提供:株式会社アイ・ピー・エス

今後10年の生き残りへ、中堅中小企業こそERPを IT対応・生産性向上… 小回りが利く経営にも必須

 BSジャパン番組「未来を見る経営へ〜基幹システムで変わる中堅・中小企業〜」に
株式会社アイ・ピー・エス渡辺寛社長が出演

BSジャパン番組「未来を見る経営へ〜基幹システムで変わる中堅・中小企業〜」に 株式会社アイ・ピー・エス渡辺寛社長が出演

株式会社アイ・ピー・エスの渡辺寛社長(中央)は19日のBSジャパンの番組「未来を見る経営へ〜基幹システムで変わる中堅・中小企業〜」に、ナビゲーターを務めた経済ジャーナリストの渋谷和宏氏(右)、アナウンサーの阿部優貴子氏とともに出演した

 一方では急速な進歩を続けるIT(情報技術)への対応、他方では働き方改革を通じた生産性向上の必要性。中堅中小企業を取り巻く情勢は大きな変革期を迎えています。その中でも特に企業にとって重要性を増しているのが、今までは大手企業のものと思われることが多かったERP(基幹系情報システム)です。8月19日にBSジャパンで放映された番組「未来を見る経営へ〜基幹システムで変わる中堅・中小企業〜」では、このERPを特集。主に中堅中小企業向けにERPを提供している株式会社アイ・ピー・エスの渡辺寛社長が出演し、最新のERP動向に関する説明と、それが中堅中小企業に何をもたらすかについて実例を交えながら解説しました。

Part1 バックミラーではなく「前を見た」経営に

 ERPとはエンタープライズ・リソース・プランニングの略です。人・モノ・お金といった企業の資源をうまく統合しながらマネジメントしようとする思想のことで、さらにはそのために使用される情報システムそのものを指す言葉としても使われています。

 アイ・ピー・エスの主な取引先は、規模としては売上高30億円から、1番多いのは100億~300億円の企業ですが、そうした中堅中小企業においては「人材が豊富ではないため、どうしても実業中心に会社が回っています」(渡辺社長)。社内の効率化やシステムの導入といった取り組みが後回しになりがちで、そのためなかなか生産性が上がりません。ですがERPを導入すれば在庫部門や製造部門、調達部門といった社内の各部門のシステム統合が進むため、おおむね1年から1年半もすれば受注から発送までのスピードが上がり生産性が高まるといいます。

 もう一つ、基本的なメリットとして期待できるのが「情報がいろいろと見えるようになる」(渡辺社長)点です。企業内のどの部門で利益が生まれ、どこで損失が起きているのかがERPを通じてリアルタイムで分かるようになるため、経営者も社員も対処しやすくなり機会損失を防ぐことができます。渡辺社長によれば「今までバックミラーを見て運転(経営)していたのが、ちゃんと前を見て運転している気分になった」という経営者もいるそうです。

月次損益を1日で、導入後は赤字なし

ブルーシートで国内大手の萩原工業では、ERP導入により製品ごとの細かい月次損益が1日で出せるようになった

ブルーシートで国内大手の萩原工業では、ERP導入により製品ごとの細かい月次損益が1日で出せるようになった

 実際にERPを導入し、そうした効果を実感している事例として番組中で紹介されていたのが萩原工業株式会社(岡山県倉敷市)です。国産ブルーシートで国内シェア90%を持つ同社ですが、ERP導入前は月次の損益が出るのが翌月中ごろになっており、それを見てから次の月に向けて対策を打とうとしても、もう半月しか残っていない状況だったそうです。それがERP導入によって今では1日で製品ごとの月次損益が出せ、今後の方針について拡大・縮小・維持・撤退の4つに分類し素早く手を打つことができるようになりました。同社はERP導入以後、赤字になったことがないといいます。

 ERPの持つリアルタイム性は企業経営以外の分野でも活用されています。ERPはもとはドイツのSAP社が開発したものですが、このシステムはサッカーのドイツ代表チームにも採用されました。選手やボールの位置に関する情報をリアルタイムに取得し、試合の中で行われていることをデータとしてすぐフィードバックするもので、大量のデータをうまく活用することがドイツチームの活躍につながったのです。

Part2 生産性向上、小回りの良さを維持

 ではなぜ今この時に、中堅中小企業にERPが必要とされているのでしょうか。渡辺社長は2つのポイントがあると指摘します。1つは「人材不足」。過剰労働の問題があって働き方改革もしなければならないだけに、もはや人海戦術に頼ることはできません。日本の人口が減る中で、企業も生産性をもっと上げていかないと今まで以上の活躍はできなくなっています。ERPの導入に際して大企業の場合はカスタマイズが必要になり、コストが上がることが多いのですが、中堅中小企業の場合はそもそも過去のシステム投資が少ない分、新システムをそのまま利用できるケースが多いそうです。

