Workstyle ビジネスが止まらない働き方改革─実現のカギは「ビデオ会議の変革」にあり! Workstyle ビジネスが止まらない働き方改革─実現のカギは「ビデオ会議の変革」にあり!

2018年6月29日、働き方改革関連法が参院本会議で可決・成立し、残業時間の上限規制などを柱とする政府主導の働き方改革が法的な拘束力を持つことになった。これにより、日本のすべての企業がこれまでの労働慣行を変革させながら、収益の維持・増大に向けて労働生産性の改善をさらに迫られることになる。その実現に向けて、何をどうすればよいのか──。その答えを探るべく、ICTによって自らの働き方改革はもちろん、顧客企業の改革にも積極的に取り組むKDDIと、そのアライアンスパートナーであるシスコシステムズのキーパーソンが語り合った。KDDIソリューション事業企画本部ネットワークサービス企画部で部長を務める梶川真宏氏と、シスコのコラボレーションアーキテクチャ事業担当コラボレーション営業部長の石黒圭祐氏の二人だ。

(写真左)石黒 圭祐 氏(写真右)梶川 真宏 氏オフィス風景オフィス風景
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KDDI株式会社 ソリューション事業企画本部 ネットワークサービス企画部 部長 梶川 真宏 氏

KDDI社内で広がる「Cisco Webex活用の裾野」

KDDI株式会社 ソリューション事業企画本部 ネットワークサービス企画部 部長 梶川 真宏 氏

KDDIとシスコシステムズ(以下 シスコ)は17年4月、ビデオ会議の機能を中核にチャット、ファイル共有/閲覧、アプリケーション間通話などのビジネスコミュニケーション機能を統合化したクラウドサービス「Cisco Webex」(旧名Cisco Spark/18年4月に改称)の提供・普及においてアライアンス契約の締結を行った。目的は革新的なビデオ会議の仕組みをテコに、日本企業の働き方改革を加速させることだ。この大目標のもと、KDDIはCisco Webexをベースとしたソリューションを「Cisco Webex with KDDI」の名称で展開し、KDDIのスマートデバイス、ネットワーク、サービスなども組み合わせて提供している。また併せて、Cisco Webexを自社内に導入し、自らの働き方改革に役立てる一方、蓄積した活用ノウハウやナレッジをソリューション強化にも生かしている。KDDI梶川真宏氏とシスコ石黒圭祐氏の対談は、その話題から口火を切った。

シスコ 石黒:シスコとのアライアンスを機に、KDDIではCisco Webexを自社内でも活用していただいていますが、まずはユーザー目線でCisco Webexをどう評価しているのかについてお聞かせください。KDDIは早い時期から働き方改革に関するさまざまな取り組みをされていると思いますが、Cisco WebexはKDDIの働き方改革でどのように使われていますか?

KDDI 梶川:Cisco Webexのビデオ会議は、音声・画像の品質がすこぶる良く、遠隔地にいる相手との対話にもまったくストレスを感じません。誰かと会議を始めるのも、会議に参加するのも実に簡単です。実際の利用を通じて、Cisco Webexが世界市場で圧倒的なブランド力とシェアを有している理由を身をもって感じました。

シスコ 石黒:現在、KDDIでCisco Webexを利用されている方の数はどの程度でしょうか。導入から1年弱が経過されたと思いますが。

KDDI 梶川:利用者の裾野はすでに社内60部門/3,300IDに広がっています。最初は私の部署からのスモールスタートでしたが、他の部門の方はその様子を見て「これは便利だ」という口コミのような形で現場での活用が急速に広がっていきました。とりわけ遠隔の複数拠点と対話することの多い法人営業担当者の間では、かなり普及が進んでいますね。結果、お客さまにCisco Webexをお勧めする際の営業担当者の説得力がどんどん増しています。何しろ自分たちで利用し、便利さを実感しているわけですから。

シスコ 石黒:それはうれしい限りですね。ちなみにCisco Webexはクラウドサービスですが、セキュリティーを不安視するような声は社内になかったのでしょうか?

