挑戦者の原動力 スカイライン特別企画

ジンズ社長 田中 仁さん 去年より今年、今年より来年―。自分の成長を感じられる挑戦は楽しい

 「メガネの民主化」を宣言し「JINS(ジンズ)」ブランドを立ち上げたジンズ社長の田中仁さんは、目の前に山があると登りたくなる性分と自らを分析する。視力を矯正する道具にとどまらず、さまざまな機能を持たせることでメガネの可能性を広げてきた田中さんに、これまでの挑戦の意味、50歳をきっかけに始めた地域活性化活動の真意などを聞いた。

勝機を見いだしたら、まず行動「メガネの民主化」を実現

 アイウエア事業をスタートしたのは38歳のときです。韓国で、3000円ほどのメガネを日本人観光客が一人で数本まとめて購入しているのを目にし、大きな衝撃を受けました。今から十数年前の日本ではメガネは数万円が当たり前でしたし、頻繁に買い替えられるものではありませんでした。ただ、業界全体が高止まりしていましたから、価格を下げて新しい文化をつくれば「勝てる」と確信しました。

 「メガネの民主化」を宣言し、異業種から新規参入した若い企業に対し、周りの風当たりは強かったですね。レンズ会社もフレーム会社も商品をなかなか卸してくれませんでした。しかし「勝てる」と確信していた私は、古い商習慣にとらわれず、製造から販売まで一貫して自社で行うSPA(製造小売り)に踏み切り、「JINS」ブランドを立ち上げたのです。

 不思議ですよね。当時も年に数百万もの日本人が韓国に行っていたし、その中にはビジネスマンも大勢いたはずなのに、新しいメガネビジネスを始めたのは私だけです。気づいてはいたかもしれませんが、既成概念から脱皮できず、自分で実行するところまでは行かなかった。どんなビジネスでも、勝機を見いだしたら考えているだけではだめ。行動しなれば何も始まりません。

会社の存在意義を突き詰めビジョンを明確に示し成長

 大きな節目になったのは、JINSブランドを再構築したときです。私たちと同じようなメガネビジネスを展開する企業が増え、競争が激化しました。業界の同質化により、一時業績が低迷しました。どう起死回生し、新しい成長につなげるか――。その時が一番苦しかったですね。

 必死に、もがいて、もがいてたどり着いたのが「Magnify Life(マグニファイ・ライフ)」というビジョンです。単に売り上げや利益を追求するのではなく、人々の人生を拡大し豊かにする製品やサービスを提供したいとの思いを込めています。具体的に3つの行動指針を掲げました。1つはプログレッシブ。既存の仕事を繰り返すのではなく、新しいやり方・仕組みをつくろうという意味です。2つ目はインスパイアリングで、自分たちの活動がお客さま含め社員同士互いに刺激を与えるような言動を心がけようという趣旨です。3つ目がオネスト。誠実さ、正直さは事業活動の根幹です。

 実際ここ数年間の業績を同業他社と比較してみると、明確に数字に表れています。会社は何のために存在し、我々は何のために仕事をしているのかを徹底的に突き詰め、明確にビジョンとして示したことで、私自身も会社も大きく変われたのです。

挑戦すると成功する確率は高い気がします。

「日本は周りから逸脱することを避ける文化があるので、新しいことに挑戦する人は少ないですよね。だからこそ、挑戦すると成功する確率は高い気がします。挑戦していると目立つから“そういう人がうちの課に欲しい”となる。群馬での地域活性化活動でも“出る杭、求む!”といつも言っています」(田中さん)

田中さんを支えるもの メガネ型ウエアラブルデバイス

「テクノロジーを扱っていない会社がIoT(モノのインターネット)製品を生み出すことはとても大変なことでした。社員も周囲の人たちも相当驚いたし、反対する声もありました。けれども私たちは、常に新しいライフスタイルを創出していきたい。この『JINS MEME(ジンズ・ミーム)』自体が我々にとっての大きなチャレンジです」(田中さん)

挑戦することで、自分自身を知ることができる

 挑戦と言うとすごく難しく聞こえますが、思いきって一歩を踏み出してみるとそれほど大層なことではないと思います。人は変化を本能的に嫌います。できれば同じ日々の繰り返しの方が楽だし安心できる。新しく何かを始めることに対しては身構えるものです。しかし、構えることなく前向きに楽しんで、受け入れる意識に変えてみる。それが挑戦を始めることにつながります。

