――日本初の試みである、イオンとプロネクサスとで共同開発した『スマート招集』とは、どのようなツールですか。

■伊藤　スマートフォンで招集通知や関連情報の閲覧ができ、さらに議決権行使サイトへの誘導も行うツールです。株主には高齢者の割合が多いので、紙媒体で情報提供をするのが基本であることに変わりはありません。その一方でスマートフォンを中心とした電子媒体で閲覧したいという意向が増えているのも事実です。そうしたニーズに対し、スマートフォンなどで招集通知をいつでも、どこでも閲覧できるようにしたのがスマート招集なのです。
　個人株主を対象と考えた場合、従来の招集通知というのは、情報量が豊富過ぎて、かえってわかりにくい面があります。それをそのまま電子媒体にしてしまうと、余計読みにくくなります。そこで、あらかじめお断りを入れたうえで、株主総会の開催概要や議案、今期の業績など、主な部分を抜粋して掲載しています。ボリュームとしては従来の３分の１程度になっていると思います。
　Webならではの良さを活用する工夫も盛り込みました。株主総会の会場までスムーズにお越しいただけるよう「NAVITIME 地図ASPサービス」を使い、最短ルートをご案内します。また議決権行使サイトへのリンクも掲載しています。

――導入する上で、どのような点を重視しましたか。

■伊藤　株式投資をする人には、情報収集のツールとしてスマートフォンは欠かせません。その意味でもスマート招集は個人投資家と親和性が高いと考えています。

■佐々木　通勤途中に電車の中で見る方もいるでしょうし、いつでもどこでも見られる環境が理想だと考えています。

――スマート招集も含めて今後の個人投資家向けIR をどうしていく考えですか。

■佐々木　スマート招集は、日本初の取り組みとしてスタートしましたが、すぐに他社も同様のサービスを開始するでしょう。一度作って終わりではなく、毎年新しい機能を追加することでイオンらしさを出しつつ、さらなる利便性を追求したいと思います。
　IRでは継続的に投資家へ情報発信をしていくことが何よりも重要です。そのためには期末の招集通知だけでなく、１年を通じた株主とのコミュニケーションを充実させていくことが重要です。また、その結果、株主総会の時期には、多くの株主の皆さまに議決権行使をしていただけるようになるのが理想です。