提供:GSユアサ
GS YUASA

GSユアサの『革新と成長』
蓄電技術で
脱炭素社会実現に貢献する

世界的に加速する脱炭素への取り組み。日本でも2050年までの「カーボンニュートラル(温暖化ガス排出量ゼロ)」実現を掲げているが、その重要施策の一つが、太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーの活用だ。そんな中注目を集めるのが、再生可能エネルギーの安定供給に欠かせない蓄電システムを手掛けるGSユアサである。自動車用バッテリーの大手で、ハイブリッド自動車など環境対応車に搭載されているリチウムイオン電池での実績でも知られている。これから訪れる脱炭素社会に向けて必要な技術、そして社会課題と向き合う志とは。同社の目指すべき未来を紐解く。

エネルギー・デバイスの活用で
実現するカーボンニュートラル

持続可能な社会の実現のため、2030年までに達成すべき17の目標と169のターゲットから構成されるSDGs。その13番目に記されているのが「気候変動に具体的な対策を」である。この対策のために世界各国が目指すのは、脱炭素社会の実現だ。日本でも2050年までのカーボンニュートラル実現に向けた動きが加速している。

カーボンニュートラルへの取り組みはさまざまだが、中でも重要視されているのが、太陽光や風力といった自然エネルギーを利用した電力である「再生可能エネルギー」の普及と活用だ。政府は、洋上風力発電などを他の電源に比べ上位の主力電源にしていくと表明しており、水素や燃料アンモニアなどと併せて脱炭素に向けた投資が予定されている。今後は、発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合が増加する見通しだ。この再生可能エネルギーの普及拡大に欠かせないデバイスが、蓄電池である。

蓄電システムのリーディングカンパニーであるGSユアサの代表取締役 取締役社長 村尾修氏は、再生可能エネルギーの活用に蓄電池が欠かせない理由をこう語る。

「太陽光や風力などの自然エネルギーによる発電電力は天候、風の強さや風向きにより変動しますが、蓄電池を組み合わせることで、出力変動を緩和し安定した電力を供給することが可能です」

村尾 修氏
株式会社 GSユアサ
代表取締役 取締役社長
尾 修

GSユアサは、100年以上もの歴史の中で培った技術力や知見をもとにした蓄電システムの開発・供給を通して、再生可能エネルギーの普及に貢献してきた。見据えるのは、「新たな価値を創造し続けるエネルギー・デバイス・カンパニー」への進化だ。「Creating the Future of Energy」というコーポレートスローガンのもと、常に変化する時代のニーズを捉え、新しいエネルギーのあり方、蓄電技術の使い方の模索を通して社会課題を解決していくという。

「提供する製品・サービスが、SDGsをはじめとしたさまざまな社会課題の解決に貢献し、長期的に社会の役に立つ企業であり続けることが企業の成長につながります」と村尾氏。その口から語られたのは、「そのためには<モノ・コトづくり>がキーワードになる」という言葉だ。

GSユアサ

「モノづくりは、これまで培ってきた蓄電池や周辺機器といった製品の販売・納入で完結する売り切り型のビジネスです。ここに、AIやIoTなどの先端デジタル技術を活用して蓄電池の常時監視や劣化診断を行う新しいビジネスモデルを組み合わせる。つまりコトづくり、継続的にお客様にソリューションをお届けできる新しい価値を目指します」(村尾氏)

事業の成長機会は多岐にわたる。道路施設や下水道施設、気象、地震などの観測施設、河川監視カメラといった、防災・減災、国土強靱化に関わる社会インフラ、また、データセンターや5GなどのIoTインフラのバックアップ装置として産業用電池や電源装置の需要が高まっている。さらに今後は、脱炭素化に向け再生可能エネルギーの導入拡大が進み、自家消費や非常時の事業継続計画(BCP)、ピークシフト・ピークカットによる電力消費の平準化といったエネルギーマネジメントなどを目的とした蓄電池の利用が増えるだろう。

「当社の強みは、宇宙・深海といった特殊な環境下でも性能を発揮する信頼性の高い蓄電池と車載用で確立した量産技術。そして、蓄電池に限らず電源システムからパワーコンディショナまで自社国内生産のため、比較的小規模な設備で使用する準汎用品から完全受注生産の大型案件まで、幅広いラインアップで顧客ニーズに合った対応、全国ネットワークでのサポートが可能なことです。2018年には、さまざまな分野で培い積み重ねた技術が評価され、世界最大規模の風力発電向け蓄電池設備を受注することができました」と村尾氏。

