廣谷旭
1974年生まれ、奈良県出身。大阪電子専門学校卒業後、金融系企業に入社、その後大手人材会社に転職。日本は自動車先進国にもかかわらず、自動車整備士が減少していることに着目し、2005年レソリューションを設立。自動車整備士に特化した人材派遣で全国に拠点を持つ。
https://www.resolution.co.jp/

INTERVIEW

当社は自動車整備士に専門特化した人材派遣業をメインに行っています。派遣で働くというと一般的には非正規雇用や低賃金などといったイメージを持たれる方も多いと思いますが、当社に所属する自動車整備士は皆、高い技術を持ったスペシャリストです。給与面や福利厚生などもその価値に見合った高い水準で待遇しています。そのことが業界内で徐々に浸透し、近年はより優秀な人材が集まるようになってきました。年収が1000万円を超えるメカニックも多数在籍しています。

人と企業を結ぶという仕事に、大きな感銘を受ける

廣谷旭

金融関係に勤めていた姉と兄の影響から、最初の就職は二人と同じ道を選びました。しかし、それまでに自分が抱いていたイメージと大きく違っていた部分があり、この仕事を一生続けることができるかどうかを考えた時に、疑念を感じ、転職を決意しました。せっかくの機会ですので、いろいろな業界を調べ、いろいろな会社を見てみようと思い、何十社と受けた中で出会ったのが、前職の派遣会社でした。

自分が何者で何になりたいのか、そのために何をしていかないといけないのか、漠然としたものしかわかっていない中での転職活動は非常に困難でした。そのためその延長線上で、求職者のお世話をする一方、人材を探している企業のお手伝いもするという仕事に大きな感銘を受けたことが、この業界に携わるようになった最初のきっかけです。

その会社は業界でも大手の派遣会社だったのですが、金融時代に身につけた確実に契約に結びつける営業力が役に立ち、子会社の社長を任せていただくまでになりました。任される事業の大きさや社員数の多さなどは誇らしいものがあり、大変やりがいを感じていたのですが、2年周期で別の子会社へ異動をするという制度だったのです。癒着不正を防ぐということが大きな理由で私自身も納得はしていたのですが、手塩にかけて育てた愛着のある事業を次の方にバトンタッチをするということがとても残念でならなかった。自分の生涯をかけて社員たちと関わっていきたいという思いも生まれ、次第に自分で派遣会社をやってみたいという気持ちに変わっていきました。

その後、一緒について行くといってくれた優秀な仲間たちとともに会社を立ち上げました。仲間の気持ちをとてもうれしく思った半面、お金もなく、成功するかどうかもわからないのに自分に背負えるのか、もし失敗したら、という不安もありました。失敗はしない、我々はもう二度と転職はしないという思いから、社名を「レソリューション(=決意)」として船出しました。

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メカニックに特化した人材派遣で自動車産業を支える

日本の産業分布図で考えたときに従事する人が一番多いのが自動車産業で、その分野に特化した人材派遣は未開拓であったことから、確信をもってこの事業に取り組んできました。自動車整備士のような素晴らしい仕事は他にはないと思っています。また、私たちにとって派遣で働くということは決して悪いことではなく、むしろ雇用のミスマッチを防ぐことができるなどの大きなメリットがあると考えています。メカニックは派遣先の企業で正社員になるのか、引き続き当社の社員として派遣先で働くかという2つの選択肢があり、どちらを選択した場合でも、しっかりと考えた上で出した結論です。だからその後も辞めることなく定着して働いていけるということが、私たちの考える派遣の形であり、当社の一番の特色です。

国家資格を取得した自動車整備士に特化しているので、ある程度の技術の保証はできます。ただ、メカニック一人ひとりに個性があり、経験値もそれぞれ異なるため、例えば社会人経験が少ない方には、派遣先で評価をされる人材になるための教育も行っています。その中で、改善の必要性に自ら気がついた方は、加速度的に成長をしていきます。その過程をお手伝いすることにも大きなやりがいを感じています。派遣先の企業から「思っていた以上の人が来てくれて本当によかった」という言葉をいただくと、とてもうれしく、誇らしい気持ちになりますね。

現在、メカニックの数は人口に比例して減少傾向にあり、10年前と比べると約半分程度になっています。自動車業界ではメカニック不足で人材集めに苦労している企業も多いことから、まずはメカニックを目指す学生そのものを増やすお手伝いがしたい。そのための自動車整備の専門学校を作りたいと考えています。当然、学校運営のノウハウもなく、我々にとっては未知の挑戦になるのですが、この問題を解決し、業界全体の底上げを図るためにも、我々もこの分野を勉強していかなくてはならないと思っています。簡単なことではないのは重々承知の上でチャレンジしたい。また、子どもの頃にメカニックや自動車に興味を持ってもらえるような機会を多く提供し、認知度を上げていくことも大事だと考えています。

メカニックを目指す方々には、貧しいから、年齢が高いから、自分に自信がないからなどと諦めずに、夢に向かってぜひ挑戦してもらいたいですね。向き不向きではなく、とにかく前向きに取り組むんだという気持ちで、がんばってほしいと思います。

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