スペシャルインタビュー 元サッカー日本代表監督 FC今治オーナー 岡田 武史氏

 本タイトルの「夢」は、岡田武史氏が今治にかける思いを込めた直筆の書である。岡田氏の見つめるその先の夢を語ってもらった。さらに投資でかなえる夢のために何が必要なのか?いまやるべき資産形成のカタチを探る。(本コンテンツは2018年10月4日付、日本経済新聞(朝刊)で広告特集として掲載したものです)

日本が世界で勝つための
プレーの「型」が必要だった

 2014年に愛媛県今治市の「FC今治」のオーナーになった岡田武史氏。サッカー日本代表監督まで務めた岡田氏がなぜ今治でチームづくりをしようと思ったのか。そこには長いスパンで先を見通したあるビジョンがあった。サッカーにとどまることなく広がる岡田氏の「夢」に迫る。

コーチと議論重ね「岡田メソッド」作成

 FC今治では、これまで日本のサッカーにはなかったプレーの原則となる「型」を育成で教えています。

 サッカーの本場、欧州では16歳になるまでにプレーの原則をしっかりたたき込まれます。その型を習得しているからこそ、自由な発想でプレーができる。つまり、その原則がどんな状況でも判断できるよりどころになっているんです。一方で日本では、子どもの頃は自由にプレーをさせておいて、高校生になって初めて戦術を教える。だから日本代表の外国人監督に「日本の選手は指示されたことはできても、自己判断ができない」と言われるのではないかと思ったわけです。

 以前、知り合いのFCバルセロナのコーチからプレーモデルを見せてもらう機会がありました。すると、日本では単に「縦パス」と呼ぶパスが数種類もあって、それぞれ名称が違うのです。子どものうちに細かく覚え込ませるんです。そこで私は日本独自の原則集「岡田メソッド」をつくり、FC今治で実践してみようと考えました。

 FC今治ではコーチたちと練習後に毎晩議論を繰り返しました。当初1年での完成を目指していましたが、結局3年かかりました。

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 日本のプレーヤーが世界で勝つための原則を学んだ場合、その原則は約80。それを16歳までにしっかりと教え込む。その答えが出るのは10年後です。

 そうやってJリーグで優勝争いできるチームを10年でつくろうという思いで、4年前に今治市に移住しました。ところが街の中心街の交差点に立つと更地が目立ち、商店街には人がいないのを目の当たりにしました。これではFC今治が成功してもチームが立つ場所がなくなると危機感を覚えたのです。そこでサッカーと一緒に今治の街も元気にしたいと考えるようになりました。

 考えたのが「今治モデル」。まずは市内のサッカー少年団、中学校、高校の先生全員と会い、「コーチは無償で派遣するので、みんなで1つのピラミッドをつくりましょう」と岡田メソッドを無償で共有しました。

 ピラミッドの頂点であるFC今治が面白いサッカーをして強くなれば、全国から若者や子どもが今治に集まる。指導者もアジア各国から勉強しに来る。そういう人たちが地元の年配の方のお宅にホームステイすれば、例えばおばあちゃんがスポーツ選手向けの料理を勉強したり、おじいちゃんが英会話を始めたり、子どもたちが買い物を手伝ったりする。そんなことを通じて、気付けば人口16万人の街が活気あるコスモポリタンになっているのではないかと。

 でも、サッカーだけではせいぜい数百人しか来ません。そこで「複合型スマートスタジアム」の建設を提案しました。

 将来、J2、J1と上がっていけば1万5千人が収容できる規模のスタジアムを建てなければいけません。そこを試合のときだけでなく、一年中人が集まるような複合型の施設にしようという提案です。

 トレーニングセンターやデータセンターを設置する。地元の医大の診療施設も造り、ホテルも併設することで、トップアスリートが体の状態をチェックしてデータ分析し、トレーニング指導も受けられる施設にする。そのほかにもダンス教室があったり、温泉や飲食店があったりと、スタジアムを拠点に多くの人が集まるのではないかと考えたわけです。当初は単なる夢物語として語っていましたが、少しずつ可能性を感じる動きになってきました。

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