信頼できる相続・贈与に詳しい 相続税理士特集

相続税法が改正されて、2015年1月1日以降の相続については相続税の基礎控除(非課税枠)が従来の6割に縮小された。国税庁が2016年末に公表した2015年分の「相続税の申告状況について」では、法改正によって相続税の課税対象者が増えたことや、相続財産に占める現金・預貯金等の比率が増加したことが明らかになった。

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相続税の課税対象は前年からほぼ倍増

 国税庁によると、2015年に亡くなった人(被相続人)は全国で約129万人。このうち、相続人が相続税を納めたケースは10万3000人で、被相続人全体の約8%を占める。14年はこの比率が4.4%だった。基礎控除が引き下げられたことによって、相続税の課税対象者がほぼ倍増したことが見てとれる。

 特に地価の高い大都市圏(東京都、神奈川県、千葉県、山梨県)を管轄する東京国税局管内では、課税割合が7.5%から12.7%に大きく上昇。亡くなった人8人のうち1人は、相続人に相続税が課されたことになる。

課税対象者は金融資産保有層に拡大

 基礎控除の引き下げは、相続税の課税対象となる財産の種類にも影響を及ぼしている。

 課税対象となる財産のうち全国ベースで最も多いのは土地だが、その比率は14年の41.5%から15年は38.0%に減少しているのに対し、現金・貯金等の比率は26.6%から30.7%に増加している。

 相続財産を不動産(土地・家屋)と現金・預貯金等に有価証券を加えた金融資産で分けると、14年はそれぞれ46.9%と41.9%だったが、15年は43.3%と45.6%となり、金融資産が不動産を上回った。

 これまで相続税の課税対象となっていたのは地主や会社経営者など、主に不動産を保有している富裕層だったが、法改正後は、株や預貯金などの金融資産保有層にまで対象が広がったことがわかる。

 相続税の課税対象者が増え、富裕層でなくても相続税対策が必要な時代になったといえる。

相続財産の構成比(金額ベース)

税理士は申告実績や面談で選ぶ

 基礎控除の縮小と課税対象者の拡大によって、税理士への相談件数も増えているようだ。ただ、税理士なら誰でもよいというわけではない。

 医師が内科や外科などの診療科目に分かれているのと同様に、税理士にも専門分野がある。相続の相談は相続に特化した相続税理士にした方がよいだろう。

 相続税理士はネットで探せる。しかし料金の安さだけで選ぶとトラブルにつながることもありうる。

 相続税理士を探すときのポイントは、相続税の申告実績だ。実績が多ければ、豊富な経験を踏まえた適切なアドバイスが期待できる。信頼できる税理士かどうかを判断するためには、実際に会ってみることも重要だ。話してみれば、誠実に相談に乗ってくれそうか、そうでないかがわかるだろう。できれば土地や株式などの財産評価に詳しいか、税務調査への対応力があるかどうかもチェックしたい。

 相続は、起こってからではとれる対策が限られてしまう。相続税理士に早めに相談しておけば、相続が起きたときのさまざまな手続きが円滑に進み、相続税の節税にもつながるはずだ。

 (ファイナンシャルプランナー 馬養雅子)

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