信頼できる相続・贈与に詳しい 相続税理士特集

所有者不明の土地が問題となっている。「所有者不明土地問題研究会」によると、所有者が判明しないか、判明しても連絡がつかない土地が2016年時点で九州の面積を超えており、今後もさらに増える見込みだという。土地の所有者は不動産登記簿に記載されるが、土地を相続しても登記しないことが所有者不明土地を生んでいる。

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登記がネックで所有者不明土地になる

 亡くなった人の財産は相続人同士で話し合って分割する。現金は簡単に分けられ、預金や金融商品は金融機関に届け出をすればよいが、不動産は相続した人が法務局で所有権移転登記を行うことによって、その人が所有者であると認められる。所有権移転登記の際、登録免許税がかかる。

 その土地に価値があり、自分が利用したい、あるいは売却して現金化したいと考えるなら、多少の税金を払っても登記をするだろう。しかし利用価値のない土地だと登記や納税をしようと思わない人もいる。

 相続の登記がされない土地は相続人全員の共有となり、単独では利用も売却もできない。相続人が亡くなるとその相続人が共有者になる。共有者は次第に増え、その土地は誰も利用できず放置されることになる。

登録免許税の免税措置の創設

 土地の所有者が分からないと、公共事業や災害対策のための用地取得などに支障をきたす。所有者を探そうとすると膨大なコストがかかる。

 そこで、相続登記を促すための登録免許税の免税措置が設けられた。対象となる土地は次の2つ。

①相続によって取得しても登記しないまま次の相続を迎えた土地。例えば父が祖父から相続した土地を、息子が父から相続する際、祖父から父への相続登記がされていないようなケースだ。この場合、祖父から父、父から息子の2回の相続登記が必要で登録免許税も2回分かかるところ、祖父から父への相続登記は登録免許税が免除される。

②法務大臣が相続登記の促進を図る必要があると指定した市街化区域以外の土地で、固定資産税評価額が10万円以下のもの。これについては相続による所有権移転登記にかかる登録免許税を免除される。

①は2018年4月から、②は「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」(仮称)が施行されてから、2021年3月末までの登記に適用される。

 未登記の土地は相続の際の手続きが煩雑になるだけでなく、相続人の間で争いにつながることもあるので、免税措置を利用して所有権移転登記をしておきたい。

所有者不明土地の実態調査(2016年度調査)

税理士に相談してトラブルを防ぐ

 2017年、大手企業が所有者になりすました人物と土地の売買契約を交わして購入代金を詐取されるという事件があった。所有者不明の土地や未利用地はこうした犯罪に使われる可能性があり、知らない間に所有者が巻き込まれることもないとはいえない。

 相続・所有したまま放置している土地は、「残す」「活用する」「処分する」のいずれかに決めて対策を取っておくことがトラブル防止や将来の円滑な相続につながる。ただし、素人判断の対策はかえって問題を生じさせたり相続税負担を重くしたりすることがある。土地対策は不動産と相続に詳しい税理士に相談するといいだろう。

(ファイナンシャルプランナー 馬養雅子)

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