KDDI 梶川:KDDIは通信事業者ということもあり、セキュリティーには相当厳格ですし、ビデオ会議を通じた社内の対話には秘匿性の高い情報も含まれます。ですから、Cisco Webexの社内利用に際しては、セキュリティーがひとつの懸案事項になったのは確かです。ただし、シスコによるセキュリティー機能の拡張もあり、Cisco Webexのセキュリティー機能はかなり充実し、クラウドサービスとして当社のセキュリティー要件を十分満たすレベルに達しています。またKDDIならではの取り組みになりますが、クラウドサービスのIDを一括管理する「KDDI Business ID」サービスを組み合わせて、セキュリティーレベルを上げています。そのためセキュリティーに対する社内の懸念が払拭され、利用が一挙に広がりました。

シスコシステムズ合同会社 コラボレーションアーキテクチャ事業担当 コラボレーション営業 部長 石黒 圭祐 氏

最大の効果は「ビジネススピードの向上」

シスコシステムズ合同会社 コラボレーションアーキテクチャ事業担当 コラボレーション営業 部長 石黒 圭祐 氏

シスコ 石黒:Cisco Webexの社内活用を推進してきた立場として、改めてビデオ会議の持つ利用効果をどう感じていますか。

KDDI 梶川:最大の効果はビジネススピードが上がったことです。例えば私が移動に40~50分かかる拠点に赴き、1時間のミーティングを行い、自分のオフィスに戻るとしましょう。結果として1時間のミーティングのために3時間を費やすことになります。
 ビデオ会議の活用によって、そのうちの移動にかかる2時間が削減できることはわかっていましたが、本当の効果はそうした移動時間の削減にはとどまりません。仮に、ミーティングの参加者の多くが、私と同様に移動を含めて3時間をかけなければならないとすれば、参加者のスケジュール調整に手間取り、すぐに行うべきミーティングが1~2週間後でないと開けないという事態に陥ります。それがCisco Webexによるビデオ会議なら、移動の時間がないので純粋に1時間を参加者に融通してもらえば事が済みます。これにより、必要なミーティングが必要なタイミングで開けるようになり、ビジネス上の意思決定スピードや課題対応スピードが確実に増します。Cisco Webexの導入後、実際にそうしたメリットを感じる機会が増えています。

シスコ 石黒:シスコ社内でもCisco Webexを活用していますが、私自身もそうした効果はいつも感じています。おそらく、そうしたスピード感が、ビデオ会議が急ピッチで普及し始めた大きな理由ではないでしょうか。電話やメール、チャットよりも、相手の顔を見ながら対話ができるビデオ会議は、意思疎通がより簡単でスピーディー、かつ正確ですから。

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普及促進の一手は「便利さの実体験」

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KDDI 梶川:Cisco Webexの導入によってもうひとつ気づいた点があります。それは、生産性向上につながるツールであれば利用者が一度でもその良さを体験すると、すぐに現場に浸透していく、ということです。

シスコ 石黒:確かにCisco Webexは、現場の方に一度でも体験いただくと、利用メリットを即座にご理解いただき、トップダウンの強制力などがなくてもおのずと活用の輪が広がっていくという特長がありますね。

KDDI 梶川:KDDIではCisco Webex Boardなどのシスコ会議デバイスを90台導入し、全社に展開したのですが、実のところ普及促進策はそれがすべてで、他にこれといった啓蒙活動は展開しませんでした。それでも会議室にCisco Webex Boardがあると、現場の誰かが使い始めます。ビデオ会議だけでなく、ホワイトボードやモニターとしても使えるため利用用途が広く、その便利さに誰もが気づきます。また、すべての操作が簡単であることもポイントです。こうして人から人へと評判が伝わり、利用が見る見るうちに拡大していったわけです。実際、KDDIでは直近3カ月でもビデオ会議の利用時間が30%も増加しているという結果が出ています。
 これはおそらく、お客さまの会社でも同様だと思います。一度でもCisco Webexを体験していただければ、その利用が一挙に広がると考えています。

