第13回 上場企業と個人投資家の対話の場 日経IR・投資フェア2018 有力運用会社によるパネルディスカッション 好業績の日本企業に増配期待

 米中の貿易摩擦問題などによって上値の重い展開が続く日本株市場だが、これからの先行きはどうか。8月31日、9月1日に東京ビッグサイト(東京・有明)で開催された「第13回 日経IR・投資フェア2018」(主催=日本経済新聞社)のパネルディスカッションでは、有力運用会社の運用責任者が日本株市場の見通しなどを語り合った。(本コンテンツは2018年9月26日付、日本経済新聞(朝刊)で広告特集として掲載したものです)

長期スタンスの株式投資で大きな成果を得る パネリスト インベスコ・アセット・マネジメント
取締役運用本部長 兼 チーフ・インベストメント・オフィサー 小澤大二
日興アセットマネジメント 常務執行役員 兼 CIO-ジャパン 辻村裕樹
フィデリティ投信 取締役副社長 運用本部長 最高投資責任者(CIO) 丸山隆志
三菱UFJ国際投信 株式運用部長 小西一陽

世界経済は高成長の見通し 日米欧の企業業績も拡大基調

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インベスコ・アセット・マネジメント
取締役運用本部長 兼
チーフ・インベストメント・オフィサー
小澤大二

 ——日本株の現状をどう見ているか。

 小澤 世界経済のモメンタム(勢い)は、2017年後半からピークアウトしつつある。日本経済も製造業などの生産動向を指数化した鉱工業生産指数はモメンタムが鈍化し、景気ウォッチャー調査も景況感の悪化を示している。世界経済、日本経済ともに調整局面にあるようだ。ただし、経済協力開発機構(OECD)先行指数では中国は反転し、インドは力強い上昇を示している。米中の貿易戦争が激化しなければ世界経済の減速は一時的な調整で終わるのではないか。

 辻村 主要国で、年初から株価が上昇しているのは米国のみである。これは過去20年間で初めての現象で、投資マネーが一極集中している状態だ。米国が貿易戦争の主導権を握っているからであろう。日本企業の業績は好調で、貿易戦争の問題にめどがつけば、日本の株式市場にも投資マネーが戻ってくると見ている。

 丸山 資本財株が今年大きく売り込まれているが、資本財株価と相関が高い工作機械受注統計を見ると、17年末の受注額は前年同月比48%増だったが、直近では5%増にまで落ち込んでいる(8月速報値)。今後の株式市場は、循環要因と構造要因、そして政治要因の3つの要因で決まる。米中貿易戦争などの懸念がある中で資本財株がどこでリバウンドするかに注目している。

 小西 世界経済は足元では減速感が出ているが、世界の国内総生産(GDP)成長率は18年、19年ともに3.9%の予想と高い成長が見込まれている。日本経済もアベノミクスによる雇用拡大が消費安定に寄与し、景気を支えている。

 世界の企業業績予想を見ると、日本や米国、欧州は拡大基調にある。実際に日本企業では収益は安定拡大し、資本効率は改善している。好調な企業業績を反映した増配が期待できる。

大変革の時代を味方に
成長できる企業を探す時
(小澤氏)

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フィデリティ投信
取締役副社長 運用本部長
最高投資責任者(CIO)
丸山隆志

 ——相場の先行きを展望するうえでのポイントは。

 丸山 成長機会が日本市場にしかなかった企業が海外進出し、現地でも成長機会を得た時が投資のチャンスになる。では、どの段階が大きな投資のチャンスになるのか。これまでは、海外売上高比率が20~30%を超えると株価が大きく上昇する銘柄が多かった。顧客に独自の価値を提供し、海外でも通用するような製品・サービスを持っている企業をいち早く見つけることができれば、大きな成長の果実を手に入れられるだろう。

 小澤 日本の輸出依存度はそれほど高くないが、世界経済とは密に連動している。理由はすそ野の広い製造業の輸出が大きいからだ。例えば自動車の輸出が2兆円減少すると、日本の国内経済には5兆円ものマイナスのインパクトがある。かつてと違い、すでに日本は一般製品のモノづくり大国ではなくなっており、これからは付加価値の高い独自の製品・サービスを提供するビジネスモデルへの転換が求められている。デジタル化やAIなどで世界は大転換期にきており、今の大企業が現状のままでいられるわけではない。大変革の時代を味方にし、成長できる企業を探す時だ。

パネルディスカッションの様子。
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