、分配金の成長に向けて、外部成長・内部成長機会を貪欲に追求してまいります。

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●本コンテンツは情報提供を目的としており、特定の金融商品の推奨や投資勧誘を意図するものではありません。購入や投資をされる場合は、ご自身の判断と責任で行ってください。
●講演資料はセミナー開催時点のものとなります。最新の情報は各投資法人のHPなどをご確認ください。