日経スマートエイジングフォーラム会場の様子

日本は世界トップクラスの長寿国ですが、平均寿命と健康寿命には10年程度の開きがあります。認知症患者とその予備軍も多く、長生きの中身が問われる時代になりました。先ごろ都内で開催した「日経スマートエイジングフォーラム」(主催=日本経済新聞社クロスメディア営業局/協賛=大塚製薬、アクサ生命保険、SOMPOホールディングス、日本ルナ)には、加齢医学の専門家やスポーツ解説者が講師として参加。健康寿命の延伸に役立つセルフケアの方法などについてアドバイスしました。

基調講演:スマート・エイジングの考え方と実践

東北大学スマート・エイジング
学際重点研究センター 特任教授
村田裕之

東北大学スマート・エイジング
学際重点研究センター 特任教授
村田裕之

一人ひとりの実践で
より良い社会を招く

私たち東北大学は「スマート・エイジング」を提唱しています。人間は年齢を重ねながら、いつまでも知的に成長していけるという加齢観です。

スマート・エイジングのためには①脳を使う習慣②体を動かす習慣③バランスの取れた栄養習慣④人と積極的に関わる習慣——がポイントになります。東北大学はその一助になることを願い、2012年から「スマート・エイジング・カレッジ」を開講しています。エイジングをテーマに高齢者と若者が一緒に学ぶもので、受講生の約半数が60歳以上です。様々な年代の人たちとの学びが刺激となり、高齢受講者の認知機能の改善も見られました。

スマート・エイジングは、日々の生活の中で実践することが大切です。例えば、介護状態に陥るきっかけとなる脳卒中は生活習慣病が主な原因です。その予防にはウオーキングなどの有酸素運動が効果的です。

また転倒や骨折を防ぐには、下肢や腹筋など体幹部の筋肉を鍛えることが欠かせません。高齢者向けの筋力トレーニングを提供するフィットネスクラブを利用したり、自宅でスクワットなどをして鍛えたりするのも有効です。

脳の認知機能を維持するには、音読・手書き・簡単な計算が効果的であることが分かっています。1日1回、800字程度の文章を大きな声で音読することが脳のトレーニングになります。新聞の社説やコラムを利用するのもよいでしょう。

毎日を生き生きと過ごすためには、年金以外の収入を得ることも大切です。有業率の高い地域は、そうでない地域に比べ老人医療費が少ない傾向が見られます。生活にゆとりが生まれますし、社会とのつながりを保つこともできます。

未来を予測する最善の方法は、自らそれをつくり出すことだと思います。人間は具体的な目標があると高齢になっても潜在力を発揮できるものです。小さなことで構わないので、明確な目標を定めて挑戦してみてください。一人ひとりがスマート・エイジングを実践すれば、私たちの社会はより良いものになると信じています。

特別講演:更年期からのスマート・エイジング

近畿大学東洋医学研究所 所長・教授
東北大学医学部産婦人科 客員教授
武田 卓

近畿大学東洋医学研究所 所長・教授
東北大学医学部産婦人科 客員教授
武田 卓

ヘルスケアが大切に
機能性食品の活用も

更年期とは、月経が乱れ始め、閉経を経て、女性ホルモン(エストロゲン)がまったく分泌されなくなるまでの期間を指します。日本人女性の場合、およそ42〜56歳の期間に当たります。

更年期にはエストロゲンの分泌が減少することで、不正出血など月経の異常、のぼせなど自律神経の失調症状、不眠やイライラなどの精神神経症状など、様々な症状が出てきます。これが更年期障害です。

30代後半の女性などには、月経前症候群(PMS)がみられることがあります。月経の1〜2週間前に更年期障害に似た症状が出ますが、月経が始まると症状が解消するのが特徴です。症状は150種類以上あるとされ、日常生活に支障をきたす場合もありますので、知っておくとよいでしょう。

更年期障害はすぐに症状が出ますが、動脈硬化や骨粗しょう症などは潜在的に進行します。スマート・エイジングのためには、更年期からのヘルスケアが重要です。

更年期のヘルスケアは、規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動が基本です。代替医療や機能性食品の活用も選択肢になります。