第2章では、準汎用品から世界最大規模の大型案件まで、具体的な製品やプロジェクトを例に取りつつ、担当した若手社員にGSユアサが目指す脱炭素への取り組みを語ってもらう。

GSユアサの価値創造プロセス

GSユアサの価値創造プロセス

100年という歴史の中で培ってきた技術力や顧客ニーズに合わせた製品開発・供給によって、脱炭素社会の実現をはじめ、社会課題解決や持続可能な社会づくりに貢献するGSユアサ。さらなる技術力向上や最先端技術に挑戦し、長期的に社会の役に立つ企業であり続ける。

太陽光発電に欠かせない
パワーコンディショナの開発で環境に貢献

GSユアサが太陽光発電システム事業に参入して25年以上。公共施設や集合住宅、学校といった公共産業用を中心に、多くの導入実績を積み重ねてきた。強みの一つは、蓄電池メーカーならではのシステム構築だ。蓄電システム『ラインバック マイスター』は、パワーコンディショナと蓄電池を組み合わせた製品である。

パワーコンディショナとは、太陽光で発電した直流電力を交流電力に変換する機器。パワーコンディショナで交流電力に変換することで、家庭や施設などで利用することができる。

「蓄電池を組み込むことによって、太陽光の自然エネルギーで発電した電力や料金の安い夜間電力を充電し、有効活用できます。エネルギーの有効活用という点で環境に貢献しているという自負があります」と語るのは、同製品のパワーコンディショナ開発に携わる、電源システム生産本部開発部の本郷真一氏だ。

しかし、同製品の開発には大きな壁があった。

「太陽光発電と蓄電池では適した制御が異なります。それぞれを同時に最適な状態に制御するのは簡単なことではありません。蓄電池制御では、蓄電池の温度や充電状況に合わせて、細かく制御を切り替えています。さらに言えば、リチウムイオン電池なのか鉛蓄電池なのか、それぞれの電池の特性に合わせた制御が必要。その違いを踏まえつつ、太陽光の発電電力を有効活用しながら、状況に合わせて蓄電池を充放電する仕組みを構築するのは、苦労した点の一つでした」

本郷 真一氏
株式会社 GSユアサ
電源システム生産本部開発部
郷 真一

まさに、蓄電池メーカーならではの強みがあったからこそ、完成にこぎ着けることができたといえるだろう。その結果、『ラインバック マイスター』は、顧客のニーズ・用途に合わせて自由にカスタマイズできるようになった。

「停電時に負荷をバックアップする‘停電対応型’や負荷の増加に合わせて蓄電池から放電し電力供給をアシストする‘ピークカット型’、電力の需給状況に合わせてフレキシブルに蓄電池を充放電する‘EMS(エネルギーマネジメントシステム)型’など、用途に応じて自由にカスタマイズすることが可能です」

今後の目標は、施設単体の自家発電やエネルギーマネジメントだけでなく、同社製品を導入した施設同士、また、スマートシティの各種エネルギーマネジメントシステムにつないで、より広い範囲で脱炭素社会に貢献することだ。

「『ラインバック マイスター』には受電電力を制御する機能があるので、導入している複数の施設が連携して電力需給調整を行うことができます。例えば、太陽光発電で電力が余っている施設から、足りない施設への融通ができるので、エリア内で再生可能エネルギーの地産地消や自家消費に役立てることができます」と本郷氏。

より広い範囲で考えれば、離島などで電気を買わないスマートコミュニティの構築なども視野に入るという。

「そのためにもこれからのパワーコンディショナでは、AI技術の活用やIoTとの融合がキーワードになります。開発課題を解決することは、自身の成長につながり、再生可能エネルギーの普及にもつながっていく。やり甲斐のある仕事です」

太陽光発電システム構成図

電気をよく使う夕方から夜の太陽光発電システム構成図

太陽光で発電した直流電力はそのままでは使えないため、パワーコンディショナによって、交流に変換する必要がある。太陽光の自然エネルギーや料金の安い夜間電力で蓄電池に充電し、負荷の増加する時間帯に蓄電池から放電することで、エネルギーを有効活用できるほか、災害・停電時に非常用電源(特定負荷)として使える。

株式会社 GSユアサ