丹羽正一
1948年生まれ、愛知県出身。75年愛知学院大学歯学部卒業。2年間の勤務医を経て、77年、地元小牧市にて丹羽歯科医院を開院。以後40年以上にわたり地域の歯科医療に貢献している。2016年医院を新築。最新設備の導入や全室個室対応、バリアフリー化、キッズスペースの設置など、患者様一人ひとりに寄り添う歯科医院を目指し、現在も現役の歯科医師として、副院長の次男とともに日々治療にあたっている。
http://niwa-dc.com/

INTERVIEW

開院当時の小牧市は人口13万5千人に対し歯科医院が13軒しかなく、当院も歯科医師は私1人で、診察に訪れる患者様への対応で毎日が精一杯でした。それから40年がたった今では、歯科医師もスタッフも増え、患者様一人ひとりにしっかりと向き合った治療が行えるようになりました。私自身は主にインプラントの専門医として日々の治療にあたっています。これまでは比較的古くからお付き合いのある高齢の患者様が多かったのですが、2年前に医院を新築してからは、小さいお子さんや若い世代の患者様がかなり増えました。ホームページから診察の予約ができるようにしたことも大きな要因の1つだと思いますが、1歳から90歳までの幅広い年齢層の患者様さんが来て下さるようになり、うれしく思っています。

歯科医不足を痛感した時代

丹羽正一

小牧で江戸時代から続く金物屋の長男として生まれました。姉が3人おり、私は待望の長男で末っ子ということもあり、祖父母からものすごく甘やかされて育てられました。小学校の先生が将来を心配するほどやんちゃな子どもでしたね。小学1年生からそろばんをやっていたので算数は得意でしたが、5年生から友達と一緒に塾に通ったおかげで、一生懸命に勉強をするようになりました。その友達は東大法学部に進学するほど優秀だったのですが、彼が私の人生を変えてくれたのだと今でも思っています。

当時、父親が病院で薬局長の仕事をしていたので、将来は医療関係に進みたいという漠然とした希望を持っていました。ある時、虫歯がひどく痛みだし、近くの歯科医院に行ったのですが、患者様がいっぱいで受け入れられないと断られたんですね。その夜父親が、勤務する病院の歯科の先生に連絡をしたら、その先生が家に来てくれて。助けてもらってありがたいと思うのと同時に、こんなに歯科医不足では歯が痛い人は本当に困っているだろうと思い、歯科の分野に進んでみようと決意したわけです。その後、大学を卒業して歯科医師になり、最低でも5年は修行を積みたいと考えて勤務医として働いていたのですが、小牧地区の歯科医師会の会長を務めていた先生から、できるだけ早く小牧で開業してほしいと言われ、独立をしました。もともといずれはそうしたいと考えていましたので、見切り発車となりましたが、自宅の敷地内に歯科医院を開きました。

開業するとすぐにたくさんの患者様がやってきました。当初はまだ歯科医師としての経験も2年くらいで、例えば入れ歯一つとっても、本当に自分が作った入れ歯を使ってもらえるのだろうかといった不安が多々ありました。経営についてもすべてが手探り状態です。朝の9時から夜の9時まで診療をする毎日は大変でしたが、家内が毎晩マッサージをしてくれたり、いろいろと気を配ってサポートをしてくれたりして、今思うととても幸せな時間だったと思います。人間の身体の一部を診療する仕事ですので、何が起こるかわからないという難しさがありますが、それを痛感するような大きな壁にぶつかったときも、家族の支えがあったからこそ乗り越えることができました。

  • 丹羽正一
  • 丹羽正一

医者冥利に尽きる患者様の喜び

一般治療はもちろん、私の専門であるインプラントや矯正、ホワイトニング、予防歯科など、引き続き注力していきたいと考えております。その中でも特に力を入れているのが「セレック」という3Dシステムの活用です。患者様に一番合った冠(クラウン:歯全体を覆うようにかぶせる人工の歯)を作りたいと思い導入したシステムで、これにより今まで外部の技工所に依頼していたかぶせ物の製作が院内で行えるようになり、最短1日で治すことが可能になりました。金属ではなく歯のエナメル質に近い硬度のセラミック製のため、歯に対する接着性が優れており、虫歯になりにくいという特長があります。また、自然な歯の色に近いため、審美的な面からいっても患者様を幸せにする道具の一つだと思っています。

それから、初診時のカウンセリングも重視しています。歯の治療にはいくつかの選択肢がありますので、専門のカウンセラーを配置し、患者様がどういう痛みに苦しんでいるのか、どういう治療を望んでいるのかを丁寧に聞き出してもらい、それに合わせて治療を行っています。昔は痛いところだけを治してそれで終わりということが多かったのですが、今では口の中全体を診るようにしています。虫歯は自然治癒しませんから、早期発見、早期治療が何より患者様のためになります。患者様が子どもから大人に成長する過程も、大人になったその後もずっとずっと寄り添い続ける、そういったコンセプトを持った歯科医院にしたいと思っています。

どれだけ忙しくても、どれだけ時間を割いてでも、患者様の不安をできるだけ早く和らげることが、医療人としての私の仕事だと思っています。これから歯科医を目指す方にも、とてもやりがいのある仕事だよと伝えたいです。現在の歯科業界は競争が激しく、人の身体を扱う難しさもある。一概に楽しいとは言えないし、今日も無事に終わってよかったと思う毎日です。それでも、患者様から「よく噛めるようになった」「よく寝られるようになった」と言ってもらえると、本当に医者冥利に尽きますね。専門的なアドバイスはもちろん必要ですが、患者様の目線で考え、患者様に寄り添った治療ができる歯科医になっていただきたいと思います。

ページの先頭へ