jpx
先物・オプション投資の魅力 日経225先物・TOPIX先物取引開始30周年

先物・オプション投資の魅力 日経225先物・TOPIX先物取引開始30周年

現物とは異なる収益機会として注目が高まる先物・オプション取引。
個人投資家の参加も拡大する先物・オプション取引の魅力や投資戦略を紹介する。

先物・オプション取扱い会社(社名五十音順)

  • 安藤証券
  • 岩井コスモ証券
  • インタラクティブ・ブローカーズ
  • SBI証券
  • 岡三オンライン証券
  • カブドットコム証券
  • 光世証券
  • GMOクリック証券
  • 日産証券
  • フィリップ証券
  • 松井証券
  • マネックス証券
  • むさし証券
  • ライブスター証券
  • 楽天証券
  • 日経平均VIから導く日経225オプションの
    権利行使価格について(2)

    工藤 正剛
    フィリップ証券 カスタマーサービス部 副部長
    2018年9月14日

    工藤 正剛氏 フィリップ証券 カスタマーサービス部 副部長
    工藤 正剛氏
    フィリップ証券 カスタマーサービス部 副部長

    前回は日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)の変動に応じた、日経225オプションの最適な権利行使価格を算出することについて述べた。今回はこちらを実践で使えるようにブラッシュアップしていきたい。

    前回のポイントは以下の通りである。

    1. 日経平均VIから導く最適な権利行使価格は、以下の数式から算出される。

    日経平均株価 ± 日経平均VI ÷100(小数点換算) ÷ √(4 or 12 or 52) × 日経平均株価
    (√4は3カ月、√12は1カ月、√52は1週間)

    2. 日経平均VIの変動は激しいが、おおむね直近1年で15%~25%のレンジで動いている。

    3. 日経平均VIは日経平均株価が急落する際に急上昇する。

    実践的な話の前に、基本的なオプション取引の話をしたい。オプション取引を手掛ける際は特別な意図がない場合、アウト・オブ・ザ・マネー(OTM)のオプションを行うことになると思われる。その際、売る方と買う方では全く違う結果を求めている。買う方は、OTMの権利行使価格に日経平均株価が近づいていく、またはSQイン・ザ・マネー(ITM)となって権利を行使することが目的となる。逆に売る方はOTMの権利行使価格から日経平均株価が離れていく、またはSQでOTMのまま消滅となることが目的となる。

    以下、日経平均VIと権利行使価格の関係をオプション取引の実践で使えるようにブラッシュアップしたので、取引の参考の1つとして読んでほしい。

    ブラッシュアップ1 取引をする前提条件

    ITMが目的のオプションを買う方はポジションを取った後、値幅が出る日経平均VIが高い方が有利。逆にOTMが目的の売る方はポジションを取った後、値幅が出ない日経平均VIが低い方が有利である。ただし、日経平均VIが25%以上では値幅が大きく出るものの、それ以上の値動きを精査すると短期間で上昇し下落することが多く、また値幅が大きすぎてITMになるとは限らないと思われる。逆に日経平均VIが15%以下では値幅が出ないものの、値幅が小さすぎるために日経平均株価の1日の動きで算出した値幅に到達する可能性もあり、機能不全を起こす可能性が高いと思われる。上記数式を使う場合は、現在の日経平均VIが15%~25%であるということを取引の前提条件としてはいかがだろう。

    ブラッシュアップ2 使用する日経平均VIの再考

    次に使用する日経平均VIについて考えてみよう。前回触れなかったが、日本証券クリアリング機構(JSCC)ではSPANのパラメーターの1つであるプライス・スキャンレンジ算出に使用する日経平均VIについて、単純に基準日のものを使うのではなく、以下の注釈の通り定めている。

    ※当社が定めるボラティリティ以下省略~当該数値が、基準日から起算して過去250営業日間のVI(調整VI)の平均値(250日間平均VI)を下回る場合は、250日間平均VIを当社が定めるボラティリティとする。
    (出典:JSCCホームページ)

    こちらの考え方を参考に、本稿作成日(2018年9月7日)の日経平均VIと250日間平均(1年の平均)の日経平均VIを比べて、オプションを買う方(ITMが目的)は小さい方を使い、オプションを売る方(OTMが目的)は大きい方を使うことにしたい。なお、日経平均VIは日経平均株価が急落する際に急上昇する傾向があるため、プットオプションを売る際は別の日経平均VIを使った方がよいかもしれない。

    中心限月を取引する場合、最長でも3カ月の残存期間となるので、1つの案として直近3カ月の日経平均VIの最高値を採用する。取引所で設定されている、算出した価格にあたる権利行使価格を選ぶ場合に、オプションを買う場合(ITMを目的とする)は現在の日経平均株価に近いものを採用し、オプションを売る場合(OTMのままを目的とする)は遠いものを採用するという調整を行う。

    オプション取引の実践に向けた権利行使価格の算出

    では実際に算出してみよう。2018年9月7日の日経平均VI終値は17.17%なので、前提条件の15%~25%のレンジを満たしている。17.17%は、コールおよびプットを買う方の算出の日経平均VIに使う。他に使う日経平均VIだが、当社取引システムからデータをダウンロードし確認すると、250日間平均は17.69%となっている。こちらがコールオプションを売る方の算出の日経平均VIとなる。また、直近3カ月の日経平均VIの最高値は2018年7月2日の23.16%で、こちらはプットオプションの売りの算出に使う。日経平均株価は、2018年9月7日の終値では22,307.06円。現在の中心限月は2018年9月限なので、SQまでの期間は1週間。平方根は週率のため52を使う。

    以上の数値から計算した結果が以下の表である。

    2018年9月限オプションの権利行使価格の算出

    皆様がこのリポートをご覧になっている現在は、2018年9月限のSQ値が発表となっていると思う。さて、どういう結果になっているのか? ぜひご確認いただきたい。

    工藤 正剛
    フィリップ証券 カスタマーサービス部 副部長
    明治大学文学部卒業。商品先物会社への入社を端緒に相場の道へ。以後約30年、奮闘の日々。現在フィリップ証券の先物取引サービスである「すばトレ!」に全力投球中。趣味は掃除とアイロンがけ。