マザーズ投資の魅力 東証マザーズ指数先物の2017年下半期の取引高が前年比4倍に!

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マザーズ投資の魅力 東証マザーズ指数先物の2017年下半期の取引高が前年比4倍に!

マザーズ上級編「東証マザーズ指数先物」投資戦略

4東証マザーズ指数先物の現状分析と
有効と思われる売買手法について

福永 博之氏
インベストラスト 代表取締役

2017年9月15日

東証マザーズ指数先物の現状分析

東証マザーズ指数先物は2016年7月19日から取引がスタートして1年が経過したが、果たして現在の状況はどうなっているのだろうか。

当初から現在に至るまでをチャートで確認してみたい。

図表1 東証マザーズ指数先物の価格推移(日足:2016年7月19日~17年9月4日)

図表1 東証マザーズ指数先物の推移

※ストックウェザー提供「アイチャート」から

福永 博之氏 インベストラスト 代表取締役

福永 博之氏
インベストラスト
代表取締役

このチャートを見て筆者が気付くことが2つある。1つは取引高が17年の7月以降大幅に膨らんでいる点だ。指数先物は東証マザーズ指数に限らず、流動性が高いかどうかが取引を行う上での決め手になる。

なぜなら、指数先物の使い方として銘柄選びで困ったときに手っ取り早く先物を買い、レバレッジ効果もあって少ない資金で効率的な取引ができるといったメリットを投資家が享受できるからだ。

またそのメリットを安定的に享受できるようになるためには、換金性、つまり流動性が常に担保されて取引が成立することが重要といえるのだ。そうしたなか、東証マザーズ指数先物は取引がスタートした当初こそ商いは膨らんでいたが、その後減少傾向になっていたものの、前述のように今年7月以降から大きく膨らんでいる。

具体的には、取引高の移動平均を見ると分かる。取引高移動平均とは、一定の期間内の平均的な取引高を示すもので、日々の増減に左右されずに取引高の増減傾向を判断するのに役立つものだ。

筆者の調べでは、およそ1カ月の取引高に当たる25日取引高移動平均をチェックしたところ、取引が始まって以来、少ないときで1日当たり200枚前後に落ち込んだ場面があったが、直近の17年8月以降では、何と1,000~1,900枚前後まで大幅に増加しているのが分かった。

このように1日当たりの取引高が少ないときより5から10倍に増加しており、個人投資家が数枚程度取引するのであれば、何ら問題ない水準まで膨らんでるといえる。

さらに次のチャートをご覧いただきたい。これは、8月に入ってからの期近と期先の取引高と夜間の取引比率を表したグラフである。

図表2 限月別取引高と夜間取引比率の推移

図表2 限月別取引高と夜間取引比率の推移

これを見ると、期近の取引高が膨らんでいるのはもちろんだが、SQ(特別清算指数)の算出が近づくにしたがって期先の取引高が膨らんでいるのが分かる。さらに夜間の比率を見ると、30%を上回るところまで上昇している。

1日の取引高のうち、夜間取引の比率が上昇しているとはすなわち、海外で何かが起こって翌営業日に影響を与えると予測されるとき、夜間にあらかじめ取引を行い翌日の値動きに備えている投資家が増えていることを示していると思われる。

また、こうした夜間取引での流動性の高まりは、これまで利用することがなかった一般的な個人投資家にとっても、相場動向を予測したり、価格変動リスクをヘッジしたりと、活用の仕方次第で大きなメリットになるといえるのではないだろうか。

続いて2つ目に気付いた点だが、それは下落局面で取引高が膨らんでいることだ。8月に入ってからの商いの増加も、まさに下落局面で膨らんでおり、東証マザーズ指数に値動きが連動している銘柄のリスクヘッジなどに活用することができると考えられるのではないだろうか。

そうしたなか、続いて確認しておきたいのが東証マザーズ指数と清算値との連動性についてだ。次のチャートをご覧いただきたい。

図表3 東証マザーズ指数先物(3月限)と清算値の推移(日足)

図表3 東証マザーズ指数先物(3月限)と清算値の推移(日足)

※限月交代した当日から取引最終日までの値動き

指数先物の決済方法として、いつでも取引時間中に反対売買できることに加え、SQ算出日において、算出されたSQ値で自動的に精算される仕組みがある。取引最終日までの間は、建玉評価などの日々の値洗いに使用される清算値が先物の終値とは別に日々発表されており、東証マザーズ指数先物の清算値は東証マザーズ現物指数から配当や金利等の影響を調整した理論価格を採用している。

実際のチャートを見ると、東証マザーズ指数先物と清算値にかい離があるのが分かるが、実際の終値の方が清算値よりも割安になっている一方で、限月交代して商いが増加し始めたところから取引最終日に近づくところまでの値動きと連動性を見ると、当初は清算値よりも指数先物の価格の方が割安に放置されているものの、SQ算出日に近づくにつれかい離がほぼなくなっているのが分かる。

通常、指数先物と現物指数の関係は、先物市場の需給に加え指数先物を取引するためのコストなどによりかい離が生じることがある。それが東証マザーズ指数先物については、現物市場の流動性やマザーズ銘柄のレンディングコストの影響で、清算値(理論価格)からみて非常に割安に放置されている期間があり、それが限月交代してすぐの時点ほど大きくなっているのだ。

