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アクセンチュアが考える、
デジタル人材の
パフォーマンスを最大化させる
組織の在り方

提供:アクセンチュア
アクセンチュアが考える、デジタル人材のパフォーマンスを最大化させる組織の在り方

デジタル技術の急速な進化が日本企業の経営を揺さぶっている。すべてのモノがネットにつながるIoTや人工知能(AI)はどう進化していくのか。技術を最大限に生かす経営組織はどうあるべきか。グローバルに事業を展開するアクセンチュアのコンサルタントが、世界の最先端で起きている変化の波頭、すなわち「Edge」の実像に迫る。
第1回は「デジタル人材を生かす組織」をテーマに、ともに人材・組織改革を専門とする、通信・メディア・ハイテク本部マネジング・ディレクターの本徳亜矢子氏と、製造・流通本部マネジング・ディレクターの水野昭徳氏が対談した。

管理する人事から「イノベーションを促す」人事へ

対談風景

お二人は同期入社で、現在はともにクライアントの人材・組織改革を支援する部署にいます。まず、これまでの経歴や現在の仕事について教えてください。 line

本徳 アクセンチュアには5つの産業別組織と、ストラテジー・デジタル・テクノロジー・オペレーションズ・セキュリティーという5つのソリューション組織があり、私は産業別組織の中で主に通信会社やメディア、電機メーカーといったお客様を対象に、人材育成や組織改革を支援するチームを率いています。

水野 私は入社以来一貫して人事・組織分野を担当し、自動車、製薬、小売、消費財メーカーなど幅広い業界で経験を積んだ後、今は本徳と同じくリーダーとして製造・流通業界の人事・組織改革に携わっています。また、アクセンチュア自身の「働き方改革」の立ち上げにも参加しています。

対談風景

現在の仕事において、顧客からの要望は具体的にどのようなものが多いのでしょう。 line

水野 最近多いのは、グローバル経営における人事管理というご依頼ですね。海外事業の強化・拡大はどの産業でも重要な経営課題ですが、そもそも、どの国・どの事業にどのような従業員が、どのくらいいるのかすら本社が把握しきれていない場合が結構あります。ある小売業のケースでは、グローバルで人事管理が必ずしもうまく機能していなかったため、人事業務を再構築し、統合された人材マネジメントシステムを構築しました。グローバル共通の人事データベースのほか、人事評価や処遇も一元化しており、どの地域に、どんなスキルを持った人材が何人いるといった情報が一目でわかります。しかも、クラウド型なので、自社内にシステムを構築する必要がなく、初期コストも抑えられます。

本徳 私の担当する業種では、人材育成のニーズが増えています。IT(情報技術)関連企業では、単に製品やサービスを売るのでなく、顧客の課題に対するソリューションを提供することが求められているからです。個人のスキル向上だけでなく、組織の枠を超えたチーム力が問われるわけです。ですから、私たちが提供するのもITスキルなどのトレーニング講座だけでなく、チームの運営方法や人材登用、キャリアパス、評価方法といった総合的なスキームとなります。また、顧客からは「座学だけでなく、実践まで支援してほしい」といった相談も多く、例えば6カ月間の研修プログラムの後、実際に事業部門で成果を上げられるようフォローすることもあります。

水野 全部で120人を超える組織として、私たちは日本最強の人材・組織改革コンサルティング集団を目指しています。背景にはやはり急速なデジタル化が引き起こした日本企業における人材不足などのひずみや、変革を急ぐお客様の急増があります。デジタルネーティブに代表される多様化した価値観、それを支える働き方、グローバルレベルでマス・スケールアップできるワークフォースの必要性、AIとの協働などなど、数えきれない課題があります。旧来の組織体系、人事制度、報酬制度、労務の課題など、多くの見直しが不可欠になってきています。

本徳 ダイバーシティも、働き方改革も、もうきれいごとではありません。クリアしないと、これからの日本企業は生きていけない。テレワークや職務経歴管理といった表面的なことではなく、スーツのおじさんとデジタルネーティブとAIと外国人と非正規社員が、企業や産業の壁を越えてコラボレーションしないといけない時代です。これから人事に求められるのはイノベーションを促進する環境を作ることではないでしょうか。

