叶える人、叶える技術。明電舎

蛇口をひねると当たり前のように出る水、毎日の移動を支える電車や自動車、昨日観たコンサートを盛り上げる光の演出。

そんな私たちの生活やビジネスのすぐそばに存在し、日常を支える社会インフラ。一人ひとりの暮らしを守り、世界の発展の礎となる。その社会インフラを120年前から電気の技術で支え続けているのが、「明電舎」だ。

今回の日経電子版タイアップ広告シリーズでは、人と技術で世界中の社会課題と向き合い、世の中の動きを支える明電グループの知られざる姿をリポートする。

powered by MEIDEN
scroll

鉄道の安全・安定輸送をめざして/明電舎:日経電子版

scroll
提供:明電舎

蛇口をひねると当たり前のように出る水、毎日の移動を支える電車や自動車、昨日観たコンサートを盛り上げる光の演出。

そんな私たちの生活やビジネスのすぐそばに存在し、日常を支える社会インフラ。一人ひとりの暮らしを守り、世界の発展の礎となる。その社会インフラを120年前から電気の技術で支え続けているのが、「明電舎」だ。

今回の日経電子版タイアップ広告シリーズでは、人と技術で世界中の社会課題と向き合い、世の中の動きを支える明電グループの知られざる姿をリポートする。

powered by MEIDEN

Stage4 鉄道の安全・安定輸送をめざして 鉄道電化が1000kmに及ぶマレーシア架線トラブルの悩みを解決する切り札

世界の成長センターとなったアジア。ASEAN(東南アジア諸国連合)各国では経済成長に比例するように、社会インフラの整備が加速している。人や貨物を大量輸送し、道路の渋滞を緩和する鉄道網の整備もその一つ。ただ路線を拡充、整備するだけでなく、安全・安定輸送を実現するには整備後の精度の高い保守・メンテナンスも必要になる。この課題を解決するための独自技術を持つのが明電舎だ。人々の希望を乗せる鉄道の発展に、彼らの技術はどう生かされているのか。ASEAN有数の大都市、マレーシアのクアラルンプール(KL)で取材した。

老久保 敦
MEIDEN MALAYSIA SDN. BHD.
KVMRT Project
老久保 敦

「カメラや各種センサーを使い、走行しながら架線の状態を検測します」。KL市内にあるマレーシア鉄道公社(KTMB)の保守基地。熱帯の強い日差しの中、明電マレーシアで電鉄システム事業のプロジェクトマネジャーを務める老久保敦は額に汗をにじませながら、車両の屋根上に取り付けられた装置の説明を始めた。「検測」は保守などで使われる用語で、文字通り検査と測定を意味する。電力を車両に供給する架線は電車のパンタグラフと接しているため、経年で摩耗や離線などの劣化が進む。これらは設備の故障や事故の原因にもなるため、架線の状況を定期的に監視、メンテナンスすることは鉄道の安全・安定輸送には欠かせないものだ。

明電舎はKLを横断する都市交通システム「KVMRT※1」の電力設備を2012年に単独受注し、その契約の一環である産業技術協同プログラム(ICP)※2 として、2017年架線検測装置「カテナリーアイ」1セットをKTMBに無償で納入した。カテナリーアイは、目視と手作業で行われていた架線の検測を高効率かつ高精度に行うことができる製品だ。KTMBはその性能を高く評価し、1年もたたないうちに6セットの本格導入を決めた。

検測車両の屋根上に取り付けられた検測機器。
カメラとレーザーセンサーを搭載し、走行しながら架線の状態を検測。
屋根上の検測機器と連動したPCを車両内に設定し、測定データを収集。

KTMBが短期間でカテナリーアイを評価した背景には、急速な鉄道の発展がある。「陸上輸送における鉄道の役割は年々大きくなっています。KTMBの電化路線は今や1000kmに達します」(老久保)。架線トラブルを防止し、鉄道の安定輸送を維持することは経済成長のためにも欠かせない。カテナリーアイはマレーシアの鉄道をさらに発展させる切り札といえる。

※1KVMRT:クランバレー大量高速輸送システム=Klang Valley Mass Rapid Transit(KVMRT), 首都クアラルンプールを東西51kmにわたって横断する都市交通システム。2017年7月17日に全線開通した。

※2産業技術協同プログラム(ICP):マレーシア大型プロジェクトで規定されているプログラムで契約金額に応じて相当するシステム・サービスなどをルールに基づいてマレーシア国家に還元するもの。Ministry of Finance(MOF)の政策主体のもと、Technology Depository Agency Berhad(TDA)が実施している。

産業機器で培った画像認識
技術を活用
架線検測の
スピードは目視の240倍に

目視と手作業で行う従来の検測作業は、2kmの点検に約8時間を要するが、車両搭載型のカテナリーアイは走行しながらの検測が可能。明電舎がマレーシアに納入したタイプは時速60kmの検測に対応するため、仮に8時間稼動すれば480kmの区間を点検できる。単純計算で、検測のスピードは目視の240倍になる※3。

