マザーズ投資の魅力 東証マザーズ指数先物は2017年7月19日で1周年を迎えました

東証マザーズ指数先物取扱い会社(社名五十音順)

マザーズ投資の魅力 東証マザーズ指数先物は2017年7月19日で1周年を迎えました

マザーズABC

4マザーズ銘柄 投資の鉄則
~テーマ性より利益重視で~

太田 忠氏
太田忠投資評価研究所 代表取締役社長

2017年6月13日

太田 忠氏 太田忠投資評価研究所 代表取締役社長

太田 忠氏
太田忠投資評価研究所
代表取締役社長

「マザーズABC」の連載において、第1回から3回まではマザーズ市場やマザーズ銘柄の特徴について紹介してきた。今回からは個人投資家が実際に投資するにあたって、より実践的な視点で話を進めていきたい。

ファンダメンタルズと株価の連動性

まず個別株投資において大事なことを確認しておこう。図表1は「企業のファンダメンタルズ(基礎的条件)と株価の連動性」をイメージ図で表現したものである。縦軸に成長性、横軸に時間を取り「高成長vs成長未実現」「長期vs短期」の組み合わせを4パターンで示している。

図表1 ファンダメンタルズと株価の連動性〈イメージ図〉

図表1 ファンダメンタルズと株価の連動性〈イメージ図〉

「高成長&長期」の条件を備えてその程度が大きくなるほど、株価の上昇は大きくなり、ファンダメンタルズとの連動性は強まる。その反対に「成長未実現&長期」であればあるほど、株価は大きく下落する形でファンダメンタルズとの連動性は強まる。

わかりやすい「高成長&長期」vs「成長未実現&長期」

「高成長&長期」に関しては、第3回で取り上げた「マザーズを卒業した優等生たち」を今一度思い出していただきたい。すでに東証1部に昇格した、かつての優秀なマザーズ銘柄はIPO時と比較して時価総額が10倍以上になったものが多い。その裏付けは、とにもかくにも本業ベースの営業利益が著しい成長をしたことにある。投資で高いパフォーマンスを上げるためには、やはり大きく利益の伸びる企業に長期で投資することが重要だとわかる。

その逆の「成長未実現&長期」の極端なものが「上場廃止銘柄」となる。投資価値が喪失して保有する投資家が大きな損失を被った企業である。ファンダメンタルズがどんどん毀損して時間がたてばたつほど株価は下落していく。

もう一度、厳然たる事実を再確認していただきたい。

誘惑の多い「成長未実現&短期」

ところが、ここで問題なのがダメ企業であっても短期ではテーマ性や需給によって株価が急騰するというファンダメンタルズとは連動性のない局面が頻繁に現れることである。ただし、こうした点が選好されて、気ままに成長シナリオが妄想できるマザーズ銘柄であるがゆえにお祭りのような活況になり、投資家が群れるというのが実態だ。こういう現象を狙うハンターのようなセミプロ投資家がいる。

要するにこれは「利益未実現&短期」のケースである。もちろん割り切って投資する手もあるが、所詮は「砂上の楼閣」ゲームであり、「ババ抜き」ゲームだ。株価形成のダイナミズムを知らず、下手に手を出すと手痛い目にあう。

昨年の典型的な事例では、急騰していたバイオ関連銘柄のアキュセラ・インク(失明の恐れがある加齢黄斑変性という病気の治療薬を開発するベンチャー企業)がプレスリリースをきっかけに急落して、多くの投資家が痛手を被ったケースがある。ちょっと見てみよう。

図表2 「成長未実現」企業の例:アキュセラ・インク

図表2 「成長未実現」企業の例:アキュセラ・インク

まず指摘しないといけないのは、そもそもこの企業は一貫して赤字であるにもかかわらず、2016年の初めから期待だけで株価が急騰していたことである。3ケタだった株価が5月27日には7700円まで急騰。株価はファンダメンタルズとは関係のない動きのため連動性は「×」である。ところが、新薬開発において臨床試験の効果が得られなかったとのニュースを受けて、一転して株価は急落、一瞬のうちに再び3ケタへと沈んだ。この局面での連動性は「○」である。

あまりにもすさまじい急落ぶりであるが、その怖さを見ていただくためにプレスリリース発表後の株価の動きを追ったのが次の図表である。「売りたいときに売れない」という流動性問題が小型株投資における最大のリスクであるが、その怖さを教えてくれる。

図表3 アキュセラ・インクの急落劇の衝撃

図表3 アキュセラ・インクの急落劇の衝撃

「高成長&短期」では大きな株価調整も

一方、同じバイオ銘柄である、そーせいグループのほぼ同時期の動きを表したのが次の図表だ。

図表4 「高成長」企業の例:そーせいグループ

図表4 「高成長」企業の例:そーせいグループ

14年3月期の営業利益がわずか7億円だったのに対して、17年3月期は170億円の予想が提示され、それを織り込む形で株価は右肩上がりとなり高値2万6180円を付けている。株価とファンダメンタルズとの連動性は「○」である。

ところが、この時点におけるファンダメンタルズは堅調であるにもかかわらず、高値後はマザーズ市場全体の調整を受けてわずか1カ月ちょっとで半値以下まで下落している。この局面における連動性は「×」である。

成長性に期待して成長株を買う投資家にとって一番悩ましい問題は、「高成長&短期」の場合において頻繁に株価が大きく下落するという、連動性のない局面に遭遇することだと思う。腰を据えて長期投資に徹するのならほったらかしでもよいが、さりとて株価が半値になるような事態に直面すれば、どんな投資家でも心穏やかではないだろう。実はこうした場合に、先物を組み合わせた効果的な投資手法がある。これについては次回において紹介したい。

マザーズの現物株アプローチの鉄則

最後に、マザーズ銘柄に投資する際の鉄則を図表5にまとめた。きわめてシンプルなルールであるが、「思いつき」や「衝動」で投資していても思ったような成果が上がらないのがマザーズ市場である。夢物語だけで赤字の企業では結局のところダメなのである。現実に利益を生み出し、着実に成長を継続する企業に投資をしないと果実は享受できない。

図表5 マザーズの現物株アプローチの鉄則

図表5 マザーズの現物株アプローチの鉄則
太田 忠氏

太田 忠
太田忠投資評価研究所 代表取締役社長

1988年関西大学文学部仏文学科卒。第一證券(現、三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、DBモルガン・グレンフェル・アセット・マネジメント(現、ドイチェ・アセット・マネジメント)、ジャーディン・フレミング証券(現、JPモルガン証券)、JPモルガン・アセット・マネジメントを経て、2009年太田忠投資評価研究所設立。日本の中小型株市場に一貫して携わり、25年以上もの経験を持つ。

1988年関西大学文学部仏文学科卒。第一證券(現、三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、DBモルガン・グレンフェル・アセット・マネジメント(現、ドイチェ・アセット・マネジメント)、ジャーディン・フレミング証券(現、JPモルガン証券)、JPモルガン・アセット・マネジメントを経て、2009年太田忠投資評価研究所設立。日本の中小型株市場に一貫して携わり、25年以上もの経験を持つ。

東証マザーズ指数先物取扱い会社

  • 岩井コスモ証券
  • インタラクティブ・ブローカーズ
  • SBI証券
  • 岡三オンライン証券
  • カブドットコム証券
  • 光世証券
  • 松井証券
  • 楽天証券

(社名五十音順)