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トータルソリューションをワンストップで提供

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KDDI 梶川:ビデオ会議システムの普及が急速に進みつつあるため、KDDIの営業担当者がCisco Webexを案内すると、「ビデオ会議システムならもう導入している」と切り返されることも増えているようです。ただし声を大にして言いたいのは、単に「導入している」のと「現場で活用している」のでは大きな違いがある、ということです。

シスコ 石黒:おっしゃるとおりです。例えば役員専用のビデオ会議システムを導入していたとしても、従業員がその存在すら知らないようでは、生産性向上という観点からは意味を持ちません。シスコがCisco Webexで目指しているのは、現場の一人ひとりにビデオ会議で生産性を高めてもらうこと。だからこそ、「簡単であること」「いつでも、どこからでも、すぐにつながること」「スマートフォンやタブレット、パソコンといったマルチデバイスでの相互接続性を確保すること」の3点に徹底的にこだわってきたわけです。

KDDI 梶川:そのあたりのこだわりが、Cisco Webexの強みにつながっているのでしょうね。KDDIとしては、そのこだわりによって生まれたプロダクトと、KDDIのネットワーク、スマートデバイス、そして他の各種プロダクトとを組み合わせたトータルソリューションをワンストップで提供し、Cisco Webexの価値をさらに高めたいと考えています。
 お客さまの要望に応じて、Cisco WebexとKDDI製品をさまざまに組み合わせて提供していくことが当社の基本戦略ですし、KDDIならではの強みと自負しています。

梶川 真宏 氏石黒 圭祐 氏

生産性向上支援でさらに強力なパートナーシップを発揮

(写真左)石黒 圭祐 氏(写真右)梶川 真宏 氏

シスコ 石黒:KDDIが展開するトータルソリューションの提供は、シスコにとっても心強い取り組みです。シスコはCisco Webexそのものの強化に力を注げても、その良さをより多くの方に体験していただくためには、KDDIのような強力なパートナーの存在が欠かせません。結局のところ、Cisco Webexとスマートデバイスをつなぐのはネットワークです。そのネットワークやスマートデバイスをフルに提供できるという点でも、Cisco Webexの日本での普及を図るパートナーとして、KDDIはかけがえのない存在です。

KDDI 梶川:それはKDDIにとっても同じです。KDDIはお客さまに価値を提供する手段として、他社とパートナーシップを組むことでより強固なサービスを提供できると考えています。以前よりシスコの行う機能強化やメンテナンスのスピードの速さは素晴らしいと思っておりました。今回、そうしたプロダクトを自社のサービスポートフォリオの中に組み入れられた意義は大きいです。

シスコ 石黒:それぞれの強みと足りない部分をうまく補完し合いながら、お客さまにとって最高の価値を提供していけるといいですね。

KDDI 梶川:その通りです。これからもシスコと協力しながら、Cisco Webexの普及に力を注ぎ、企業の業務効率化を加速させたいと願っています。そのためにはまず、Cisco Webexの革新性や使いやすさを、より多くの方々に知っていただくことが大切だと考えています。ですから、お客さまの“体験価値”を醸成していただくため、シスコ会議デバイスの貸し出しやショールームでのデモ展示、セミナーでの実機デモなども積極的に行っています。繰り返すようですが、Cisco Webexを一度体験いただければ、ビデオ会議システムに対するこれまでのイメージがガラリと変わり、お客さまなりの活用のアイデアがさまざまに思い浮かぶはずです。しかも、その活用効果の高さはすでにKDDIで実証済みで、当社にご相談いただければ、お客さまの要望に応じて、さまざまなソリューションをご提示できます。一社でも多くのお客さまに、Cisco Webexを利用いただき、現場の生産性向上に生かしていただきたい。そう願っています。

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