水野 私たちは組織変革の上流にあたる企画の見取り図を書くだけでもなく、技術を売るだけでもない。本当に成果を出すために必要な変革を提案・実装し、コスト効率まで見越した運用まで行い結果を出します。デジタル人材のパフォーマンスを上げるためにも、多様な価値観を支える基盤が必要です。今、日本の人事は、本当の意味で転換期に来ていると思います。日本の人事の特殊性を理解した上で、海外の良い事例を取り入れていくべきです。アクセンチュア自身が、グローバルに展開する「人」の会社ですから、グローバルで「人」を活用する自社ノウハウをお客様に提供していくことができます。

対談風景

人材育成や組織変革を専門とするコンサルティング会社も多い中で、アクセンチュアが手掛ける人材・組織改革にはどんな特色があるのでしょう。 line

本徳 やはり、育成トレーニングにとどまらない、人材戦略、プロセス、テクノロジーを含む基盤そのものを変革する点でしょうか。例えば、あるお客様からは、もともとIT部門の組織機能変革と業務プロセス再構築のご支援をするなかで、IT部門の若手育成もやってほしいという依頼がありました。最終的に組織が目指す姿を描き、それに対して既存の人材だけでは新しいスキルを持つ人材が足りない、だから育成研修が必要、かつ一時的な座学だけでなく日々の業務の中で継続的に育成できる仕掛けというように、根本から変えていくところが特長ですね。実はお客様から「アクセンチュアのコンサルタントみたいな人に育ててほしい」と言われることがあります。大変うれしいことです。組織は人だけでも仕組みだけでも変われない有機的なものですから、すべての側面からのサポートが必要です。

水野 昨今、人間がやっている作業を機械に置き換えるRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)の導入が増えてきています。その結果創出された人員をどうするか。新たなスキル獲得を前提に、最適な人員配置を考えていくことになりますが、RPAを織り込んだ組織の在り方、ひいては、全社としての要員管理の在り方を再検討していくことが肝要です。アクセンチュアでは、デジタル化に伴う人事・組織の変革をグローバルで数多く実践してきており、その知見やノウハウを総合的に提供することができます。

コンサルティングはコラボレーション
一方的な提案ではなく、お客様と一つになる

対談風景

プロのコンサルタントとして、顧客と向き合う際に心がけていること、ここだけは譲れないといった信念のようなものはありますか。 line

水野 通常のプロジェクトでは、お客様とのミーティングに向けて資料を作ることが多いのですが、ミーティングではお客様の意見と我々の考えとをあわせてより良いものを一緒に作っていく。隣に座って、一緒に資料を見てお話を聞きながら、考える姿勢を心がけています。この方が、絶対に良いものができるからなんです。

本徳 私は徹底してお客様志向でありたいと思っています。お客様がポロッともらされたささいなことでも、次回までにきちんと調べて回答する。お節介かもしれませんが、本筋と関係ないようなことでも、勝手に自分の宿題にして持って帰るようにしています。入社したての頃は、お客様の言うことをそのまま完璧にやるのがベストだと思っていました。でもお客様が求めているのはおそらく、(1)先進事例や自社にない発想や常識、(2)コンサルタントの知見や経験、(3)お客様の希望やビジネス状況、の3つに基づく提案だと思います。もしお客様のやりたいことが間違っていると思えば、はっきり伝えることが大事だと思うようになりました。

水野 その3つはとても重要ですね。私の場合は、お客様からの依頼に対して、スコープを広げることをいつも考えています。お客様が課題と考えている点をもっと広いあらゆる側面からとらえ、新しい発想やもっと優先度の高いことがないかあらためて考えます。ただ単に依頼されたことに応えるだけでなく、それを超える付加価値がある提案をすべきと考えています。

対談風景

今後、やってみたい仕事はどんなことでしょう。 line

本徳 企業の中の高齢人材をどう生かすかということに取り組みはじめています。定年延長や再雇用は増えていますが、十分に戦力として活用できているところは少なく、もったいない。若い社員のコーチ役になるとか、蓄積してきたスキルをナレッジ化するといった役割はよく耳にしますが、それだけでは今後見込まれるシニア人口の増加には追い付かないでしょう。一社単位で考えるのでなく、退職したOBや第一線を退いた人たちの人材プールのようなものを作り、社会全体として人材活用できる仕組みが必要です。例えば、大企業での経験を持つ人材を中小企業などとマッチングする仕組みを作りたいです。

