株主優待で資産運用をもっと楽しく!

日経CNBCは2017年3月15日、大阪府北浜で「IRセミナーin大阪」を開催した。個人投資家として著名な将棋棋士の桐谷広人氏が「株主優待で資産運用をもっと楽しく!」と題して講演、株主優待の魅力や資産運用での活用法を語った。

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リーマン・ショック時に株主優待の魅力を実感

 私の若いころは預金金利が非常に高かった時代で、特に資産運用を考えるという必要はありませんでした。しかし現在は、ほとんど金利がつかない状況で、資産を殖やすにはどうすればいいか考えられている方も多くいらっしゃると思います。

 株式投資をはじめたのは、29歳の時にプロ棋士として日本証券業協会で将棋を教える機会があり、証券マンと交流したことがきっかけです。それ以前は、株式投資をギャンブルだと思っていましたが、バブルの時流に乗って利益を得たことで興味が湧き、勝ち負けを繰り返しながら33年間株式投資を続けています。

 私が優待投資家として有名になったのは、リーマン・ショックが契機です。当時、金融資産の約8割を失ったため、お金をほとんど使わない生活を続けていました。家賃も払えず故郷の広島に帰ろうかと考えていた頃、保有していた優待株の企業からお米券やクオカード、食料品などさまざまな優待品が届いたことで、なんとか暮らすことができました。その時に株主優待の魅力を実感したのです。

 きょう、身につけているものは全部優待で手に入れたものです。まず頭には、化粧品メーカーの育毛剤をつけております。ジャンパーは衣料品の会社からいただきました。眼鏡は、眼鏡メーカーの五割引き券と数社の優待品のギフトカードで購入しました。このシャツは、スポーツ用品店の優待券でいただきました。ズボンは、故郷の広島県のスーパーで買いました。靴は、靴の販売会社の4000円の優待券で購入したものです。靴下は、1000円相当の靴下を2足くれる、そういう優待をやっている会社の靴下です。下着は、昨年、アウトレット店で大量に購入したものを身に着けています。携帯電話も、通信会社の株主優待で月々の基本料は無料です。ティッシュペーパーもカバンも優待でいただいたものです。こういう具合に、私の生活必需品はほとんど優待で手に入れています。

IRセミナーin大阪

資産形成に適している優待株への分散投資

 長い投資経験から導いた結論からいいますと、資産形成には優待株の分散投資が適していると思います。企業が株式を上場している目的は、皆さんから集めたお金で工場の建設や新製品の開発資金などに充てることで会社を拡大し、世の中に利益を還元するためです。自分が気に入った会社の株式を保有して企業に資金を提供することは、決してギャンブルではありません。

 株主優待は、日経平均株価が7054円98銭を付けた2009年ごろにターニングポイントを迎えました。株式投資を行う日本人が大幅に減り、市場活性化のために考え出されたのが現在の株主優待という方法です。株主優待が広まるきっかけは、ある食品会社の取り組みです。2001年にその会社のIR担当者が「自社の株主を10倍にせよ」との社長の指令を受け、株主優待として自社商品を贈ることを決めました。同時に、100株から株式を買えるように変更したことで6500人だった株主が急増し、今では約20万人まで増やすことに成功しています。

 現在、株主優待を行っている企業は1350社を超えており、日本で上場している会社の4割近くを占めます。株主優待は少額投資家に有利な制度といわれています。例えば、100株10万円の会社が2000円の配当と年間2000円分のクオカードを進呈するケースを考えてみましょう。10万円の投資で実質4000円の配当と優待ですから、利回りは4%です。ところが、10倍の1000株を保有している場合は、配当は2%で変わりませんが、優待は2000円分のクオカードしかもらえませんので、この分の利回りは0.2%になるわけです。

 少ない資金でも購入しやすい5万円以下の株式で優待のある銘柄は、80数社あります(2017年3月27日時点)。20万円の余裕資金がある方は、一つの株式が平均4万円とすると5銘柄購入することができます。5銘柄を保有すれば、どこか1社が優待を中止したり、業績が悪くなって株が下がったり、あるいは最悪の場合、倒産ということがあったとしても、残りの4社の株価が安定的に推移すれば、十分カバーできると思います。

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優待情報は、インターネットやマネー雑誌を活用
大きな損失を経験し、農耕的な優待株投資にシフト

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Profile

将棋棋士7段 桐谷広人氏

1949年広島県出身、将棋棋士・投資家。テレビのバラエティー番組で現金を使わず、株主優待のみで生活をする姿が話題になった。現在は日経マネーなど書籍関連でも幅広く活躍。『桐谷さんの株主優待生活』など著書多数。

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