最近は大豆イソフラボンから腸内細菌が生み出す成分エクオールに注目が集まっています。エクオールはエストロゲンと似た構造式を持っており、同じような作用が期待できるためです。具体的には更年期症状や骨粗しょう症、メタボリックシンドローム、乳がん、動脈硬化などのほか、男性の前立腺肥大や脱毛などへの効果も期待されています。エクオールをつくる腸内細菌を持たない人も多いため、エクオールを含有した大豆乳酸発酵食品を利用するのも一つの方法です。

更年期症状が重い場合は、エストロゲン製剤による薬物療法が選択肢になります。漢方治療を併用することも可能です。漢方は1剤で複数の症状を改善するため、うまく取り入れることで薬を減らせる可能性もあります。

最近は期待できる改善効果について、科学的なデータの裏付けがある漢方やサプリメントも増えてきました。これらを賢く活用し、早めのヘルスケアに取り組んでください。

ゲスト講演:健康寿命とランニング

NPO法人ニッポンランナーズ理事長
プロ・ランニングコーチ
金 哲彦

NPO法人ニッポンランナーズ理事長
プロ・ランニングコーチ
金 哲彦

無理せず、楽しく
ランニングの習慣を

健康寿命は、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を指します。日本人は平均寿命と健康寿命の間に男性で約9年間、女性で約12年間の開きがあり、健康寿命の延伸が求められています。

健康寿命を延ばすためには、生活習慣の改善が大切です。バランスの取れた食事やストレス解消などに加え、適度な運動を毎日続けることがポイントになります。

2007年の東京マラソン以降、国内のランニング人口は急増し、1000万人に迫る勢いです。15年にはフルマラソンの完走者が約58万人に達し、世界一になったとの調査結果もあります。

ランニング習慣を身に付けると生活が規則正しくなり、内臓脂肪の減少やストレス解消など様々な効果が期待できます。抗重力筋を使うリズム運動は、幸福感をもたらす脳内ホルモンのセロトニンを分泌させるといわれています。ランニングで爽快感や達成感を得られるのはそのためです。

これからランニングを始める人は、まず歩くことから始めてください。日常生活に無理なく取り入れることが長続きさせるポイントです。お気に入りのランニングウエアやシューズを身に付けると気分も盛り上がります。

適切な運動強度は個人差があるので、無茶をしないことが大切です。正しい姿勢で走ることも重要ですので、デスクワークで猫背にならないように意識するなど、普段から気を付ける必要があります。

ランニング習慣を続けるためには、走る距離にこだわりすぎないこと、痛みが出た場合は休養すること、ストレッチなど体のメンテナンスを怠らないことがポイントです。レースに出場するなど、モチベーションを維持する工夫も欠かせません。

人生の後半は「病気かもしれないが、健康でもある」状態だと思います。東洋医学でいう「未病」かもしれませんが、健康でもあると言えるだけの生活習慣を持つことが肝心です。毎日のウオーキングに加え、週に2〜3回、毎回30分はジョギングを楽しむ。それだけでも有用だと思います。ぜひ挑戦してください。

会場では協賛各社がPRブースを出展、来場者に自社の商品・サービスを紹介した

健康と美容をサポートする成分『エクオール』でスマート・エイジングを!

大塚製薬
ニュートラシューティカルズ事業部
女性の健康推進プロジェクト リーダー
西山和枝

大塚製薬
ニュートラシューティカルズ事業部
女性の健康推進プロジェクト リーダー
西山和枝

2016年4月に女性活躍推進法が施行され、20年に女性管理職を30%にする政府目標も掲げられています。しかし、PMSや更年期症状があることで、昇進の機会を辞退する女性は少なくありません。女性の活躍を推進するためには、女性特有の体のリズムや健康問題を企業も理解することが大切です。当社は企業への出張セミナーなどを通じ、正しい知識の啓蒙に努めています。

PRブースでは長蛇の列ができ関心の高さを伺わせた

近年、女性の健康と美容をサポートする成分としてエクオールが注目を集めています。エストロゲンと似た働きをすることから、更年期症状の緩和や目尻のシワの面積を抑制するなどが期待されています。

健康寿命の延伸のためには、スマート・エイジングが重要です。女性がいつまでも健康で、生き生きと活躍できれば、日本という国も輝いていけるはず。セルフケアの選択肢の一つとして、エクオールなど健康と美容をサポートする成分を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。