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先物・オプション投資の魅力 日経225先物・TOPIX先物取引開始30周年

先物・オプション投資の魅力 日経225先物・TOPIX先物取引開始30周年

現物とは異なる収益機会として注目が高まる先物・オプション取引。
個人投資家の参加も拡大する先物・オプション取引の魅力や投資戦略を紹介する。

先物・オプション取扱い会社(社名五十音順)

  • 安藤証券
  • 岩井コスモ証券
  • インタラクティブ・ブローカーズ
  • SBI証券
  • 岡三オンライン証券
  • カブドットコム証券
  • 光世証券
  • GMOクリック証券
  • 日産証券
  • フィリップ証券
  • 松井証券
  • マネックス証券
  • むさし証券
  • ライブスター証券
  • 楽天証券
  • 日経平均VIから導く日経225オプションの
    権利行使価格について

    工藤 正剛
    フィリップ証券 カスタマーサービス部 副部長
    2018年7月20日

    プライス・スキャンレンジの基となる日経平均VI

    工藤 正剛氏 フィリップ証券 カスタマーサービス部 副部長
    工藤 正剛氏
    フィリップ証券 カスタマーサービス部 副部長

    オプション取引に関して、売るもしくは買う場合にいくらの権利行使価格が現在最適なのだろうか。

    当たり前の話だが、証拠金は1日の値動きを担保するために日本証券クリアリング機構(JSCC)が算出したもの。先物・オプション取引の証拠金算出に関してはSPANが世界標準となっていることから、こちらが優れたフォーミュラ(方式)であることは疑う余地はないだろう。そのため、SPANのパラメーターの1つであるプライス・スキャンレンジ算出の基になっている日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)を使って、その変動に応じた権利行使価格を算出することが最適な方法の1つであろう。

    プライス・スキャンレンジは以下の通り算出する。(図表1)

    図表1 プライス・スキャンレンジの算出方法
    図表1 プライス・スキャンレンジの算出方法
    出典:JSCCホームページ

    1標準偏差での日経225オプションの値幅を予測

    上記のプライス・スキャンレンジの計算式に準じて、日経平均VIの変化により予測される日経225オプションの値幅を算出してみたい。

    VIは標準偏差が基本のため、確率としてσは約68%、2σが約95%、3σが約99.7%カバーする。オプション取引の最適な権利行使価格を設定する基準なので倍数を掛けると値幅が大きくなり、その権利行使価格が設定されていない可能性もあるので、倍数は掛けないものとする。日経225オプションの場合、3、6、9、12のメジャー限月は3カ月ごととなる。メジャー以外の連続限月においては期近が中心限月なので、SQまでの流動性のある中心限月として売買に適している残存期間は約1カ月となる。

    オプションを売る方においては、理論上リスク無限大のため、1週間しかポジションを持ちたくないという方もいるかもしれない。したがって3カ月率、月率と週率を出したい。JSCCでは年率であるVIを日率にするため250の平方根で割っているが、3カ月率にするためには4の平方根で、月率にするためには12の平方根で、週率にするためには52の平方根で割って算出すればよい。したがって今回算出する日経225オプションの値幅の計算式は以下の通り。

    日経225オプションの値幅の計算式

    実際にはその都度計算することとなるが、感覚的にイメージしてもらうため早見表を作った(図表2)。作成するに当たり、2008年からの日経平均VIの最高値と最低値が表の中に入るようにしている。ちなみに最高値が2008年10月31日の92.03、最安値が17年7月27日の11.82。

    図表2 日経平均VIから予測される日経225オプションの値幅の早見表
    図表2 日経平均VIから予測される日経225オプションの値幅の早見表

    こちらの実際の取引の使い方の一例だが、限月の交代時メジャーでない限月が中心限月となった場合(SQまで1カ月)にポジションを取る際に、現在の(もしくは今後予想する)日経平均株価が23,000円で、現在の(もしくは今後予想する)日経平均VIが20だとすると、上記表の1328円離れた権利行使価格、実際にはコールの場合は24,375、プットの場合は21,625が基準として、今後の戦略を組むことができるだろう。

    取引をするかどうかの目安でも使ってもらえると思う。早見表の値幅から、日経平均VIが30以上の場合、約1000円離れた権利行使価格が1週間でもイン・ザ・マネーになる可能性が高まる。特にオプションを売る方は熟考する必要がある。逆に日経平均VIが10程度の場合は、オプションを買う方は3カ月かけても1,000円程度しか値幅が出ないのであれば、プレミアムを払う価値があるかどうか再考する必要があるだろう。

    最後に、この値幅計算の決定要因となっている日経平均株価と日経平均VIは、直近どう動いているのだろうか。日経平均VIは変動が激しく、グラフにするとイメージしにくいので、日経平均VIの5日と20日の指数平滑移動平均と日経平均株価のCSVデータをフィリップ証券の先物取引システム「すばトレ!」からダウンロードし、直近1年間で作成したチャートが図表3である。

    図表3 日経平均株価と日経平均VIの推移
    図表3 日経平均株価と日経平均VIの推移

    日経平均VIは、日経平均が下落時に急上昇する傾向があることが分かるかと思う。直近1年間では、日経平均VIは約15から25のレンジであることが分かる。

    図表2および3が皆さんの収益に貢献でき、お役に立てれば、この上なくうれしい。

    工藤 正剛
    フィリップ証券 カスタマーサービス部 副部長
    明治大学文学部卒業。商品先物会社への入社を端緒に相場の道へ。以後約30年、奮闘の日々。現在フィリップ証券の先物取引サービスである「すばトレ!」に全力投球中。趣味は掃除とアイロンがけ。