「カテナリーアイは架線の状態を、画像処理で数値化したチャートを表示する機能と、そのチャートに対応する画像をズレなく表示する機能を併せ持つことが最大の特長です」。電鉄システム事業部技術部副部長の村松勝は機能面の優位性を強調する。「チャートでは数値で架線の異常箇所を見つけられますが、あくまで数値データですので、最終的には現場に行って目視でその部分の状態を確認する必要があります。一方、撮影した画像があれば現場に行かなくても架線の状態を確認できますが、それだけでは数値で異常を検出することができません」。高速で移動しながら検測区間の数値と画像、両方のデータを収集する機能を備えることで初めて、遠隔地にいても架線の状態を正確に把握することが可能になり、保守の精度・効率を高めることにつながった。

村松 勝
(株)明電舎
電鉄システム事業部 技術部
村松 勝
走行しながら検測し、異常の検出を行う
撮影した画像(左)と数値化した検測結果(右)。画像と数値をズレなく確認することが可能。
※画像はイメージ

カテナリーアイの開発に生かされたのは精密に組み立て位置を把握する産業用機器などの技術だ。
 加えて「フィリップ・コトラー氏の『イノベーションのAtoF』モデルを長期にわたって実践したことが結果につながった」と村松はその歴史を振り返る。イノベーションを担う各分野のスペシャリストの活躍で、技術確立・製品化が実現した。

※3実際に検測が行われるのは、電車の運行が止まる終電営業終了から始発営業開始前の数時間。8時間連続で稼働できるわけではない。

九州新幹線から
始まった実用化
AI活用でさらなる進化も

カテナリーアイの実用化は2004年に鹿児島ルートが開通した九州新幹線から始まった。九州新幹線の最高速度はおよそ時速260km。営業車両に搭載され、営業ダイヤの運行中に架線検測が実施できるため、効率的な保守管理が可能だ。その後、国内の私鉄を中心に採用が広がった。

マレーシアの国土公共交通委員(SPAD)と今後の方向性について意見交換

実用化後も進化を続けている。初号機では現在標準の検測項目として位置づけている架線の摩耗検測がなく、高さや偏位など検測項目は6項目だったが、最新型では架線とパンタグラフが接触する力の変化など16項目以上に対応する。将来的には架線をつるすための器具や絶縁機能を担う碍子(がいし)など、カメラで補足できる周辺設備はすべて検測の対象にすることも視野に入れる。さらに村松は「人工知能(AI)を導入して、ディープラーニング(深層学習)を用いた設備診断も実用化したいと考えています」と言う。

鉄道先進国の日本で普及したカテナリーアイは海外での導入も進み始めている。マレーシアのほか既に中国、台湾、シンガポールで採用された。電鉄システム事業部営業部主任の小島直人は「アジアを中心に現在も海外からの引き合いが続いています。海外の鉄道事業者からホームページに問い合わせがくることもあります」と話す。

もちろん受注までの道のりは平たんではない。性能面で優れるカテナリーアイだが、海外案件では価格面の対応や構成部品の国産比率など、応札条件があるケースもある。小島は「このような障壁をどのようにクリアしていくかが今後の課題です」と言う。いいものだから採用してもらえるとは限らない。それでも小島は「実績を重ねることで認められる部分はあります。将来は鉄道の発祥の地である欧州への導入も目指したい」と目を輝かす。

小島 直人
(株)明電舎
電鉄システム事業部 営業部
小島 直人

まとめ

電気鉄道は100年を越える歴史を持ち、国や地域、都市の発展に必要な重要インフラだ。人々が安心して暮らし、企業が長く活動するためにも欠かせない。20代から30年以上アジアの電鉄システム事業にかかわってきた老久保は、「納入後のメンテナンスも含め、長期にわたって現地の鉄道発展に寄与していきたい」と話す。明電舎にはこれからも、日本発の技術で新興国の未来に貢献することが期待されている。

電鉄用システム 架線検測装置

電鉄用システム 架線検測装置

用語解説

鉄道の進化と架線
電気鉄道では車両の性能向上だけでは営業運転の高速化は実現しない。高速で運転することで架線とパンタグラフの接触は不安定となり、車両への安定的な電力供給に影響がでかねない。パンタグラフが離線すれば架線との間に放電現象が起き、架線の劣化を早めることにもなる。電鉄の高速運転を実現するため、車両性能とともに架線設備の進化も図られてきた。加えて、架線の劣化を見落とさない日々の検測精度も求められる。一見、すべて同じような架線設備の設置と検測には、鉄道の長い歴史の中で築き上げられてきたノウハウが詰まっている。
※敬称略