 さらに中堅中小企業の強みである「小回りの良さ」を維持するためにもERPが必要になっているといいます。最近では中堅中小企業でも海外に進出する事例が増えていますが、言葉の壁・距離の壁・時間の壁によってスピード感が失われるリスクがあります。この壁を越えるのがERPで、アイ・ピー・エスの顧客の中には国内の営業所から注文キャンセルが入ると2~3時間後には中国にある工場で生産調整するほどのスピード感をもった経営をしている企業もあります。

グローバル展開でもERPが強みに

手作り工程の多い業務用ランプを製造している河北ライティングソリューションズも、ERPの導入が強みになると見ている

手作り工程の多い業務用ランプを製造している河北ライティングソリューションズも、ERPの導入が強みになると見ている

 業務用のハロゲンランプや放電ランプの開発・製造販売を行う河北ライティングソリューションズ株式会社(宮城県石巻市)も、海外進出においてERPが強みを発揮している企業の一例です。以前は生産と経理のデータが別システムだったため、人手をかけて両方のデータをやりとりしていましたが、顧客からの問い合わせなどに応じるのが難しかったといいます。そこで同社はベトナム工場を立ち上げた時に新たにSAP社のERPを入れました。グローバル展開しやすいうえ、リアルタイムで不良品の状態などを見ることができるなどの利点もあり、これからの強みになると感じています。

 小回りが利くという点でスタジオで話題になっていたのが、アディダスのスピードファクトリーでした。ユーザーが「こういう靴がほしい」とウェブサイトで模様や色などを選ぶとその情報が工場に伝わってすぐにその靴が製造される仕組みで、実際に愛犬の写真がいっぱい入った靴を注文した人もいたとか。渡辺社長によればこれもERPと関係する話で、「注文をもらっても作る段取りに時間がかかっていたのが、技術の進歩によって注文を早く取り込み対応できるようになりました」といいます。新しいビジネスモデルの成立をERPが支えているのです。

Part3 メリットは経営陣だけでなく社員にも

 もちろん中堅中小企業にとって情報システムの導入は必ずしも容易なものではありません。今までの仕事の進め方そのものを変えてしまうだけに、ERPが「経営者も社員も同じ方向を向いてしっかり仕事ができるようにする」(渡辺社長)システムであることを皆に納得してもらう必要があります。家電や自動車の電子部品に使われる導電・絶縁材料を製造しているナミックス株式会社(新潟県新潟市)も、そうした悩みに直面しながらERP導入に踏み切った企業です。

 同社が最初に導入した情報システムは会計のためのものでした。その後、20年ほど前から他の業務でも使えるものにしていこうと、いろいろな機能を付加していったそうです。そのため時間が経過するにつれて仕組みが複雑になり、さらにはデータの整合性も部門によって多少違ってくるなどの問題も生じました。そこでERPを導入しようとしたのですが、何より大変だったのが社員に受け入れられることだったといいます。自分たちが作ったものを別のシステムに入れ替えることになかなか同意できない人もいましたが、それが社員にとってもメリットになることを繰り返し説明して納得してもらいました。今では生産性を上げる資料作成などが以前より容易になり、社員も普通にERPを使いこなしています。

企業に入る新技術、ERPでの統合欠かせず

旧来のシステムを新しいERPに入れ替えた導電・絶縁材料製造のナミックスでは、小回りの必要な中堅中小企業でも使えると話す

旧来のシステムを新しいERPに入れ替えた導電・絶縁材料製造のナミックスでは、小回りの必要な中堅中小企業でも使えると話す

 中堅中小企業の活動に様々な利点をもたらしているERPですが、これからの方向性について問われた渡辺社長は「過去10年とこれからの10年でITはまったく様変わりしていきます」と話していました。渡辺社長によれば過去10年は実はITにとって「非常に穏やかな時代」でした。ただしその間にビッグデータの登場や基礎技術の発展や実用化といった大きな流れが進んでいました。これからの10年はそういったものが企業にどんどん入り、ビジネスモデルや仕事の進め方が変わっていく時代になるそうです。

 中堅中小企業もその中で競争していくためには、新しい技術を取り込み、ビジネスモデルを編み出し、生産性を高めていく必要があるでしょう。しかしあらゆるモノがネットにつながるIoTや人工知能(AI)といった新技術を取り入れても、それだけではうまくいかないと渡辺社長は指摘します。受注や製造、出荷といった個々の部門でそうした技術を入れても、それらをつないで全体を統合する基幹部分がしっかりしていなければ、技術を使いこなすのは難しいでしょう。「これからの10年間はいっそうERPが重要になってきます」というのが渡辺社長の結論でした。

8月19日にBSジャパンで放映された「未来を見る経営へ〜基幹システムで変わる中堅・中小企業〜」の
概要は、以下の動画をご参照ください。