 特に若い頃は、目の前の与えられたことを精いっぱいやるだけでも挑戦になります。面倒だな、イヤだなと食わず嫌いしていてはいけません。あえてトライしてみると、それがブレークスルーになったりするものです。挑戦とは本当に小さなことの積み重ねで、いきなりホップ・ステップ・ジャンプというようにトントン拍子にいくことはほとんどありません。

 けれども、頑張れば何でも成功するかというとそれは違います。なぜなら、人には向き不向きがあるからです。自分には合わない、どうしてもダメだと思ったら撤退すればいいんです。挑戦することで、自分の得意・不得意、自分に足りないことなど知ることができる。そういう気づきが得られるだけでも、挑戦する意味があるのではないでしょうか。

50歳で始めた地域活性化活動で、新たな気づき

 50歳という節目を迎え、自分や自分の会社のためだけにエネルギーを使うのではなく、社会に還元する活動をしたいと考えるようになりました。そこで始めたのが、地元の群馬県の活性化に貢献する活動です。私自身、起業したことで一番良かったと感じている点は、自分の成長を実感できたことです。そういう機会を地元の若い人たちにも提供したいと考えています。

 地域の活性化のために始めた起業家を育成する活動ですが、面白いことに自分自身にも新たな気づきがありました。前橋市の人口は34万、群馬県は200万。一企業と比べると格段に大きい自治体という組織は、過去も含め100年、200年と続くわけです。ジンズという会社が100年先、200年先まで続くためにはどうすればいいのかと、長期的な視点を持つようになりました。我々の会社を俯瞰(ふかん)で見られるようになったのは大きな収穫でした。

 新しいことに挑んでいく面白さは、去年より今年、今年より来年というように、成長した新しい自分に出会えることです。成功するかどうかは二の次。挑戦することで得る気づきの積み重ねが、次の結果につながっていくと実感しています。私自身は、目の前に山があると登りたくなる性分ですし、経営者として挑戦せざるをえない環境でもあります。しかし挑戦するかどうかに立場や年齢は関係ない。むしろそういう環境にないときにこそ、一歩を踏み出してほしいと思います。

プロフィル ジンズ 社長

たなか・ひとし/1963年群馬県生まれ。88年ジェイアイエヌ(現:ジンズ)設立。2001年アイウエア事業「JINS」を立ち上げる。11年「EYワールド・アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー2011」世界大会に日本代表として出場。13年東京証券取引所第一部に上場。起業家支援活動「群馬イノベーションアワード」「群馬イノベーションスクール」を開始。14年田中仁財団を設立し、群馬県、前橋市の地域活性化活動を始める。同年には、慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程修了。17年4月ジンズへ社名変更。

プロフィル ジンズ 社長

column

挑戦するプレミアムセダン

常に挑戦する魂を失うことなく、時代の最先端を走り続ける日産自動車のプレミアムセダン。クルマ本来の最高のパフォーマンス、最高の走行性能にこだわり続けてきたからこそ、あえてラグジュアリーではなくプレミアムと呼ぶにふさわしいクルマたち。輝かしい歴史とDNAを受け継ぎ、新たな未来を拓(ひら)くその魅力に迫る。

スカイライン

進化の結晶が、いまここに。

世界初のステアリング制御技術、最先端の全方位運転支援システムなど、60年の挑戦を体現するスカイラインに田中さんが試乗。「ブランドが60年続くということは簡単なことではないですし、それだけ多くの人々に支持されてきた証しだと思います。昔からクルマが好きで、その中でも足回りが一番気になります。スカイラインは誕生以来走りを追求してきただけに、足回りもシートもエンジン音も心地いい。車内空間は広いにもかかわらず、運転しているとクルマの大きさを感じさせません。デザインの成せるわざですね。運転支援も充実していて、まさに至れり尽くせりなクルマではないでしょうか」(田中さん)
※2013年11月現在、日産自動車調べ「ダイレクト アダプティブ ステアリング」

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革新し続けるFUGA

セドリック、グロリアの系譜を繋ぎ、日本のプレミアムセダンの頂点から、世界の頂点へと革新の道を歩み続けるフーガ。パワフル&ハイレスポンスな走行性能と優れた環境性能を両立する、1モーター2クラッチ方式の「インテリジェント デュアル クラッチ コントロール」を採用した独自のハイブリッドシステムなど。その挑戦の全ては、人生を革新し続け、真の豊かさの価値を知るオーナーのために。

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