マザーズ投資の魅力 東証マザーズ指数先物は2017年7月19日で1周年を迎えました

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マザーズABC

3マザーズ銘柄の特徴
~玉石混交のマーケット~

太田 忠氏
太田忠投資評価研究所 代表取締役社長

2017年5月16日

マザーズ銘柄の特徴

太田 忠氏 太田忠投資評価研究所 代表取締役社長

太田 忠氏
太田忠投資評価研究所
代表取締役社長

マザーズはベンチャー色が強く成長期待の大きい企業が中心の市場である。そのため、将来性において不透明要素が非常に多く、大型株のみならず同じ新興市場のジャスダック銘柄などと比べてもハイリスク・ハイリターンの傾向がある。

また、マザーズ市場は世界の株式市場の中においても、最も「ダイナミックな値動き」をするマーケットの一つである。突然、人気化した銘柄がわずか1日のうちに何回転も売買されたり、ストップ高とストップ安の両方を演じたりするマーケットなど、なかなかお目にかかれない。しかし、ダイナミックな値動きは短時間あるいは短期間のうちに効率的に資金を増やすことができる一方、保有株が下落に見舞われればあっという間にお金を失ってしまう。

そうしたマザーズ銘柄の特徴を挙げると、次のようになる(図表1)。

図表1 マザーズ銘柄の特徴

図表1 マザーズ銘柄の特徴

①のユニークなビジネスモデルは、一般的な基幹産業としての製造業、非製造業という枠にとらわれないビジネスをおこなっているという意味合いである。すでに多くの企業が競い合っている既存ビジネスに参入しても勝ち目はない。そこで、新しいアイデアで勝負するユニークな経営者が新たな企業価値を創造することになる。その典型例が「ニュービジネス」だ。世の中に存在しなかった事業を創出し、投資テーマを提供してくれる。

その意味において新規株式公開(IPO)市場としてのマザーズの注目度は高い。IPO市場はニュービジネス企業の宝庫であり、毎年50~100社程度の上場企業の中で必ず何かが登場する。過去事例としてはREITビジネスが挙げられる。不動産流動化市場は大手不動産会社ではなく、中小のIPO企業が開拓した市場である。また、バイオ関連銘柄が手掛ける創薬ビジネスはIPO企業がチャレンジャーの中心である。

②の個人投資家との利害が強く一致というのは、オーナー経営者であるが故に自社の株価動向において個人投資家と運命共同体であるということだ。大企業のサラリーマン経営者の株価意識とは全く異なるのである。

⑤は長期的に見た場合の株価パフォーマンスの素晴らしさである。上場時には企業規模や時価総額が小粒であっても、東証1部への昇格を果たして大きく成長する企業が存在する。そうしたケースを見てみよう。

ピカピカの卒業生たち

図表2は「マザーズを卒業した優等生たち」で、かつてのマザーズ銘柄である。IPO時と比較して時価総額は10倍以上になったものが多いが、本業ベースの営業利益でも急増している。加えて、先ほど指摘したユニークなビジネスモデルという点でも魅力的だ。

例えば、エムスリーは医療従事者向け情報サイトで製薬会社の情報提供支援をおこなっている企業であり、IPO当時は売上高15億円、営業利益5億円であった。それが、17年3月期は売上高781億円、営業利益250億円となっている。売上高、営業利益ともに実に50倍になっている。また、MonotaROは小規模業者や個人向けに工場・工事用間接資材のネット通販をおこなっている企業だ。IPO当時は売上高92億円、営業利益5億円であったが、16年12月期は売上高696億円、営業利益95億円となっている。売上高は8倍弱だが、営業利益は19倍だ。投資で高いパフォーマンスを上げるためにはやはり大きく利益の伸びる企業に投資することが重要だとわかる。

図表2 マザーズを卒業した優等生たち

図表2 マザーズを卒業した優等生たち

出所:日本取引所グループ

上場廃止に至るケースもたくさん

マザーズ銘柄はそもそもビジネスのスタートアップからまだ日が浅い企業の集団である。株式上場時にはスムーズな事業展開をおこなっていたとしても、その後のビジネス環境の激変や経営者側の問題で会社が傾いてしまった事例も過去にたくさん出ている。

図表3は東証マザーズの上場廃止銘柄を新しいものから古いものへと並べた一覧表である(株式交換や株式移転、合併などによる上場廃止は除く)。全部で29銘柄あるが、上場廃止理由も掲載したので参考にしていただきたい。理由を見ると一見多岐にわたっているような印象を受けるが、根っこのところは一つである。すなわち、ビジネスにおいて深刻な行き詰まりが生じたが故に事業活動ができなくなり、上場廃止に追い込まれたということである。

先ほどの卒業生とは対極にある企業群であり、もしこのような企業に投資したら、投資額の大半を失ってしまうことになりかねない。ビジネスモデルのバックボーンが深刻な打撃を受けて、株価が急落しているのを「割安」と勘違いして投資をしたり、投資簿価を引き下げるために「ナンピン買い」したりしてはいけない。季節的要因や期ずれなどで下方修正となり、一時的に大きく下落している銘柄ならば「投資チャンス」という前向きな捉え方をしてもよいが、本質的部分の崩壊はそういうものとは根本的に異なる。

図表3 マザーズの上場廃止銘柄一覧

図表3 マザーズの上場廃止銘柄一覧

※外国株を除く

太田 忠氏

太田 忠
太田忠投資評価研究所 代表取締役社長

1988年関西大学文学部仏文学科卒。第一證券(現、三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、DBモルガン・グレンフェル・アセット・マネジメント(現、ドイチェ・アセット・マネジメント)、ジャーディン・フレミング証券(現、JPモルガン証券)、JPモルガン・アセット・マネジメントを経て、2009年太田忠投資評価研究所設立。日本の中小型株市場に一貫して携わり、25年以上もの経験を持つ。

1988年関西大学文学部仏文学科卒。第一證券(現、三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、DBモルガン・グレンフェル・アセット・マネジメント(現、ドイチェ・アセット・マネジメント)、ジャーディン・フレミング証券(現、JPモルガン証券)、JPモルガン・アセット・マネジメントを経て、2009年太田忠投資評価研究所設立。日本の中小型株市場に一貫して携わり、25年以上もの経験を持つ。

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