水野 日本企業の生産性を圧倒的に高めるムーブメントを起こしたいですね。今の働き方改革は、単に残業を減らして労働時間を短くするだけで終わってしまうケースが多いですが、最近では、新しいテクノロジーを活用し、メールのやり取りや会議への参加状況などを匿名のデータとして分析することで、生産性向上に向けて働き方を全面的に見直すといった新しい取り組みが出てきています。人材育成も、とがったデジタル人材などは自社で閉じて育成していくのは困難であり、外部から獲得したり、フリーランスを活用したり、柔軟に考えていくべきです。先ほど話したグローバルで統合された人事システムを活用すれば、よりダイナミックでタイムリーな人員配置も可能でしょう。
デジタル破壊による新しい人材難について

Living Organization=絶え間ない自己変容ができる組織
アクセンチュアが提案するこれからの組織の在り方

自己変容する組織:Living Organaization

個人と会社の成長の同期化
会社のPurposeと社員個人のアスピレーションのベクトルがあい、高いエンゲージメントで仕事に臨み、働き手価値と企業価値がスパイラルに向上
  • ・働き手価値(EVP)向上
  • ・経営者・人材育成
アダプティブな人材・組織
環境変化に応じた戦略・ビジネスモデルシフトに、人材・組織・オペレーティングモデルを俊敏にトランスフォームできる
  • ・働き方改革・組織風土改革
  • ・デジタルシフト対応人材・組織・オペレーティング モデルシフト
人と機械の最適共存
人間と機械の最適な組み合わせによるマン・マシントータル生産性最大化とタレントマネジメントの高度化
  • ・AI/RPA/Chatbot
  • ・HRテック
人材エコシステム
台頭するアダプティブワークフォース(フリーランスなどの流動化人材)を踏まえ、最適人材を“必要な時に、どこからでも”調達できるエコシステム
  • ・最適人材ポートフォリオ
  • ・人材クラウドソーシングエコシステム
高速イノベーション創出
顧客中心・人間中心の発想が起点となり、既存事業のしがらみに囚われないで、イノベーションを高速でどんどん生み出すことができる
  • ・高速イノベーション創出プロセス
  • ・デュアルオペレーティングモデル

出所:アクセンチュア

対談風景

アクセンチュア株式会社
通信・メディア・ハイテク本部マネジング・ディレクター 本徳亜矢子氏

 高校時代に『くじらの文化人類学』(M・フリーマン編著、海鳴社)という本に感銘を受け、大学・大学院でクジラの生態や捕鯨文化を研究。フィールドワークとして捕鯨基地にも滞在し、「様々なバックグラウンドを持つ鯨捕りの方と過ごすことで度胸と体力がついた」。

アクセンチュア株式会社
製造・流通本部マネジング・ディレクター 水野昭徳氏

 ジャズを聴きながら、お酒を飲んだり、家族としゃべったりするのが至福の時間。自分でトロンボーンやギターも奏でる。

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VUCA・デジタルディスラプションを勝ち抜く有機的な組織への変革を支援する
アクセンチュア 人材・組織変革コンサルティング

産業別コンサルティング

各業界のトレンドや課題を踏まえ、お客様のビジネスモデルに適した人材・組織変革を支援。

ストラテジー

人材・組織戦略立案を通じて経営層を支援。

デジタル

IoTを活用したワークスタイル改革や最先端アナリティクスを提供。

テクノロジー

変革戦略を実践に落とす仕組みとしてのITを提供。WorkdayやSAP SuccessFactorsなど最適なソリューションを実装。

オペレーション

オフショアリングやクラウドソーシングなどの効率化ノウハウを通じて徹底的効率化された運用を実現。

インクルージョン&ダイバーシティ

バックグラウンドや考え方の違いを受け入れ、互いに尊重し合い、革新的で活気あふれる職場作りはこれからの働き方に不可欠です。
詳しくはこちら

アクセンチュア独自の働き方改革

全社員のイノベーション活動としての組織風土改革を通して、働き方改革を実践。地道な施策を積み重ね、“制度”と“意識”の両輪で、組織や一人ひとりの行動を変えていく。働き方改革に、近道なし。
詳しくはこちら

戦略的な事業目標を達成するための人材・組織の実現

アクセンチュアは人材育成・開発や人材・組織管理から人事戦略、組織変革まで幅広く支援しています。
詳しくはこちら

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