兼光和人
1976年大阪生まれ。私立箕面自由学園高等学校卒業後、コンピュータ関連の専門学校に進むも4カ月で退学。20歳で駐車場関連会社に就職する。その後、立体駐車場メンテナンス会社へ転職し、28歳で取締役に就任。06年に独立を決意し、日本駐車場メンテナンスを設立。厳しい競争が展開される駐車場業界において急成長を続け、現在では海外進出も視野に事業を拡充。
http://www.jpm.vc/

INTERVIEW

40歳を迎えた時に、改めて自分の半生を振り返ってみると、若い頃に抱いていた信念は何一つ変わっていないことに気づかされます。逆に歳を重ねていくにつれ変わったことといえば、心が強くなっていったことではないでしょうか。若い頃からたくさんの失敗や経験を積み重ねたからこそ、強い心を持つことができたんだと思います。ある時はどん底の状況の中で人に助けられ、またある時は必死に自己反省をする。そんな繰り返しの中から新たな道を見つけて今日までやってきました。失敗をただの恥だと思うか、成長や成功の糧と捉えるかは自分次第。どんな逆境であっても、人生は変わっていくものだと信じています。

人とのつながりを大切に

兼光和人

当社の特長は、お客様とともに駐車場を管理・経営していくというシステムで安定した収益を確保してきたこと。こうしたアイデアに行き着いたのは、私に特別な発想力があったからではなく、当たり前のことを当たり前にできるようになったからにすぎません。 高校卒業後、コンピュータ関連の専門学校に入学しましたが、たった4カ月で退学。親にも勘当され、それからしばらくは3つのアルバイトを掛け持ちする日々を送っていました。20歳になる頃にはそんな自分の将来に不安を感じ、新聞の折り込みチラシから求人を探して就職。それが駐車場業界に入ったきっかけでした。その後、機械式駐車場の販売会社に転職し、さらに仕事の楽しさにのめり込んでいったんです。

しかし転機が訪れたのは28歳の時でした。当時は会社の年商も9倍近くに上がり、その実績が買われて取締役を任されていたほど。そんな時、同じ会社で汗を流してきた中学時代からの旧友が、ある事情で辞職に追い込まれることになったんです。そして、私も彼と一緒に辞職し、起業する決意を固めました。「そんなことで取締役を辞任してまで会社を辞める必要があるのか?」と思うかもしれませんが、彼は私にとって心から信頼のおける人であり、絶対に私を裏切らないと確信を持てる人。その彼というのが、今の当社の専務です。 私にとって仕事とは、人が全て。だから自分を裏切らない人間がいれば、自分も裏切りたくない。何よりも人とのつながりを大切にしていきたいと考えています。

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社員と本音で向き合う

会社を設立してからは、一流の技術やノウハウを持った、一癖も二癖もある個性的な面々が集まりました。そんな強烈な連中を仕切るためには、会社を完全な縦割り組織にするしかありません。私はそう思い、会社にとっての王様に徹しました。しかし当時は離職率も高く、原因不明の出費もかさみ、組織として一丸になれずに不穏な状況が続きました。経営者である私と社員の間に溝が生まれてしまい、対話が圧倒的に足りていなかったんです。それからというもの、社員との対話を重視し、たとえ言い争いになるようなことがあっても、社員の心からの本音を知ることが重要だと気づきました。また同時に、それまで会社を自分本位で経営し、それがいかに悪影響を及ぼしていたのかということに気付かされたんです。そしてその反省を糧に、社員との向き合い方だけでなく、人を正当に評価していくこと、ちゃんと人の意見を認めていく意識を持つようになっていきました。

今、在籍する社員はみんな非常に素晴らしい人材ばかり。当社に骨を埋めてくれようとする社員も増えました。本当にうれしいかぎりです。ただ実直に、当たり前のことは当たり前にやってきただけですが、そうやって人に恵まれてきたからこそ、会社を成長させることができたのだと思っています。だから当社の一番の強みを挙げるとすれば、人ということになるでしょう。

つまり自分の使命は、従業員を家族のように大切にすることだと思っています。以前の私は、利益を生まない会社など潰れてもいいと考えていましたが、会社は自分の命より大事なもの。会社がなければ今の社員との出会いもありませんでしたから。 若い人たちに申し上げたいのは、恐れや恥ずかしさをものともせず、たとえ失敗と隣り合わせの仕事であっても、挑戦してほしいということです。そうした試みこそが心を強くするでしょう。なぜなら私も過去の多くの失敗があるからこそ、現在の自分があるといえるからです。そして、そうやって得た強さと経験を次の世代の若者へと伝えてあげてください。それこそがたった一度の人生を生きる意義だと思っています。

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