小林英範
1975年生まれ、東京都出身。歯科技工士だった父の影響で歯科を志す。2000年日本歯科大学卒業。矯正専門医院での勤務を経て、日本矯正歯科学会認定医取得。現在、千葉県市川市にあるむらおか歯科矯正歯科クリニックをメインに6つの歯科クリニックで矯正治療を担当する傍ら、歯科医を対象とした講演会、執筆等でも活躍している。
https://muraoka-dentalclinic.com/

INTERVIEW

楽をすることは誰にでもできます。逆に、力いっぱい頑張ることも、誰にでもできます。余力を残しながら7割程度の力で生きることが、実はいちばん難しいことだと思っています。7割は自信を持って生き、残りの3割は不安を抱えながら生きていく方が、人間として成長する伸びしろがあると考えています。不安があるからこそ妥協できない。生きて行くうえで大切なことは、決して妥協をしないこと。それに尽きると思います。自分に負けたくないと思いながら、日々治療に取り組んでいます。

今の自分を形成した2人の「父」の存在

小林英範

小さい頃は人と接することが苦手で、あまりしゃべらない子どもでした。細かい作業が得意で、ものを作ることが好きでしたね。父親が歯科技工士でしたので、無意識のうちに歯科に興味を持っていたように思います。しかし、父に憧れていたのかというと、そうではなく。父が白と言えば黒いものでも白になるような昔ながらの亭主関白の家で、子どもながらにそれは違うと感じていました。頭ごなしに押さえつけられるのがいやだったので、今、自分の家族やスタッフにはそれと正反対のことをしています。いわゆる反面教師ですね。ですが、今でも父の存在は自分の中で大きな比重を占めていると感じています。

大学入学後、さまざまな実習を経験する中でいちばん自分に向いていると思ったのが矯正でした。細かい作業が多いこと、歯列をきれいするということが自分の性格的にも合っていると感じましたし、何よりその特殊性がおもしろいなと。また、矯正は自由診療なので、納得できる治療をするために時間を長く取るなど、自分の裁量で行えるところも合っていると思いました。一般歯科を診療しながら矯正をすることもできるのですが、矯正は治療期間も長く、一人ひとりの患者に対するフォローが重要なんですね。より多くの症例を知り、より多くの経験を積んでいないとなかなか治療の見極めが難しい。矯正を専門とする歯科医であることが患者の安心にもつながると思い、大学卒業後、研修医、勤務医を経て、日本矯正歯科学会認定医となりました。

大学を卒業するとすぐ「先生」と呼ばれる立場になり、最初はどうやって患者に接したらいいのかわからず不安しかありませんでした。もともと口数が少なかったのもあり、相手に自分が意図するところとは違うようにとられることも多々ありました。それが改善されたのは、現在私が勤務しているむらおか歯科の院長である、妻の父の影響が大きいです。最初に義父の診療を見た時は本当に圧倒されました。患者さんに対し、そこまでくだけて話をしていいんだと。規格外のように思えるけれど、自分のポリシーがあって、筋が通っている。そして患者さんも付いてきている。そこからなんでも義父のマネをするようになりました。歯型を取るときの姿勢から患者さんと話すタイミング、話す内容まで、義父とまったく同じようにやっているうちに誰とでも明るく話をすることができるようになりました。仕事の上でもプライベートでも、義父が私の目標でしたね。

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地域に根ざした歯科診療を引き継ぐ

矯正専門医として、治療内容はもちろん患者さんとのコミュニケ―ションを何よりも大切にしようと心がけています。どれだけ経験を積んでも、患者一人ひとりそれぞれ症状は異なりますので、常に不安は抱えています。その不安を取り除くために全力を尽くしたい。治療方針についてもこちらの考えを押し付けるのではなく、さまざまなプランを提示して患者さんとよく話し合うことで、一つひとつの不安を解消しています。不安があるからこそ最善を尽くすことができるのだと思いますね。また、どんなに忙しくても必ず患者さんに声をかけるようにしています。たとえ2、3秒の会話でも、しゃべらないと相手に気持ちは伝わりませんし、それが信頼関係の構築につながると考えています。

患者さんが少しでも楽になったらという思いから、むらおか歯科で矯正治療を行っている患者さんを対象に、無料送迎バスのサービスを開始しました。最寄り駅から歩いて20分以上かかるのですが、それでも遠方から通ってくれる方がたくさんいて。これからは駅から遠い立地であることも強みにできたらと思っています。

また、医療の質の向上を図り、2018年秋に全面リニューアルをする予定です。口の中をさまざまな角度から撮影できる歯科用CTや、ヨーロッパ規格の「クラスB」に準拠した滅菌器を導入するほか、診療台を増設してプライバシーに配慮した個室からファミリールームまでを完備するなど、より患者さんに喜んでもらえる医療を提供したいと考えています。さらに、待ち時間に子どもたちが勉強できるような机を設置したり、受付スタッフや歯科衛生士の制服にカジュアルなファストファッションを取り入れたりして、よりアットホームな雰囲気のクリニックを目指します。義父が市川に開院してから約40年になりますが、これからも地域に根ざした歯科診療をしっかりと引き継いでいきたいと思っています。

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