一方で右端の取引最終日に注目してみるとどうだろうか。指数先物の価格と清算値はほぼ同じになっており、割安感がなくなっている。

こうした東証マザーズ指数の特徴を何かトレードに生かせないだろうかと考えてみたので、ご紹介したい。

ディスカウント状態を利用した取引について

ここで紹介したチャートは3月限の先物だったが、ほかの限月のチャートを調べてみても、限月交代した時点の逆かい離が比較的大きく、その後に縮まる特徴があるのが分かった。

そこでこうした値動きの特徴を捉えて行うトレードを2つ考えてみた。

1つ目は、限月交代してすぐに先物を購入してサヤが縮まるのを待つ手法だ。SQ算出日に清算されることを考えると、指数が動かなくても自動的に先物価格が清算値にサヤ寄せすることが期待でき、限月交代したところでかい離が縮まる前に買いでエントリーするのが有利と考えることができる。これなら初心者でも簡単にエントリーできるのではないか。

2つ目は指数が下落しているときのかい離をチェックし、大きく開いているときに買いでエントリーするやり方だ。

この方法だと、個別株が下落したところのリバウンドを狙って買うよりも、冒頭書いたように流動性の観点から売り気配で売れなくなってしまうというようなリスクが低いと考えられ、取引のタイミング次第では戻る際に大きな値幅が発生することが期待できよう。

実際に、今年4月に東証マザーズ指数が大きく下落して戻した場面の指数先物と、清算値の値動きをチェックしてみたい。

東証マザーズ指数先物と清算値の推移

図表4 東証マザーズ指数先物(6月限)と清算値の推移(日足)

図表4 東証マザーズ指数先物(6月限)と清算値の推移(日足)

※限月交代した当日から取引最終日までの値動き

このようにチャートを見ると分かるが、東証マザーズ指数先物が下落しているときは、指数先物の方が清算値よりも売り込まれている半面、安値を付けたあとの値動きを見ると、SQ算出日までにかい離が徐々に縮まっており、清算値よりもディスカウントされた価格分が利益を押し上げることが分かる。

そこで、東証マザーズ指数が比較的一方方向に動きやすいといった特徴を踏まえ、底入れするタイミングや底入れしてからの戻りを買うことができれば、現物株を買うよりも指数先物を買った方がより効率的に利益をあげられることになるのだ。

取引上の注意点

ただし注意点もある。1つ目は前述のチャートで確認したように、下落局面では、ディスカウントが下げ止まりの歯止めにはならないということだ。特に、先物価格が下落しているあいだは、清算値よりもさらに売り込まれている傾向が見られるため、いつか戻るだろうといった希望的観測にまかせて下落時に買いでエントリーするのは禁物といえよう。

続いて2つ目の注意点だが、それは逆ザヤ状態が解消される可能性があるということだ。逆ザヤ状態が解消される理由はいろいろ考えられるが、それはさておき、逆ザヤが解消されてしまうようだと、こうした手法は使えなくなる。そのため、限月交代した場面というより、本来のトレンドをしっかり確認してエントリーする必要があることに注意してほしい。

まとめ

ここまで東証マザーズ指数の特徴や取引手法についてみてきた。これまでは、個別株の値動きに投資家の目が向かいがちで、素早く動ける投資家しかチャンスがないように思われていた。それが、東証マザーズ指数先物取引が始まり、その取引高が増加したことで夜間でも無理なく取引できるようになったことを考えると、個人投資家のみなさんも新たな投資先の選択肢の一つとして考える価値があるのではないかと思われてならない。

福永 博之氏

福永 博之
インベストラスト 代表取締役

勧角証券(現みずほ証券)を経て、DLJdirectSFG証券(現楽天証券)に入社。同社経済研究所チーフストラテジストを経て、現在、投資教育サイト「itrust アイトラスト」の総監修とセミナー講師を務める。6月から日本テクニカルアナリスト協会副理事長に就任。テレビ東京「モーニングサテライト」、日経CNBC「朝エクスプレス」、TOKYO MX「マーケットワイド」、ラジオNIKKEI「世界の株価 de 資産運用」、「ザ☆スマート・トレーダーPLUS」などレギュラー出演中。マネー誌やWEBの連載、著書多数。近著に「ど素人が読める株価チャートの本」(翔泳社)がある。

勧角証券(現みずほ証券)を経て、DLJdirectSFG証券(現楽天証券)に入社。同社経済研究所チーフストラテジストを経て、現在、投資教育サイト「itrust アイトラスト」の総監修とセミナー講師を務める。6月から日本テクニカルアナリスト協会副理事長に就任。テレビ東京「モーニングサテライト」、日経CNBC「朝エクスプレス」、TOKYO MX「マーケットワイド」、ラジオNIKKEI「世界の株価 de 資産運用」、「ザ☆スマート・トレーダーPLUS」などレギュラー出演中。マネー誌やWEBの連載、著書多数。近著に「ど素人が読める株価チャートの本」(翔泳社)がある。

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